旧車と名車が甦るメディア

日本でいちばん暑い席。敢えて暑い夏に劇狭なリアシートを体感してみた

目次
1.■アルピーヌA610 2.■ポルシェ911(996モデル) 3.■スバル ヴィヴィオT-Top(タルガトップ) 4.■まとめ:狭くても、暑くても、リアシートはあった方がいい

2025年の夏も想像以上に暑い日が続いています。しかも、信じられないほどの暑さが。

東京では8月27日までに10日連続の猛暑日を記録したそうです。

路上では熱中症で救急搬送をする救急車のサイレンが鳴り響き、大汗をかきながら路上を歩く方々を目にする日々です。こんなときにはどうすえばいいか?考えました。

暑いときには逆療法、暑いからこそ辛いカレーや熱いうどんを食べて汗をかく。クルマでもそれは可能です。ただオーバーヒートやパーコレーションの話では、暑さの前に不安が立ってしまいます。ですので、別のお話をしたく思います。

この世の中には知らなくてもいいこと、知っても意味のないことがあります。ええ、世の中の大多数の人たちから「どうでもいいよ」といわれるようなことです。しかし、たまにふとこれはどうなのだろう?と思ったことはありませんか。そう、これはそうした素朴な疑問、あなたが知らなくても一向にかまわない世界のお話です。

 スポーツカーは多くの場合、2座しかなかったりするものがあります。いわゆる「2シーター」モデルです。その理由はエンジンが後部にあったり、重量配分の都合上、後部座席を持たないためです。

ですが、世の中にはそれではいけない、そうしたクルマでも4人は乗れなくては!と、後部座席を一生懸命(無理やり?)設計して組み込むという努力をメーカーがしてきました。

あくまでも一説によれば・・・ですが、ポルシェ944(924)とマツダ サバンナRX-7(SA22、FC3S)はまったく逆の理由から後部座席を設置することを考え、非常に似たスタイルに至ったという面白い話を学生時分に」伺ったことがあります。2座でもいいのだけれど4座で作りたい944、2座で作りたいのだけれど法規制や販売を考え、やむおえず後部座席を作ったサバンナRX-7。それでも両車は似てしまう。なんだか不思議なお話です。

そんな数多の2ドアスポーツカーが後部座席を持ち、それは果たして本当に使い物になるのだろうか?決して長身ではありませんが、脂肪分たっぷりの私(きもだ)が実際に乗り試してまいりました。

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

■アルピーヌA610

フランスを代表するスポーツカーA310から続くRRモデルの最終型。ポルシェ911と同じレイアウトながら、座ってみると思いのほかヘッドクリアランスが取れています。そのため、長身の方でなければそれなりにドライブも可能そうです。ただし、エンジンの熱はそれなりに籠るので夏場はお勧めいたしません。

 また、乗り込んだだけではそれほど狭さは感じられません。むしろサイドサポートはしっかりとホールド感すらありします。車高の低さゆえか、さすがにヘッドクリアランスはお世辞にも期待できませんが、それでも十分にドライブに耐えるようにも感じられます。

それでは前席の背もたれを起こして実際の運転状況に合わせてみましょう。思ったよりは圧迫感はありませんが、やはり足元が狭い。座面が低いためやや体育座りのような姿勢からさらに足を開き、シートを間に入り込ませないとなりません。もし後席に女性を乗せるのであれば、美しい姿勢のためにはヨガのインストラクターのようになるかもしれません。

旧車王バナー旧車王バナー

■ポルシェ911(996モデル)

やはりRRレイアウトのためお世辞にも余裕があるとはいえません。シートの硬さもクッションがあまりなく、非常に硬めです。何より前述のアルピーヌ A610に比べてもヘッドクリアランスがないため、大人は短距離で限界でしょう。しかし、人によってはこれで親子4人でテントとタープまで装備してキャンプにも行く方も。乗り手の気合い次第ではいろいろなことができるかもしれません。

早速乗り込んでみますが、既に先ほどのアルピーヌ A610と同じように足元は厳しさが隠せません。シートを起こすのが不安になってきました。

 シートを起こすともう後席部分は一杯いっぱい。にじむ汗でデフロスターを作動させても曇りそうな狭さです。前席のヘッドレストは目の前に迫り、後部やヘッドクリアランスはほぼ皆無といえるでしょう。

■スバル ヴィヴィオT-Top(タルガトップ)

最後のご紹介はスバルのヴィヴィオ タルガトップです。前述の2台に比べはるかに車高は高く、安心感がありそうです。しかし油断してはいけません。これはあくまでも後部座席に人を乗せて快適にドライブが可能かどうかを検証するために行っているのです。

それが証拠にこの後部座席の画像をご覧ください。もうすでに不安しかない狭さです。

では実際にご着席いただきましょう。今回は筆者ではなく、現地にいた似たような体格のお2人に入っていただきました。既にこの時点でも「ミッチミチ」です。リアウィンドウセクションを起こしたら接合部から色々染みだしてきそうな感じさえあります。

このクルマではここまでは序の口。ここまで小さいクルマですから、やはりフル乗車したらどうなるかを見てみたいと思うのが人情です。で、乗っていただきました。

 なんというせまっ苦しい、もとい暑っ苦しい絵面でしょうか。さすがにリアウィンドウと屋根を着けてくれとお願いはできませんでした。恐ろしい画像です。

ここまで読まれた読者の皆様、エアコンなんて切って窓を開けてください。たぶん清々しい空気と涼しい風が感じられるはずです。

旧車王バナー旧車王バナー

■まとめ:狭くても、暑くても、リアシートはあった方がいい

この夏、日本各地で40度を越える気温を観測しました。この狭く暑そうな図を見て、その後の開放感溢れる世界を見ればとても涼しく感じられるのではないでしょうか。

今回この無茶な企画で手伝ってくれた方々、とても楽しそうにご協力をいただけました。

狭くても暑くてもみんながそこにいて、クルマをドライブすることができればそれだけで楽しくなると思うのです。

夏場でも楽しくドライブをいたしましょう。ただし、後席に人を乗せるときは車種によっては5~6㎞以内にとどめておく方が無難かもしれません。

[画像・ライター / きもだこよし] 

この記事に誤りや気になる点がありましたら、お手数ですが、こちらのフォームからお知らせください。ご協力ありがとうございます。

この記事をシェアする

旧車王マガジンは
旧車王
が運営しています

旧車王は、「買取は10年以上の旧車だけ」というコンセプトのもと、旧車・クラシックカーに特化して25年、 累積15,000台以上を買取させていただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

マークIIクオリスが25年ルール解禁!今後値上がりする?

マークIIクオリスが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車の売買と鑑定市場 2025.11.04
オーナーが“青春の一部”と語る愛車「1986年式トヨタ スプリンタートレノGT-V改」との出会い。そして別れを考える

オーナーが“青春の一部”と語る愛車「1986年式トヨタ スプリンタートレノGT-V改」との出会い。そして別れを考える

旧車の愛好家たち 2025.10.31
【2025年解禁】タウンエースノアが25年ルール対象に!輸出と買取相場の行方

【2025年解禁】タウンエースノアが25年ルール対象に!輸出と買取相場の行方

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.29
2024年10月にトヨタ ガイアが25年ルール解禁!今後値上がりする?

2024年10月にトヨタ ガイアが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.27
トヨタ ソアラが25年ルール解禁へ!今注目の輸出・高騰モデルとは

トヨタ ソアラが25年ルール解禁へ!今注目の輸出・高騰モデルとは

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.24
話題の70スープラは25年ルール対象|名車の魅力と高く売れる理由とは

話題の70スープラは25年ルール対象|名車の魅力と高く売れる理由とは

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.21
高市早苗氏の愛車「70スープラ」を深掘り!レストアまでの軌跡

高市早苗氏の愛車「70スープラ」を深掘り!レストアまでの軌跡

旧車の魅力と知識 2025.10.21
R35 GT-Rは高リセールのプレミアムスポーツ!査定のポイントを解説

R35 GT-Rは高リセールのプレミアムスポーツ!査定のポイントを解説

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.20

記事ランキング

1
マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

旧車の魅力と知識 2025.03.25
2
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車の魅力と知識 2024.04.19
3
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

旧車の再生と維持 2023.09.12
4
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車の再生と維持 2023.10.18
5
クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

旧車の魅力と知識 2022.09.12
6
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車の売買と鑑定市場 2023.03.31
7
【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

旧車の売買と鑑定市場 2024.07.29
8
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車の魅力と知識 2020.04.25

カテゴリ一覧

# 旧車の魅力と知識 # 旧車の売買と鑑定市場 # 旧車の再生と維持 # 旧車のイベント # 旧車の愛好家たち