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廃車費用の相場と内訳を完全ガイド!無料で処分して損しないための知識

目次
1.廃車手続きの種類 2.廃車にかかる費用の相場 3.【依頼先別】廃車費用の相場 4.廃車費用を抑えるためのポイント 5.まとめ

長年連れ添った愛車を手放すとき、手続きや必要な費用が心配になる方は多いのではないでしょうか。

廃車にかかる費用は依頼先によって大きく異なり、工夫次第では費用をかけずに処分することも可能です。場合によっては、思わぬ金額が手元に戻ってくるケースもあります。

この記事は、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、廃車にかかる費用の内訳や詳しい相場、損をしないための依頼先の選び方について解説します。

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廃車手続きの種類

廃車の手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」があります。どちらの手続きを選ぶかによって、その後のクルマの扱いや必要となる費用が変わります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

永久抹消登録

永久抹消登録は、クルマを解体(スクラップ)することを前提とした手続きです。対象のクルマの登録情報を永久に抹消します。この手続きが完了すると、そのクルマは二度と公道を走ることができなくなります。

災害等でクルマが使えなくなった場合や、老朽化等により乗る予定が全くないクルマを処分する際に選ぶことが一般的です。手続きを行うと、後述する自動車税や重量税の還付金を受け取ることができます。クルマを完全に手放し、維持費の負担から解放されたい場合に適した方法です。

一時抹消登録

一時抹消登録とは、クルマの登録を一時的に中断する手続きを指します。海外出張や長期入院などで長期間クルマに乗らないものの、将来的にまた乗る可能性がある場合に利用されます。手続きを行うと、ナンバープレートを返却するため公道を走行できなくなりますが、クルマ自体は手元に残しておくことが可能です。

登録を抹消している期間は、自動車税の支払いが不要です。再びクルマに乗る際には「中古車新規登録」の手続きを行えば、再び公道を走れるようになります。ただし、クルマを保管しておく駐車場は必要であるため、維持費が完全に発生しなくなるわけではありません。

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廃車にかかる費用の相場

廃車の手続きには、具体的にどのような費用が発生するのでしょうか。ここでは、廃車手続きで発生する可能性のある代表的な費用の内訳と、それぞれの相場を紹介します。

解体費用

解体費用は、永久抹消登録の際に発生するクルマをスクラップにするための作業費用です。解体業者がクルマのエンジンや各種パーツを取り外し、プレス機で圧縮して鉄の塊にするまでの一連の工程が含まれます。

費用は業者によって幅がありますが、一般的には2万円程度と考えておくとよいでしょう。業者によっては、解体して得られる鉄資源を売却することで利益を得るため、解体費用を無料にしているところもあります。依頼する前に、解体費用がいくらかかるのかを必ず確認しましょう。

レッカー料金

レッカー料金は、事故や故障などで自走できなくなったクルマを、解体工場まで運搬する費用です。移動距離に比例して高額になるのが一般的であり、数キロ程度の近距離であれば5,000円程度、長距離になると3万円以上かかることがあります。

クルマが問題なく走行できる状態であれば、オーナーが自身で解体工場まで持ち込むことで、レッカー料金を節約できます。廃車費用を少しでも抑えたい場合、クルマが自走可能かどうかは大きなポイントになります。

リサイクル料金

リサイクル料金は、クルマを解体した後に残るシュレッダーダスト(細かく破砕されたゴミ)やエアバッグ類などを、環境に配慮して適正に処理するために必要な費用です。

2005年に施行された自動車リサイクル法に基づき、原則としてクルマの購入時に前払いする義務があるため、多くの場合は廃車時に改めて支払う必要はありません。

購入時に支払い済みであることは「リサイクル券」が証明します。リサイクル券を紛失したとしても、支払いの記録はシステムで管理されているため再度支払う必要はありません。ただし、法律が施行される2005年より前に購入し、一度も車検を受けていないようなケースでは、リサイクル料金が未払いの可能性があります。

その際にはリサイクル料金を支払う必要があり、車種によって1万円から2万円程度が請求されます。

手続きにかかる申請手数料

廃車手続きを運輸支局で行う際には、申請手数料が発生します。永久抹消登録や一時抹消登録の手続き自体は無料ですが、登録事項等証明書の交付を受ける場合などに、数百円程度の手数料が必要になることがあります。また、業者に手続きを代行してもらう場合は、これらの手数料に加えて「代行手数料」が上乗せされるのが一般的です。

【依頼先別】廃車費用の相場

廃車にかかる費用は依頼先によって金額が変わります。ここでは、代表的な3つの依頼先である「ディーラー」「自分で手続き」「廃車買取業者」それぞれのメリット・デメリットを、費用の観点から比較します。

ディーラーに廃車依頼する

ディーラーに廃車を依頼する場合、新しいクルマの購入と同時に手続きを進めるのが一般的です。新車購入時の下取りと合わせて廃車手続きを任せられるため、手間がかからず安心感を得られるのがメリットといえます。

ただし、費用面では割高になる傾向があります。ディーラーによる廃車手続きは外部の解体業者へ委託するケースが多いため、解体費用やレッカー代に代行手数料が上乗せされることがほとんどです。そのため、廃車にかかる費用の総額は、1万円から8万円程度が相場です。手間をかけたくない方や、新車購入を前提としている場合には良い選択肢となりますが、費用を抑えたい方にはあまり向いていない方法です。

自分で廃車手続きをする

自分で運輸支局に出向いて手続きを行えば、ディーラーや業者に支払う代行手数料を節約できます。必要な書類を自分で揃え、平日に運輸支局へ行く時間を確保できるのであれば、最も安く済ませられる可能性のある方法です。

ただし、かなりの手間と時間、さらには専門知識を要します。クルマを解体してくれる業者を自分で探し、レッカーの手配も行わなければなりません。その後は書類作成や運輸支局での手続きなど、すべてを自分1人で行う必要があります。手間を惜しまず、少しでも費用を節約したい方に向いている方法です。

廃車買取業者に依頼する

廃車費用を抑えたい場合は、廃車買取業者に依頼することも方法の1つです。廃車専門のプロフェッショナルであり、手続きにかかる費用を無料にしているところが少なくありません。

無料で引き取れる理由は、買い取ったクルマをただスクラップにするのではなく、価値のある部品やパーツを再利用したり、鉄資源として売却する独自のノウハウを持っていたりするためです。

特に海外では日本車の人気が高いため、日本では価値がないとされる古いクルマや過走行車でも、修理したうえで輸出すれば利益を得られます。そのため、手続きの代行費用やレッカー代、解体費用まで、すべて無料で対応できます。

クルマの状態や車種によっては値段がつき、買い取ってもらえる可能性もあります。

廃車にすると還付金を受け取れる

廃車にすると、条件を満たした場合に国や保険会社から「還付金」を受け取れます。これは、クルマの所有者が前払いしている税金や保険料の一部が返還される仕組みです。還付金の詳細について見ていきましょう。

自動車税の還付

自動車税は、廃車手続きを行うことで還付されます。自動車税は、毎年4月1日時点の所有者が、その年度分(4月から翌年3月まで)をまとめて前払いしています。そのため、年度の途中で永久抹消登録または一時抹消登録を行うと、残りの月数に応じた税金が月割りで還付されます。

たとえば、9月に廃車手続きが完了した場合の還付金は、10月から翌年3月までの6ヶ月分です。ただし、還付制度は普通自動車・小型自動車が対象であり、軽自動車税は還付されません。

重量税の還付

自動車重量税の還付は、永久抹消登録を行った場合にのみ受けられます。自動車重量税は、車検時に次の車検までの期間分(通常は2年)を支払う税金です。車検の有効期間が1ヶ月以上残っている状態でクルマを適正に解体し、永久抹消登録と還付申請を同時に行うことで、残存期間に応じた金額が還付されます。

自動車重量税の還付を受けるためには、解体報告の記録と永久抹消登録が完了していることが条件となるため、手続きを忘れないようにしましょう。なお、クルマの存在が残る一時抹消登録は還付の対象にはなりません。

自賠責保険料の返戻金

自賠責保険料の返戻金は、税金の還付とは異なり、ご自身が加入している保険会社に直接解約手続きを行なうことで受け取れます。保険の契約期間が1ヶ月以上残っている場合に、残りの期間に応じた保険料が月割りで返還される仕組みです。

永久抹消登録または一時抹消登録手続きの完了後、証明となる書類を保険会社に提出して解約を申請します。手続きを行うことで、数千円から1万円程度の返戻金を受け取れる可能性があるため、忘れずに申請しましょう。

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廃車費用を抑えるためのポイント

廃車費用は依頼先やクルマの状態によって大きく変動します。ここでは、誰でも実践できる費用節約のための具体的なポイントを3つ紹介します。

自走できればレッカー代を節約できる

廃車費用の中で大きな割合を占めるのがレッカー代です。もしクルマが安全に走行できる状態であるなら、オーナーが自身で運転して業者に持ち込むことで、レッカー代の支払が不要になります。

車検が切れていても、仮ナンバー(自動車臨時運行許可)を市区町村の役所で取得すれば、合法的に公道を走行させることが可能です。

近場の解体業者を選ぶ

クルマが自走できずにレッカー移動が必要な場合は、なるべく自宅から近い場所にある業者を選ぶことをおすすめします。レッカー料金は移動距離によって決まるため、業者までの距離が短ければ短いほど、費用を安く抑えることが可能です。

複数の業者に見積もりを依頼する際には、レッカー代の金額に加えて、料金が無料になる条件を事前に確認しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。地域に密着した業者を探してみるのも1つの方法です。

価値がわかる業者に買取を依頼する

廃車費用を抑えるだけでなく、利益を得られる可能性がある方法が、クルマの価値を評価してくれる業者に依頼することです。特に廃車買取を専門に扱っている業者は、古いクルマや走行距離が多いクルマでも、価値を見出すノウハウを持っています。

動かなくなったクルマでも、希少な純正パーツには高い価値があるかもしれません。また、一部の車種は海外で絶大な人気があるため、廃車同然のクルマが高値で取引されることもあります。

一般的な中古車販売店では0円と査定されるようなクルマでも、専門業者に依頼すれば思わぬ価格で買い取ってもらえるかもしれません。

まとめ

廃車にかかる費用は、クルマの状態や手続きの種類、そして依頼先によって大きく変わります。廃車買取専門業者に依頼すれば、面倒な手続きを無料で代行してくれるだけでなく、動かなくなったクルマや古いクルマでも価値を見出し、買い取ってくれる可能性があります。

「廃車だから費用がかかるのは仕方ない」と諦めてしまう前に、まずは専門の業者に相談してみましょう。

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