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旧車の再生と維持

ジムニーのよくある故障箇所は?トラブルの原因や修理費の目安を詳しく解説
旧車の再生と維持 2023.02.21

ジムニーのよくある故障箇所は?トラブルの原因や修理費の目安を詳しく解説

ジムニーは、軽自動車の本格派オフローダーとして確固たる地位を築いています。そのため、新車・中古車問わず高い人気を誇りますが、購入してからの故障に不安を感じる人は多いでしょう。 この記事では、中古車で最も流通台数が多いJB23型ジムニーのよくある故障個所と修理費用の目安を解説します。ジムニーの購入を検討中の方は参考にしてみてください。 ジムニーのよくある故障箇所 ジムニーは、 堅牢なラダーフレームを採用するなど耐久性に定評のあるモデルですが、まったく故障しないというわけではありません。 ここからは、JB23型ジムニーのよくある故障箇所について紹介します。 セルモーターからの異音 セルモーターとはエンジンを始動するための部品です。10万km〜15万kmが寿命といわれており、今までしなかった音が聞こえる場合は故障している可能性があります。突然エンジンがかからなくなってしまうこともあるため、違和感を感じたらなるべくはやく点検に出しましょう。 交換費用は、新品の場合だと部品代だけで6万8,655円(税込)です。リビルト品を使用する場合は4万〜5万円程度と費用を抑えられます。年式の古いJB23型ジムニーであれば、リビルド品でも問題はないでしょう。 オイルクーラーからのオイル漏れ オイルクーラーからのオイル漏れもJB23型ジムニーの定番のトラブルです。オイルクーラーは、その名の通りオイルの冷却を行う装置です。JB23型ジムニーのオイルクーラーは水冷式で、オイルエレメントの上部にあります。 オイル漏れは、ガスケットとOリングの交換のみで修理できますが、オイルクーラー自体が作業しにくい場所にあるため、修理にかかる工賃が高額になってしまいます。具体的な修理費用は、部品代が数百円なのに対して、工賃が15,000円程度です。また、作業の際にエンジンオイルやクーラントが抜けてしまうため補充をしなければなりません。その対応費用を含めると、合計では2万〜2万5,000円程度かかります。 走行距離が10万kmを過ぎたらいつ起きてもおかしくないトラブルのため、3回目の車検のあたりで予防整備として交換してもよいかもしれません。 オートマチックの変速ショックが大きくなる 走行距離が10万km近い過走行のJB23型ジムニーでは、オートマチックの変速ショックが大きくなるという不具合が散見されます。特に多いのが1速から2速へのシフトアップの際の変速ショックです。 一般的に、オートマチックの不具合には30万〜50万円程度の高額な修理費用がかかりますが、JB23型ジムニーは4万〜4万5,000円程度(オートマチックオイル含む)で修理できます。電磁弁とも呼ばれる、変速を制御するために油圧経路の切り替えを行う「ソレノイドバルブ」の交換のみで症状が改善するためです。 ただし、あまりにも症状がひどい場合はオートマチックASSYでの交換が必要になります。その場合はリビルト品を使用した場合でも30万〜35万円程度の修理費用がかかります。 ターボの不具合によるパワー不足 軽自動車規格のジムニーのエンジンは、1986年のマイナーチェンジの際に2サイクルエンジンから4サイクルターボエンジンに切り替わりました。それ以来、一貫してターボエンジンを採用し続けています。 軽自動車にターボエンジンを搭載すると乗用車並みの走りの実現が可能ですが、走行距離10万kmを超えたあたりでパワー不足や白煙の発生などのトラブルに見舞われやすいです。ほとんどのケースでASSY交換する必要があり、修理費用の目安はリビルト品を使用した場合で8万円程度です。 エアコンの効きが悪い ジムニーに限らず、初度登録から10年もしくは走行距離が10万km前後で、クルマのエアコンは効きが悪くなります。心臓部であるコンプレッサーの経年劣化や、エバポレーターや配管周りからのガス漏れなど故障の原因はさまざまです。 ジムニーはどんな部品でもリビルト品が出回っているため、エアコンが故障した場合でも、一般的なクルマより費用を2~3割程度安く抑えることができます。リビルド品を使用した場合の目安は、コンプレッサーの交換で6万円程度、エアコンの丸ごと交換で15万円程度です。 ハブベアリングのガタつき ジムニーでハンドルに振動を感じるようになったらハブベアリングのガタつきを疑いましょう。 ハブベアリングの交換時期は走行距離10万km前後といわれていますが、悪路での走行が多かったり、リフトアップなどでタイヤの外径を大きくしていたりする場合は、6万km程度でも交換が必要になることもあります。 修理費用の目安は、ナックルオーバーホールも含めて13万円程度です。ジムニーは、デフやドライブシャフトなどが一体となっているリジッドアクスル式サスペンションを採用しているため、ハブベアリング交換の際にキングピンベアリング交換、オイルシール交換、グリス交換などのいわゆる「ナックルオーバーホール」も同時に行います。そのため、費用がかさんでしまいます。 まとめ 本記事ではJB23型ジムニーのよくある故障箇所とその修理費用について解説しました。 ジムニーはさまざまな部品のリビルド品が出回っているため、他の車種に比べて修理費用がかかりません。そのため、はじめてのマイカーだとしても無理なく維持できるでしょう。また、JB23型は1998年から2018年まで販売されていたロングセラーなモデルのため、なるべく年式の新しい個体を選ぶことで故障のリスクを最小限に抑えられます。 ジムニーは、発売から半世紀以上の歴史のあるモデルですが、基本構造は初代からほとんど変わっていないため、ここで紹介したよくある故障箇所はJB23型以外の世代でもおおむね同じです。購入前にあらかじめウィークポイントを知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

事故を起こしたら修理と廃車どちらを選ぶべき?判断のためのポイントを詳しく解説
旧車の再生と維持 2023.02.21

事故を起こしたら修理と廃車どちらを選ぶべき?判断のためのポイントを詳しく解説

事故で車が壊れてしまった際は、車を修理をするのか、それとも廃車にするのかを判断しなければなりません。また、車を修理する際には、費用だけでなく時間もかかることも考慮する必要があります。本記事では、事故で壊れてしまった車を修理するのか、それとも廃車にすべきなのかの判断方法について詳しく解説します。 事故車の修理にかかる費用 事故車の破損には様々なケースがあり必要になる費用もさまざまですが、おおよその相場は存在します。もっとも破損しやすいバンパーを交換する場合の相場は、1万円〜10万円程度です。凹んだり傷付いたドアを補修する場合なら1.5万〜5万円、補修ではなく交換するなら、最低でも10万円はかかるでしょう。 ウインドウガラスを交換するなら、フロントガラスで5万〜10万円、リアガラスで2万〜5万円程度が必要です。もしエンジンも修理するのであれば、20万〜100万円程度が必要です。当然ですが破損箇所が複数あれば、それぞれの修理費が必要になります。 事故車の修理と廃車の判断基準 事故を起こした車を修理せず、今後使わないと決めた場合は廃車の手続きが必要です。廃車は正確には「永久抹消登録」という手続きを行います。永久抹消登録をすると、納付済みの自動車税(種別割)や自動車重量税の一部が還付されるため、早めに手続きした方がよいでしょう。 それでは、修理と廃車の判断のポイントについて、5つ紹介します。 破損の程度 まず最初に、車の破損の程度で判断しましょう。バンパーやドアなどの一部のキズや凹みであれば、比較的安価に修理できるはずです。逆に車の走行機能に関わる部品が壊れていれば、修理費が高額になることが予想されます。前方の衝突によってフロントバンパーだけでなくエンジンルーム内、足回りなども破損していれば、修理費は高額になると判断できます。 走行可能かどうか 破損の程度を判断する上で目安になるのが、車が走行可能かどうかです。問題なく走行できるようであれば、修理したほうがよい場合が多いでしょう。反対に事故によって走行できないほどの損傷を受けているのであれば、廃車にしたほうがよい可能性が高いと考えられます。 走行距離 車の走行距離も、修理か廃車かの判断材料の1つです。走行距離が長く、10万キロを超えている車であれば修理した後も、寿命によって交換が必要になる部品が増えることが予想されます。寿命による出費が発生するのであれば、新しい車に換えたほうがよい考えられるでしょう。 次回車検までの期間 所有している車を車検に通す際は、さまざまな費用が発生します。事故で破損した車の車検日が近いのであれば、修理費用に加えて車検費用も考慮しなければなりません。逆に車検満了までの期間が長いのであれば、修理費を負担してでも乗り続けたほうがよい場合もあります。 費用面 修理しても廃車にしても何らかの費用が発生します。車の修理費は任意保険の車両保険でまかなえる場合もありますが、車両保険を使った場合には、次の契約から保険の等級が下がり、保険料が高くなってしまいます。 修理費が比較的安価であれば、車両保険を使わないほうがよい場合もあるので、必ず確認しましょう。確認する場合には車の修理を依頼するディーラーや整備工場と、加入している保険を扱っている代理店等と相談することになります。 修理にかかる期間 車の修理にかかる期間は、修理内容によって変わってきます。また作業時間だけでなく、交換部品の入手に時間がかかる場合もあります。外車を修理する場合で日本国内に部品がなければ、部品を取り寄せる時間も必要です。 交換部品が不要な、例えばドアの軽微な傷の補修であれば数時間程度で済みますが、バンパーやガラスといった部品交換を伴う作業の場合には、部品が入手できてから数日程度が必要です。特に修理時間が長いケースとしては、エンジンを車から降ろして修理する場合、フレームの交換や修理が必要な場合だと、10日前後から1ヶ月ほどかかるケースもあります。 事故車の修理期間には代車を利用できるのか、それとも車無しでも過ごせるのかという視点も、修理か廃車かの判断のポイントになるでしょう。 事故車の修理の依頼先 事故車を修理する際に、依頼先も選ぶ必要があります。依頼先はディーラーと町中にある整備工場から選ぶことができます。 ディーラー ディーラーで修理をするメリットは、純正パーツで修理できることです。修理に必要な部品も、自動車メーカーのパーツセンターから素早く入手できます。純正パーツは価格が高めになる傾向がありますが、その分安心感が得られるでしょう。将来車を売却する際にも、ディーラー修理の方が査定評価で有利になる場合もあります。 整備工場 事故車の修理をディーラーではなく、町中にある整備工場に依頼することもできます。整備工場の場合は純正パーツ以外に、再生部品や中古部品を使うことで安価に修理できる場合もあります。修理費を安くしたいのであれば、まずは整備工場に相談するとよいでしょう。 事故車の修理の流れ 事故車を修理する場合には、以下のような流れで進みます。自動車保険を使う場合には、保険会社が提携しているディーラーや修理工場に依頼される場合もあります。 1.見積もり 事故車の修理を依頼したら、まずは見積もりを入手しましょう。車両保険で修理費をまかなう場合でも、内容によっては自己負担しなければならないものもあります。さらに前述のとおり、修理に車両保険を適用することによって、次回の保険料が上がることも忘れてはいけません。修理業者から入手した見積もりと、次回の保険料の見込み額も十分に確認しましょう。 2.修理依頼 保険適用も含めて修理にかかる費用が明らかになり、その上で納得できたら修理を依頼しましょう。見積もりをもらった時点で、修理にかかる時間もわかるはずです。部品の入手に長い時間が必要な場合など、修理が完了するまでの生活にも問題がないか、あわせて確認しておきましょう。 3.修理完了後の引き取り 修理が完了して引き取る際には、改めて修理内容の説明を受け、修理の仕上がりを確認しましょう。サスペンションなどの足回りを修理している場合には、真っ直ぐに走るのか、ハンドリングに変なくせがないかも注意が必要です。もし気になることがあれば、修理業者に早めに相談しましょう。

まさに「主治医」な存在。引っ越しから始まった自動車整備工場探しの日々
旧車の再生と維持 2023.02.10

まさに「主治医」な存在。引っ越しから始まった自動車整備工場探しの日々

当たり前をしっかりと実行してくれるお店のありがたさ! 祝、S15型シルビアお迎え23周年! というわけで先日、11度目の車検を受けてきました。 現在、メンテナンスや車検、修理でお世話になっている自動車整備工場(以下、整備工場)は、私が都内に越してきてからのお付き合いになります。 料金は良心的、スタッフは経験豊富という、願ってもないお店。 この店舗とのご縁がなかったら、S15型シルビアを維持できていなかったかもしれません。 今回は今までにお付き合いしてきた整備工場の遍歴と、そこで学んだ事柄をお話ししたいと思います。 ■実はとってもすごい、ディーラーの「おもてなし」営業 S15型シルビアは新車購入だったので、最初のかかりつけ整備工場はディーラーになります。 前愛車のS14型シルビアから10年以上、面倒をみてもらっていました。 当時はディーラーのみとのお付き合いだったので、「整備工場のサービスはディーラーレベルが基準」と思っていました。 今にして思えば、とんでもない勘違い。 連絡をせず訪れたにも関わらず、整備でも車検でも受け入れ、その場で代車まで出してくれる。 調子が悪くなればメカニックが出張し、事故を起こせば積載車で迎えにきてくれる。 信じられないくらいの至れり尽くせり、すごいよディーラーのおもてなし! ただまぁ、今はお世話になっていませんし、そうなった理由だってもちろん、あります。 詳しくはのちほど記しますが、新車を早いサイクルで乗り換えるスタイルなら、そのままお付き合いを続けるのが正解なのではないでしょうか。 ■「信頼していた」は甘え。客も自身で確認を行わないと 都内へ越してきて最初にお世話になったのは、人当たりのいいお兄さんが店長を務める、開店したての整備工場。 車検こそお世話になっていませんが、オイル交換といったメンテナンスとさまざまなパーツの交換をお願いしていました。 この頃は、実家近くのディーラーにもまだ顔を出しており、たまたま12ヶ月点検と帰省が重なっていたので持ち込んだところ、驚愕の事実が発覚。 先の整備工場で交換したパーツの固定に結束バンドが使用されており、そもそも取り付けの位置がおかしい。 そのおかげかブレーキホースはタイヤと接触していた痕があり、かなり危険な状態だった。その他、諸々……。 Oh……。あの店長、悪意でやったのではなく、頼まれれば何でも引き受けちゃう人で、純粋に経験不足から取り付け方がよく分からないまま対処していたのではと、今では推測しています。 取り付けに問題のあったパーツは純正品、もしくは関連子会社の製品。 ディーラーでも対処できるということなので、正常な状態にして欲しいと依頼。 かかった料金は勉強代として身銭を切りました。 この件から学んだのは「どんな些細なメンテナンスであっても、作業内容を説明してくれる整備工場を選ぶ」ということと、「ちゃんと自分でも作業後を確認する」ということ。 ちなみに上記の件からかれこれ10年以上経っていますが、整備工場は今もしっかりと営業しています。 きっと店長も経験を積まれ、当時の若気の至りを恥ずかしく思って……いてくれたら、いいなぁ。 ■ディーラーのおもてなしは、そこで新車を購入するからこそ享受できるもの S15型シルビアを購入してから15~6年経った頃、リアの足回りから異音がするようになりました。 実家から現在の住まいまで、クルマで4時間近くの距離。 交通費も片道で4000円近くかかり、必要なガソリン代を考えると、そうポンポンと行き来できるものではありません。 そこで今回は住まい近くのディーラーへと足を運び、診てもらいました。 出てきた見積もりは、ハブ回り交換で6桁弱。金額はともかく、地元のディーラーではあったメカニックによる「どのパーツに異変があり、どうやって修理するか」といった説明はなし。 受付のお姉さんに見積もり書を渡されて「はい、終わり」という対応に「歓迎されてなさ」を感じながら、お店をあとにします。 いや、まぁ、塩対応はしかたのないもの。 ディーラーは新車の販売ありきで、整備や修理は購入者に向けたアフターサービス&再び購入してもらうための投資。 よそで購入し、しかも販売を終了して10年以上経つ厄介なクルマを持ち込まれたら、そりゃ困るよね。 新車を買う気のなさも、ありありと伝わっていたでしょうし。 客がお店を選べるように、お店だって客を選べます。 ディーラーでの対応を“やんわりとした拒否”と受け取り、あらためて主治医を探すことにしました。 近所を見てまわったところ数件、旧車を受け入れている整備工場を見かけたのですが、さて、どこに持ち込むか……。 ■口コミを信じて訪れたお店は、紛れもなく“整備士”が腕をふるうお店でした ふと近隣の旧車サークルのメンバーさんが、ブログにて勧めていた車整備工場があったのを思い出します。 記憶に残っていたのも、なにかの縁。まずはこちらの整備工場に診てもらうことにしました。 この頃は「訪問前にまず連絡」という基本的なマナーすら知らなかったため、突然の訪問。 応対してくれたのは店長で、忙しいにも関わらず嫌な顔ひとつせずにS15型シルビアを診てくれ、出てきた見積もりは先のディーラーの半額ほど。 半額!? もちろん安いのは嬉しいけど、そこまで差があると、ちょっと怖いというか……。 聞けばハブ回り全部を交換する必要はなく、異常が出ている箇所だけを交換するから、この金額に収まるのだそう。 かつて旧車やヒストリックカーのレストアも手がけるディーラーを取材したとき、「今のディーラーはアッセンブリー交換士しかいない。 ちゃんとした整備士を育てるためにレストアをはじめた」という所長のコメントを思い出し、妙に合点がいったものでした。 店長の説明に納得し、正式に修理をお願い。 スケジュールが一杯の上、代車の空きもないということで、入庫は1週間先となりました。 整備工場の忙しさとともに、ディーラーの体制がどれほどすごいか、そしてディーラー慣れした自身のおごりを理解したものです。 修理が終わって引き取りに向かった際、写真付きで作業内容の説明を受け、整備士の「きちんとした仕事」がどういうものかを、客の立場で教わります。 不満どころか感謝しかないお店です。 その後も引き続き、整備や車検をお願いし、6~7年を経た今では「乗り続ける限りS15型シルビアの面倒をみるから、最後は引き取らせて」との冗談をもらう程度の付き合いになりました。 部品の供給終了や価格の高騰により、修理が出来なくなる日もくるとは思いますが、少なくとも私が諦めるまではS15型シルビアに乗り続けることができそうです。 お金持ちならいざ知らず、いち庶民の私たちが旧車を維持するには、良心的で旧車の整備に慣れた整備工場の存在が必要不可欠。 これから旧車を購入される方は、まめに先達に聞くなどして情報を集めることをお勧めします。 [画像・AdobeStock、ライター・撮影/糸井賢一]

旧車によくある「有鉛ガソリン車」に無鉛ガソリンを代用して入れても大丈夫!?気になる内容を解説します
旧車の再生と維持 2023.02.07

旧車によくある「有鉛ガソリン車」に無鉛ガソリンを代用して入れても大丈夫!?気になる内容を解説します

1972年3月以前に発売された車の燃料は「有鉛ガソリン」に指定されています。ハコスカやS30フェアレディZなど現在でも人気の旧車が有鉛ガソリン車にあたりますが「有鉛ガソリンってどこで入れられるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実は、2023年2月現在は有鉛ガソリンを扱っているガソリンスタンドは日本に存在しません。取り扱っているのは無鉛ガソリンのみです。 そこでこの記事では、有鉛ガソリン車に乗り続ければどうすればいいのか、無鉛ガソリンでも代用できるのか、気になる燃料事情を解説します。 そもそも「有鉛ガソリン」って何? 有鉛ガソリンとはアルキル鉛が微量添加されているガソリンです。オクタン価を上昇させるアンチノック剤としてアルキル鉛がガソリンに添加されていました。また、アルキル鉛にはバルブシートの摩耗を防ぎ保護するという役割もあります。簡単にいえば、有鉛ガソリンはエンジンに優しいということです。 しかし、アルキル鉛は環境には優しくありませんでした。毒物及び劇物取締法の特定毒物に指定されている有害物質を含んでいるからです。1980年頃まではハイオクガソリンにアルキル鉛がわずかに使用されていましたが、1987年には完全に無鉛化されました。 「有鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても良いの? ここからは本題の「無鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても問題ないか解説します。 かつて有鉛ガソリンが使われていた主な理由は下記の2点です。 ・アンチノック剤としてオクタン価を上昇させるため・潤滑、クッション材としてバルブシートを保護するため 現在は「無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリン」がオクタン価の高い燃料として生産されています。そのため、ハイオクを入れておけば、ノッキングは避けられるでしょう。しかし問題は2つ目の理由です。現代のハイオクガソリンでは、バブルシートを多少なりとも摩耗させてしまいます。やはり完全にリスクを排除して無鉛ガソリンを代用するのは難しいようです。 無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンで「有鉛ガソリン車」を入れる際の注意点 完全に代用はできなくても、無鉛ガソリンを入れたからといって走行できなくなるわけではありません。ここからは、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを使いながらも有鉛ガソリン車のエンジンをいたわるポイントを解説します。 市販の有鉛化添加剤をハイオクガソリンに混ぜる 整備工場やカー用品店、ネット通販などでガソリンに混ぜるための有鉛化添加剤が売られています。これらを使用すると、バルブシートの摩耗を防止できます。有鉛化といっても、鉛の代わりにナトリウム化合物によって有鉛化効果を得るものであるため、環境的に問題はありません。 「有鉛ガソリン車」の使用頻度を下げる 週末に少しだけ乗る、というような頻度の少ない使い方であれば、ハイオクガソリンをそのまま入れて問題ないでしょう。しかし通勤に使うなどほとんど毎日乗る場合には、どうしてもバブルシートが摩耗してしまいます。なるべく乗る機会を減らすか、もしくはハイオクガソリンを入れるたびに添加剤も入れておくのもバルブシートの摩耗を防ぐ方法です。 バルブシートを無鉛ガソリン用に交換する 現代では旧車発売当時より技術力が向上しており、無鉛ガソリンでも摩耗しにくいバブルシートが開発されています。無鉛ガソリン対応のバブルシートに交換すれば、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを入れても問題ありません。しかし、整備工場に交換を依頼する必要があるため、費用がかさんでしまいます。 有鉛ガソリン車の取り扱いに困ったら手放すという選択肢も 旧車の維持には多くのお金が必要です。特に「有鉛ガソリン車」は添加剤の使用やバルブシートの交換でさらに費用がかかります。もし維持費を負担に感じたら、売却をご検討してみてはいかがでしょうか。

トヨタ3代目セルシオ(30系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.02.03

トヨタ3代目セルシオ(30系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

セルシオといえば、1989年10月から2006年5月まで製造されていたトヨタ自動車のフラグシップセダン(センチュリー除く)です。2000年8月に登場した30系3代目は最後のセルシオとして中古市場でも高い人気を誇っています。発売当初は高嶺の花といわれていましたが、現在中古市場では100万円程度で購入できる個体も増え、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、30系セルシオはどんなに新しいモデルでも製造から15年以上が経過しているため、維持費が心配になりますよね。そこで今回の記事では30系セルシオにかかる維持費について解説いたします。 30系セルシオの特徴 30系セルシオは2000年から2006年まで製造された3代目のセルシオです。2代目までは直線的なボディラインでしたが3代目は曲線的なデザインに変わり、イメージを一新しました。内装デザインは帝国ホテル、フォーシーズンズホテル、リーツカールトンを参考に、シートはブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空のファーストクラスを参考に作られたといわれています。カーオーディオについても、高級メーカー「マークレビンソン」が手掛けたプレミアムサウンドシステムをオプションで選択できることも話題になりました。 30系セルシオ維持費の内訳 30系セルシオの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 30系セルシオは3UZ-FE型 4.3 L V8 DOHCエンジンを搭載しており、燃費は10・15モードのカタログ数値で8.2km/リットルです。実燃費は6〜7km/リットルほどといわれています。 先代の20系からは0.2km/リットル向上しているとはいえ、30系セルシオはハイオク限定車です。費用の負担はどうしても大きくなってしまうでしょう。 ここからはさらに詳しく金額をシミュレーションします。仮に通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約154リットル使用(*1) し、燃料代は26,750円(*2) ほどかかります。この条件で1年間走行した場合の総額は、321,000円(*2) です。*1 燃費は6.5km/リットルで算出*2 2022年11月27日のハイオクガソリン1リットル当たりの平均価格173.7円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年9月30日以前の4.0リットル超~4.5リットル以下の自動車税は76,500円/年です。30系セルシオの場合はどんなに新しいモデルでも車齢が13年を超えるため、自動車税は重課税されて87,900円かかります。 任意保険 30系セルシオの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):90万円免責金額(1回目-2回目以降):5~10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約115,000円/年でした。車両保険が金額を上げています。保険金額は50万円のため、車両保険をつけないで保険料を下げるという選択肢もありかもしれません。 車検 30系セルシオの車検代の相場を見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:45,600円(24ヶ月)※初年度登録から13年以上経過で算出印紙代:1,800円車検料:60,000円合計:127,410円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 注目すべきポイントは自動車税の重課税です。1.5トン超~2.0トン以下の重量税は32,800円ですが、初年度登録から13年以上経過した車両は重課税されて45,600円かかります。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。30系セルシオのメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけばいいでしょう。30系セルシオのタイヤ交換が発生する場合は高級車用のため10万以上追加でかかるケースもあります。 30系セルシオ年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、30系セルシオの場合、合計でいくらになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の30系セルシオ年間維持費>ガソリン代:321,000円自動車税:87,900円任意保険:115,000円車検:63,705円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:637,605円 月額では53,130円ほどかかる計算です。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生し、月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかります。 ※2022年11月27日のデータです。 30系セルシオの維持費が高いと思った時の対処法 大排気量のハイオク限定車は維持費が高額になります。また、最終モデルでも発売から15年以上経過するクルマのため、こまめにメンテナンスする必要がありお金がかかるでしょう。30系セルシオの維持費が高いと思ったら、手放すことも一つの選択肢です。30系セルシオの売却をご検討の際は、ぜひ旧車王にご相談ください。

ランクル70でよくある故障事例5選!修理費用の相場も詳しく解説
旧車の再生と維持 2023.02.02

ランクル70でよくある故障事例5選!修理費用の相場も詳しく解説

ランドクルーザー70は1984年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。現在では「ヘビーデューティ系」に分類され、未舗装路でも難なく走行できる高い走破性や優れた耐久性が特徴のモデルです。 しかし、発売開始されたのが約40年前のクルマであるため、購入を検討しているものの、故障を心配している方、壊れた場合に高額な修理費用がかかるのではないかと不安な方は多いのではないでしょうか。 この記事では、ランクル70でよくある故障事例5つと修理費用を解説します。 ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場 耐久性が高いといわれるランクルですが、何十年も前に登場したモデルともなれば、やはり故障や不具合が多くなります。ランクル70が発売されたのは1984年で約40年前です。さまざまな箇所に故障や不具合がみられてもおかしくありません。 ここでは、ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場を紹介します。 オルタネーターの発電不良 オルタネーターはいわゆる発電器のことで、バッテリーの充電及びさまざまな電装部品への電力供給を行います。一般的に10年~15年、もしくは10万km〜15万kmが寿命といわれており、発売から40年近く経過したランクル70でも、故障に気をつけなければならない箇所です。 ランクル70のオルタネーターの修理費用の相場は、リビルト品で6万円程度、新品部品で12万円程度です。しかし、依頼する業者や使用するパーツによって金額は異なります。 なお、リビルト品とは、パーツ交換やクリーニングを実施し、完全に機能する状態に組み立てられたパーツのことを指します。廃車になったクルマなどから取り外したパーツが使われるため、新品部品ではありませんが、手頃な価格で手に入れられる高品質なパーツです。 ラジエーターからの冷却水漏れ ラジエーターの交換時期は10年または10万kmといわれています。中古のランクル70だと、走行距離が30万kmを超える個体も多いため、交換を避けて通ることはできないでしょう。 年式によっては新品、中古品ともにパーツがないため、専門業者に現物を持ち込んで修理を依頼することになります。 修理費用の相場は、新品(社外品)への交換場合で8万~10万円程度、現物修理の場合で10万円程度です。 燃料噴射ポンプからの燃料漏れ ランクル70には、ディーゼルエンジンを搭載したモデルがラインナップされています。 ディーゼルエンジンは、圧縮した空気に燃料を噴射して動作するエンジンです。ディーゼルの燃料噴射ポンプは非常に丈夫に作られていますが、長年の使用によって磨耗したり、内部のパーツが劣化したりしてパーツに隙間ができてしまい、燃料漏れを起こすことがあります。 燃料噴射ポンプの修理費用の相場は、リビルト品を使用した場合で20万円程度です。依頼する業者によって金額は異なりますが、いずれにしても高額な交換費用を覚悟しなければなりません。 エアコンの効きが悪い 一般的にエアコンの寿命は7年〜10年といわれています。使用状況によっては10年以上使える場合もありますが、ランクル70は最も年式が新しい個体でも20年近くが経過しているため、仮に今正常に作動していてもいつエアコンが効かなくなるかわかりません。 修理費用の相場は、コンプレッサーの交換の場合で10万円程度です。しかし、エバポレーターや配管からエアコンガスの漏れがあった場合は、さらに10万〜20万円程度の費用がかかります。理由は、ダッシュボードの裏側などの交換作業が難しい場所に設置されているためです。交換作業は非常に複雑なため、かかる費用の半分以上が工賃になることも珍しくありません。 フロントアクスルからのデフオイル漏れ ランクル70のフロントアクスルには、ナックルという部品が装着されています。ナックルとは、クルマのステアリングシステムを構成する部品の1つで、ランクル70の場合はそのナックルの内部がグリスで満たされています。また、ナックル内部にはグリスとデフオイルが混ざらないようにオイルシールが設けられています。 しかし、長年の走行でそのオイルシールが消耗するとグリスとデフオイルが混ざりはじめます。グリスとデフオイルが混ざるとキングピンベアリングの固着やナックルからのデフオイル漏れが起こり、最悪の場合は走行できなくなります。 修理費用の相場は、オイルシールに加えて、キングピンベアリングの交換も行った場合で、13万円程度です。 まとめ ランクル70は、30万km以上の走行にも耐える耐久性があるといわれているものの、発売からかなりの年数が経過しているために故障や不具合を避けられないクルマです。消耗品という捉え方で対処するオーナーの方もいますが、初めて古いクルマに乗る方や、クルマが故障した経験が少ない方にとっては、不安を感じるでしょう。 今回紹介した故障事例をもとに、あらかじめ壊れた際の依頼先を検討しておいたり、修理費用を見積もっておくと安心したランクル70ライフを送れるかもしれません。

事故にあったら「廃車」と「修理」どちらがよい?判断ポイントなどを解説
旧車の再生と維持 2023.01.31

事故にあったら「廃車」と「修理」どちらがよい?判断ポイントなどを解説

事故にあい、廃車にするか保険で修理するか迷っている人もいるでしょう。どちらがよいかは「車の状態」や「保険の等級」を考慮して、判断する必要があります。この記事では、廃車にするか保険で修理するかの判断ポイントを解説します。廃車になったときの保険の扱いや、切り替え方法についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。 「廃車」と「保険で修理」の判断のポイント 廃車にするか保険で修理するか迷った場合は、破損状況や保険の等級、走行距離と年式を考慮したうえで判断するとよいでしょう。まずは「廃車」と「保険で修理」の判断ポイントを解説します。 破損状況 フレーム部分まで損傷している場合は、修理しても元通りにならないことがあるため、廃車にした方がよいでしょう。フレームとは、車の土台(骨組み)にあたる部分で、損傷すると車の強度が低下するため、走行時の安定性に大きな影響を与えてしまいます。 フレームが損傷しているかどうかは目視で判断するのが難しい場合もあるため、知識があるディーラーに点検を依頼しましょう。なお、フレーム部分に損傷がなく多少の傷や凹みであれば、保険で修理することをおすすめします。 保険の等級 保険の等級を下げたくない場合は、修理せず廃車にした方がよいでしょう。保険を使うと、等級が下がり次年度の保険料が上がってしまうため、修理せず廃車にした方がよいケースもあります。ただし、事故の過失割合によっては自身の保険を使わないといけない場合もあるため、保険会社に相談しながら判断するとよいでしょう。 走行距離や年式 走行距離が多く年式が古い場合は、修理できたとしても廃車にして乗り換えた方がよいケースもあります。特に年式が古い車は、今後故障した際に修理費が高額になる可能性があるため、保険で修理せずに乗り換えた方がよいでしょう。 事故で廃車になったときの保険の扱い 事故で廃車になったときは、加害者側の保険や、自身が契約している車両保険で保険金が補償されます。ただし、以下の2つに該当する場合は、補償されないため注意してください。 ・車両保険に加入していない・相手に過失がない 続いて、事故で廃車になったときの保険の扱いを解説します。 車両保険に加入していれば全額保証 車両保険に加入していれば過失割合に関わらず、契約時に設定した「車両保険金額」の全額が補償されます。車両保険金額は契約時の車の時価相当額で設定されており、例えば120〜150万円のように保険会社に提示された範囲内で選択することが可能です。 時価相当額とは、そのときの車の価値のことで、中古車市場で需要があるほど設定できる車両保険金額が高くなります。補償額は車両保険金額を保険証券で確認しましょう。 全損の場合は全損保険金を受け取れる 全損の場合は、車の時価相当額に基づいて算出された金額を保険会社から受け取れます。しかし年式が古い場合、時価相当額が低く受け取れる金額が少ないため、同等の車を購入できないケースもあるでしょう。「車両全損修理時特約」を付帯していれば、時価相当額を超えた分の修理費を補償してもらえます。 例えば時価相当額が50万円、修理費が80万円のケースで全損になった場合、不足分の30万円の補償を受けることができます。 「補償される全損保険金が少なくて同等の車を購入できない」「愛着があるからできれば廃車にしたくない」といった場合に備えて、付帯を検討しましょう。ただし、車両全損修理時特約には上限金額が設定されており、保険会社によって金額が異なる点に注意が必要です。 特約で保険金が増える場合がある 「新車特約(車両新価特約)」や「買替時諸費用特約」を付帯していれば、補償される金額が増えます。新車特約とは、修理費が新車価格相当額の50%を超えた場合、新車購入費用を補償してくれる特約です。車両保険のみの場合、車両保険金額は1年ごとに約20%ずつ減りますが、新車特約を付帯していることで契約時に設定した金額を全額受け取れます。例えば、300万円の新車を購入した場合の車両保険金額は、1年ごとに以下の金額に変わります。 ・1年目 300万円・2年目 240万円・3年目 190万円 3年経過しているとはいえ、新車同等の程度でも190万円しか補償されません。しかし新車特約を付帯していれば、車両保険金額に関係なく、契約時に設定した300万円全額を受け取れるため、同等の車を購入できます。 また買替時諸費用特約は、買い替える場合、車両保険金額の10%(上限20万円)が、買替時の諸費用分として補償されます。ただし保険会社によっては、上限金額が異なるケースがあるため、保険証券を確認してみてください。 廃車にするときに保険の切り替えはどうする? 廃車にした場合、今後どうするかによって、保険の手続き方法が異なります。続いて、廃車にするときの保険の対応方法を解説します。 乗り換える場合 廃車にして乗り換える場合は「車両入れ替え」をします。車両入れ替えは、廃車にする車から乗り換える車へ、契約内容や等級を引き継ぐ方法です。これをしない場合は無保険で走行することになるため、必ず手続きを行いましょう。 しばらく乗り換えない場合 廃車にしてしばらく乗り換えない場合は、保険を一旦解約し「中断証明書」を発行してもらいましょう。中断証明書があれば、今後車を購入してもスタートの6等級からではなく、以前の等級を引き継ぐことが可能です。ただし中断証明書の有効期限は「最大10年間」のため、期日に注意して再度保険を契約してください。また、発行するにはいくつか条件があるため、保険会社に確認しましょう。 今後車に乗らない場合 今後車に乗らない場合は、期日を指定して保険を解約しましょう。解約せずに満期を迎えてしまうと、保険会社は無保険状態を防ぐために、契約を自動更新してしまいます。乗っていないのに保険料を払うことになるため、廃車にする日程が決まり次第、解約の手続きをするとよいでしょう。 また配偶者や同居の家族が今後車に乗る機会がある場合、中断証明書があれば等級を引き継げます。発行するのに手数料は発生しないため、取得しておくと今後活用できるでしょう。

旧車やヒストリックカーを購入後、大きな出費を防ぐためにまずリフレッシュを
旧車の再生と維持 2023.01.30

旧車やヒストリックカーを購入後、大きな出費を防ぐためにまずリフレッシュを

こちら旧車ヒストリアで何枚もの画像を掲げているので、ご存じかも知れませんが、愛車のS15は、いわゆるライトチューン仕様。 独身の頃は月イチくらいでサーキットに足を運び、「キャッキャ!」と楽しんでいました。 根っからの恐がり、かつ臆病者なので、タイムは絶望的に遅かったんですけどね。 そんな経緯から、「愛車を手に入れたらチューニングしたい!」、「自分好みにモデファイしたいっ!」って気持ち、よーく分かります。 余談ですけどNAのSR20なら、マフラー交換よりもEXマニホールドの交換をお勧めします。 正直、マフラー交換による違いは、ほとんど体感できませんが、EXマニホールドを交換すると、アクセルレスポンスの向上がよく分かります。 もう楽しくてしかたがありません。 自分で言うのもなんですが、私のような「愛車をネコ可愛がる」派ですら、多少の改造を施しています。 旧車であっても大半のスポーツモデルは、多かれ少なかれ手が加えられているのではないでしょうか。 完全リフレッシュをウリにしているショップでない限り、旧車(中古車)は基本、現状渡し。 購入を果たしたら、チューニングやモデファイを後回しにし、まずはリフレッシュを施す必要があります。 ■「リフレッシュ終了」時点から旧車ライフのスタート地点に リフレッシュとは、劣化したパーツを交換し、可能な限り新車にコンディションを近づける作業です。 オイル交換やベルト交換から始まり、ブレーキパッドやブレーキローターなどの消耗品の交換。 ブッシュやマウントなどのゴム製品の交換。 排気音が大きいようならマフラーの交換。 ショックアブソーバーからオイル漏れがあったり車高が落ちてタイヤに偏摩耗が出ているようならサスキットの交換。 大規模なものになるとエンジンやトランスミッションのオーバーホール等々、施す項目は山ほどあります。 どの程度の作業が必要になるかは購入した旧車のコンディションと、かけられる予算次第。 理想的なのは、旧車やヒストリックカーに強い自動車整備工場と相談して進めること。 リフレッシュが終わり、アライメント調整といった最適化が終了したら、そこが旧車ライフのスタート地点になります。 なんて偉そうなこといってますが、私のS15も、そろそろエンジンのオーバーホールを考えなければならない頃合い。 頑張ってお金を貯めないとねー。 ■念願のヒストリックカーを購入。楽しいカーライフを送るハズだったのに 私の親しい友人が、ちょうど今回のテーマにピッタリの体験をしていました。 友人が購入したのは、旧車よりもヒストリックカーに近い年式のクルマ。 有名な専門店で購入し、ボディはピカピカ、エンジンもブロックにパフがけが施され、新車のように綺麗なクルマでした。 レストアも終了しているとのことで、友人はさっそくモデファイに着手。 ボディにオールペンを施し、シートもボディカラーにあわせて張り替えるなど、自身が思い描いたクルマを作り上げます。 ただ、オーバーホール済みというエンジンはとても不調で、度々、出先で不動になってはレッカーを呼び、専門店に担ぎ込まれて入院。 所有していた期間のほとんどは修理で入庫中、しかも修理費用はしっかり請求されて自腹という有様でした。 当初、全面的に専門店を信用していた友人でしたが、次第に不信感が募り、その車種を専門に扱う自動車整備工場に持ち込みます。 ザッと診てもらったところ、エンジンはオーバーホールこそ行われているものの組み立てに異常があり、それは「何度、入庫しても原因が分からない」といったものではないこと。 他にも専用のブッシュが使用されるべき箇所に汎用のプラスチックパーツが使用されるなど、高かった価格に見合わないレストアが施されていたのが分かりました。 自動車整備工場から修理と、最低限の正常化にかかる費用の見積もりをだされますが、精神的に疲れていた友人はクルマを売却。 クルマ趣味から降りてしまいました……。 もちろん一番、疑問に思うのは専門店の態度ですが、もし最初のモデファイにかけた費用をリフレッシュやコンディションの確認にまわしていたら、別のカーライフが送れたと思います。 ■古いクルマを手に入れたら、信頼できる自動車整備工場で診てもらうべき この顛末を横から見ていて学んだのは「旧車やヒストリックカーを購入したら、ショップが専門店であっても、念のために信頼できる自動車整備工場に診てもらった方がいい」ということ。 ショールームには何台もの綺麗なクルマが並んでおり、同行した私も「経験豊富な専門店なら問題ない」と思ってしまったことを反省しなくてはなりません。 繰り返しになりますが、念願だった旧車の購入を果たしたら、思い描いた理想に向かってチューニングやモデファイを進めたくなるものだと思います。 けど、そこはまだスタート地点の前。 まずは本来の性能に戻すことを最優先に、リフレッシュを進めましょう。 それが結局、将来の大きな出費を防ぐ保険になりますから。 [画像・AdobeStock、ライター・撮影/糸井賢一]  

トヨタ ランドクルーザー(60系)は故障が多い!?修理費はいくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.01.27

トヨタ ランドクルーザー(60系)は故障が多い!?修理費はいくらかかるかを解説

ランドクルーザー60は1980年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。中には本格的なオフロードコースを走行する方もいるのではないでしょうか。しかし発売から40年以上経過しているクルマ。故障を心配する方も多いのではないでしょうか。この記事では気になる60系ランクルでよくある故障箇所と修理費用を解説します。 60系ランクルのよくある故障箇所 30〜40年前の旧車はどうしても故障・不具合が多くなるものです。ここからは60系ランクルのよくある故障箇所を紹介します。 ラジエーターの故障 ラジエーターの一般的な寿命は12年ほどといわれています。ランクル60の場合、車齢が30年以上の個体ばかりのため、3回は交換する必要があるでしょう。しかし中には定期的に交換していない方もいるかと思います。その場合は腐食しており壊れている可能性が高いです。ラジエーターが壊れてしまうとエンジンが壊れてしまいます。エンジン回転数の不調や水温計の異常はラジエーターの破損が原因かもしれません。 エンジンオイル漏れ エンジンオイル漏れの主な原因はパッキンの劣化です。過酷な環境を走行したり年式が古くなるとパーツに不具合が発生しやすくなり、エンジンオイルの漏れに繋がってしまいます。特に60系ランクルの場合は、オイルパンのパッキンがコルクでできています。一般的なコルクの素材はゴムや金属ですが、コイルの場合オイルが染みてにじんでしまい、オイル漏れが発生しやすくなります。 エアコンの不具合 カーエアコンはエアコンガスを使用し冷風を作っています。このガスが漏れてしまうと、さまざまな不具合が起こりやすくなります。また、コンプレッサーの汚れやガスの劣化もエアコンが故障する原因です。汚れは定期的なメンテナンスで防げますが、経年劣化への対策はなかなか難しいでしょう。タフな作りの60系ランクルとはいえ、エアコンの不具合は避けられない課題の1つだといわれています。 パワーウィンドウの故障 旧車でよく見られるのがパワーウィンドウの故障です。最近のクルマはモーターやギアの技術向上により故障率は低下していますが、30〜40年以上前の旧車の場合は経年劣化で故障する確率が高いといわれています。主な症状は、ガラス開閉時の異音や動作のもたつき、動作停止です。ガラスランチャンネル(窓枠ゴム)の劣化であればシリコンスプレーの吹きかけや洗浄で改善する場合もありますが、モーターやギアの経年劣化は整備工場などで見てもらいましょう。 60系ランクル修理費はいくら? よくある故障が発生したらいくらかかるのでしょうか。ここからは修理費用を見ていきましょう。 修理内容 費用相場 ラジエーター修理 6万円程度 エンジンオイル漏れ 3万円程度 エアコン修理 10万円〜※コンプレッサーが故障していた場合 パワーウィンドウモーター 3万円程度/1箇所 一般的なクルマのメンテナンス費用は1年間に3〜5万円程度といわれています。しかし旧車の場合は経年劣化により高価なパーツ交換が必要になりメンテナンス費が跳ね上がるかもしれません。日頃から丁寧にメンテナンスをしていれば劣化を遅らせることはできますが、将来的には必ず交換する必要があります。 60系ランクルの維持費が高いと思ったときの対処法 パーツの経年劣化による修理・交換は旧車を維持するうえで避けられません。新車や高年式の中古車よりも、メンテナンス費がどうしても高くなってしまいます。あまりにも修理費を負担に感じるようであれば、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。 一般的な買取店では故障車の査定額は低くなってしまいます。しかし旧車王であれば他社よりも高い価格で買取できます。なぜなら自社内でパーツ供給から修理・整備ができるため中間マージンがかからないからです。故障車の売却先に悩んだ場合は、ぜひ旧車王にご相談ください。。※記事の内容は2022年11月27日時点のデータです

トヨタ2代目セルシオ(20系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.01.16

トヨタ2代目セルシオ(20系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

セルシオといえば、1989年10月から2006年5月まで製造・販売されたトヨタ自動車のフラグシップセダン(センチュリー除く)です。デビュー時は圧倒的な静粛性で世界を震撼させました。二代目の20系セルシオは馬力アップや衝突安全性向上などが進化し国産最高級車としての地位を揺るぎないものにしました。発売当初は高嶺の花でしたが、現在中古市場では100万円以下で購入できる個体も増え、狙っている方も多いのではないでしょうか。しかし、旧車は維持費が心配になりますよね。この記事では20系セルシオにかかる維持費について解説いたします。 20系セルシオの特徴 20系セルシオは1994年~2000年に発売された2代目のセルシオです。後期型は265馬力から280馬力に、シフトは4速から5速になり動力性能と環境性能が向上しました。また衝突安全ボディ「GOA」の採用、運転席・助手席のエアバッグを標準装備しており、当時としては最先端の安全性能を誇っていた点も大きな特徴といえるでしょう。見た目こそ大きな変更はありませんでしたが、約6年の歴史のなかで中身が大きく進化したモデルです。 20系セルシオ維持費の内訳 続いて、20系セルシオの維持費について5項目に分けて解説します。 燃料代 20系セルシオは1UZ-FE型 4.0 L V8 DOHCエンジンを搭載しており、燃費は10・15モードのカタログ数値で8.0km/リットルです。実燃費は6〜7km/リットルほどといわれています。ちなみに、20系セルシオはハイオク限定車です。ハイオク限定車かつこの燃費は、まるでお金をばら撒いているような感覚になりますね……。 ここからは金額をシミュレーションします。仮に通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約154リットル使用(*1) することになり、燃料代は26,750円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の費用、321,000円(*2) になります。*1 燃費は6.5km/リットルで算出*2 2022年11月27日のハイオクガソリン1リットル当たりの平均価格173.7円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年9月30日以前の3.5リットル超~4.0リットル以下の自動車税は66,500円/年です。20系セルシオの場合は車齢13年超えになるため、自動車税は重課税され76,400円かかります。 任意保険 20系セルシオの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):35万円免責金額(1回目-2回目以降):5~10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約94,000円/年でした。車両保険が保険料を上げています。保険金額は35万円のため、車両保険をつけないで保険料を下げるという選択肢もありかもしれません。 車検 20系セルシオの車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:50,400円(24ヶ月)※初年度登録から18年以上経過で算出印紙代:1,800円車検料:60,000円合計:132,210円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 注目すべきポイントは自動車税の重課税です。1.5トン超~2.0トン以下の重量税は32,800円ですが、初年度登録から18年以上経過した車両は二段階重課税され、17,600円高い50,400円になります。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。20系セルシオのメンテナンスについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。20系セルシオのタイヤ交換が発生する場合は高級車用のため10万以上追加でかかるケースもあります。 20系セルシオ年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、20系セルシオの場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の20系セルシオ年間維持費>ガソリン代:321,000円自動車税:76,400円任意保険:94,000円車検:66,105円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:607,505円 月額では50,600円ほどかかる計算です。通勤で使用しない場合はガソリン代と任意保険料を下げられます。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生し、月極駐車場を契約する場合は別途駐車場代が毎月かかります。 20系セルシオの維持費が高いと思った時の対処法 大排気量のハイオク限定車は維持費が高額になります。また、最終モデルでも発売から20年以上経過するクルマのため、こまめにメンテナンスする必要があり費用がかさんでしまうでしょう。20系セルシオの維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。過走行かつ古いクルマでも高く売却できる可能性があります。 ※2022年11月27日時点のデータです

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