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【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
近年、新たなるヴィンテージカー、クラシックカーのカテゴリとしてネオクラシックカー、ヤングタイマー(以下ネオクラ車)と呼ばれる1980~90年代のクルマが注目されています。 中古車市場でも1980~90年代のクルマの販売価格は高騰気味、極端な例ではR32~34型のスカイラインGT-Rは状態が良ければ1000万円以上、新車当時価格の3倍ほどの値を付けることも珍しくありません。 しかし、これらの「ネオクラシックカー」も、製造から30年が過ぎ、本格的なフルレストアを要している個体も珍しくありません。 実際に筆者が某旧車専門店の現役従業員として感じるのは、ネオクラシックカーのレストアは想像以上の「試練」が待ち受けている印象すらあります。 その結果、時間的ば猶予もなく、解体処分という最悪の結果を招いてしまうこともあるのです。 ■実はオールドタイマーよりも維持やレストアが難しいネオクラシックカー 時に神格化され、まるで工芸品のような扱いを受ける1970年以前のクラシックカーより、1980~90年代のネオクラ車のほうが実は維持や修理が難しいというのをご存じでしょうか? 筆者が、現在所有するスバル360やトヨタ セリカリフトバックに乗りはじめた頃、「昔のクルマに乗りたいけど、1960~70年代のクルマは大変そうだから80年代のクルマに乗る」という話をしばしば耳にしたものです。 そんなときは「『簡単そうだから』という理由だけで手を出すと、アセンブリ交換でしか対応できないケースがある。また、樹脂部品や電子制御部品が入手困難になったときに、思わぬ苦労をするかもしれないから注意した方がいいかも」とやんわりと伝えていました。 一般的にオールドタイマー世代の車両は、維持やレストアが難しいと思われがちですが、自動車は古くなればなるほど機構がシンプルになります。 そのため、故障の個所も要因も特定しやすいことが多いのです。 よって、修理する作業事自体はそれほど難しくないとさえいわれることもあります。 シンプルな機械式のデバイスは分解修理が可能なうえ、他車種および汎用の工業機械の部品や消耗品を流用できることもあります。 また、材料から切り出して部品を作ったりすることも可能です。 時には磨り減ったり割れた部品を、アーク溶接で接合したうえで「肉盛りして」再生するケースもあります。 「持続可能」という点において、クラシックカーのレストアは意外と「サスティナブルな行為」といえる・・・かもしれません。 しかし1970年代後半から、自動車は快適性の向上や運転の省力化に加え、安全性、排ガス対策、製造工程の効率化等も求められるようになっていきます。 その後、電子制御デバイスが普及するようになると、軽量化する目的で樹脂部品が多用されるようになります。 結果として次第に故障要因も複雑になっていきます。 モジュール型の精密機械や、コンピューター等の分解修理が困難なデバイスが多くなり、樹脂製の部品は一度外せば再使用不可のものもあります。 また、それらの部品は専用設計となっていることが多く、他車の部品や汎用品では代用することはできません。 市場に流通している部品がなくなれば、もう直す術はなくなるのです。 この数年で、ボディ・エンジン本体は何ともないが、機能部品・保安部品が1個入手出来なかったがために、車検をどうしても通せないという個体が増えてきました。 ギリギリの「延命処置」として、部品が見つかるまで保管。 それでもだめな場合は、継続車検を断念し、そのまま解体処分・・・なのです。 ■そもそもクルマは何十年も使用されることは想定していない? 国産車は古くから10年10万kmが耐用の基準となっています。 近年は使用年数が延びたとはいえ、20年、20~30万km以上乗る人はごく少数でしょう。 近代化された結果、故障率が下がり、1980~90年代のクルマはメンテナンスフリー化が進んだ印象があります。 とはいえ、油脂類の交換のみで乗りつづけて「ノーメンンテで」乗れるは最初の10年・10万km程度でしょう。 それ以降は、部品の摩耗や経年変化から逃れることはほぼできないと考えるのが自然です。 実は、2022年7月現在、筆者の愛車である1973年式トヨタ セリカリフトバックは、ヘッドガスケットが吹き抜けてしまいエンジンオーバーホールに出している最中です。 整備工場の社長の話によると、特に筆者のセリカに搭載されている2T-Gエンジン、さらに18R-Gエンジンは、シリンダーブロックやシリンダーヘッドが、今まで見たことがないような歪み方をするケースが増えたそうです。 それだけは済まされず、クラックが入った状態でオーバーホールする事例が急に増えたというのです。 前述の社長曰く、どうやら「元々、高回転型で燃焼温度高めの高負荷のエンジンに、近年の夏場の猛暑が関係しているのではないか。当時の開発設計担当者でさえ、想定できなかった負荷がかかっているのではないか」という話でした。 製造から30年どころか、50年、あるいは60年経ったクルマに「高回転型のエンジンに対して高負荷を掛ける行為」が「当時のメーカーの想定をはるかに超えた使い方」ということが想像できます。 結果として「20年・30年無交換だった部品が寿命を迎えた頃には、既に補修部品は入手不可になっていた」という事態が起こるのです。 大半の車両が部品が寿命を迎える前に解体処分されてしまうのであれば、メーカーとしては「この部品が寿命を迎える前に、車両自体が廃車になってしまう。それならば、長期間に渡って補修部品を供給する必要があるのか否か」という判断基準を持つこともやむを得ないでしょう。 「280馬力モデル」も登場から早や30年。いまや3オーナー、4オーナー車も少なくありません。もちろんなかにはワンオーナー車も含まれますが、「経過した時間」はどれも同じ。 あとはどの程度の負荷やダメージを負っているかによって、機関部はオーバーホール、ボディはレストア・・・という選択肢が視野に入ってもおかしくない時期にきているのです。 ■旧車・ネオクラシックカーを後世に残せるかどうかは「現オーナー次第」 最近ではユーノスロードスターや第二世代GT-RといわれるR32〜R34スカイラインGT-R、ハチロク、スープラなどの部品再販やレストアサービスを自動車メーカー主導で行うようになってきました。 とはいえ、それはごく一部のモデルや、さまざまな条件が課せられることもあります。 個人では限界がありますが、同じクルマを持つ仲間や専門店などと協力して「後世に残せるかどうかは現オーナー次第」という気概を持つ必要があるのかもしれません。 [ライター・撮影/鈴木修一郎]
タイヤは車の消耗品の中でも高価なため、中古品で費用を抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし中古タイヤにはメリットだけではなくデメリットもあります。自身の価値観や考え方に中古タイヤが適しているかどうか確認しましょう。 また、中古タイヤは中古車と同様に、その品質を十分に見定めなければなりません。今回は中古タイヤとは何か、メリットやデメリットから選ぶときのチェックポイントまで詳しく解説します。 中古タイヤとは 中古タイヤとは、一度使用されたタイヤです。廃車になったとしても、タイヤを取り外して中古タイヤとして販売したり、他の業者に売却したりすることがあります。また、冬用タイヤのように、特定の時期やタイミングでのみ使用するタイヤは、購入したもののあまり使わずに売却するケースがあります。 さらに、新車購入時に純正タイヤ以外のタイヤに交換されたことで、ほぼ新品の純正タイヤが市場に出回ることもあります。 ほぼ新品に近いものもあります。このように一言で中古タイヤと言っても、状態や種類はさまざまです。 中古タイヤのメリット まずは中古タイヤのメリットを、2点お伝えします。 新品に比べて安価 中古タイヤのメリットは、新品を購入するよりも、コストを安く抑えられることです。ただし、これは状態が良いタイヤを選ぶことができた場合に限って言えることです。摩耗や劣化が激しい中古タイヤを選んでしまうと短期間で交換することになり、トータルコストが上がります。 慣らし運転が不要 新品タイヤに交換した際に、本来の性能を発揮できるまで100km程度の鳴らし運転が必要です。具体的には、急な操作を避ける、高速道路を避ける、1週間程度で空気圧を再調整することです。中古タイヤであれば、このような慣らし運転をする必要はありません。 中古タイヤのデメリット 中古タイヤのデメリットは、状態によっては結局は短い期間しか使用できず、むしろ割高になってしまう恐れがあることです。そのため、慎重に選ぶ必要があります。 摩耗、劣化、傷などが少なからずある どんなに状態がよく見えても、タイヤは一度でも使用すれば摩耗しますし、時間が経過すれば劣化が進行します。よって新品と全く同じパフォーマンスが発揮できるわけではありません。 保証がない 新品タイヤであれば、万が一タイヤにパンクなどのトラブルが発生した際の保証をつけることが可能です。しかし中古タイヤには保証がないので、買ってすぐにパンクしてしまい、新たな出費につながるリスクもあります。 中古タイヤを選ぶときのチェックポイント ここからは、中古タイヤを選ぶときのチェックポイントを、3つご紹介します。 溝 タイヤは、残っている溝の深さから、使用できる期間を確認できます。タイヤは走行によって必ず摩耗し、溝の深さは浅くなります。溝が極端に浅くなれば、雨の日に道路とタイヤとの間の雨水が十分に排出されず、滑りやすくなり危険です。道路交通法では、タイヤの溝の深さは1.6mm未満のタイヤの使用を禁止しています。一般的な新品タイヤの溝深さは8mmあり、走行による摩耗によって浅くなっていきます。溝が浅い中古タイヤは、購入しても長く使うことはできません。 製造年月 タイヤの寿命は使われ方で変わってきますが、一般的には5年と言われています。タイヤにはメーカー名やサイズなどの情報に加えて製造年月が記されています。タイヤの側面に、アルファベットに続いた4桁の数字を見つけることができます。この4桁の数字のうち下2桁が、製造された西暦の下2桁を表し、上2桁が製造された週番号を示しています。 週番号は日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、1年の始まりから終わりまで、各週に順番に割り振られた番号です。例として4桁の数字が1620であれば、そのタイヤは2020年の第16週(4月末頃)に製造されたことを示しています。 劣化状態 タイヤ表面のゴムは、太陽光の紫外線によって劣化していきます。劣化が進むと、タイヤにとって大切な弾力性が低下したり、ひび割れしてくることもあります。浅いひび割れなら問題ありませんが、深く進行してカーカスと呼ばれるタイヤ内部で強度を保つための部材にまで達すると、バーストと呼ばれる破裂状態に至る可能性もあります。 中古タイヤは使用しても大丈夫だが選び方に注意が必要 中古タイヤは先述の、3つのポイントを確認した上でお選びください。溝深さが十分にあり、ひび割れも無いか非常に浅い、製造から5年以内であって価格が見合うようであれば、購入しても良いでしょう。
旧車にはエアコンがない場合が多いため、真夏日や猛暑日は暑さによって気分が悪くなったり、場合によっては熱中症になったりします。そのため、旧車は現代の車以上に十分な暑さ対策が必要です。今回は、夏にエアコンが装着されていない旧車に乗るときの対策を紹介します。旧車オーナーやエアコンがない旧車の購入を検討している方は参考にしてみてください。 エアコンなしの旧車は暑さ対策が必須 エアコンがない旧車に乗るときは、暑さ対策が必須です。 JAFのテストによると、35℃以上の猛暑日の炎天下に車を停車して30分後には、車内の温度は40℃を超えるという結果になりました。 体温以上の温度である40℃以上の中に人がいると、熱中症や脱水症状といった体調不良は避けられません。また、物を置いておくと故障や不具合が起きることもあります。 このようにエアコンがない車の室内は、外気温よりも高温になりやすく、生命の危機にさらされるといっても過言ではないほど危険な場所に早変わりします。そのため、暑い日にエアコンが装着されていない旧車に乗るときは、暑さ対策が必須なのです。 旧車の夏の暑さ対策 エアコンがない旧車の暑さ対策には、どのような方法があるのでしょうか。ここからは、暑さ対策について紹介します。 氷枕で体を冷やす 体を冷たいもので冷やすと暑さ対策になります。氷枕や凍らせた飲み物などを用意し、自分の体にあてて冷やすと暑さが軽減されます。氷枕や凍らせた飲み物などを体にあてるときは、タオルや手ぬぐいなどを使い、氷が直接体に当たらないよう注意しましょう。 こまめに水分補給をする こまめに水分補給をするのも暑さ対策のひとつです。夏場は、気温だけでなく、湿度も高くなります。こまめに水分補給をして熱中症や脱水症状にならないよう気をつけましょう。 車を温めないように日陰に駐車する 車を停めるときに日陰を選ぶことで、車内の温度の上昇を抑えることができます。車の室内の温度は、炎天下よりも日陰の方が上昇しにくいです。そのため、車を停める場所に気を遣うのも暑さ対策のひとつとなります。 サンシェードを使う サンシェードを使うと、車内の温度上昇を抑えられます。JAFのテストでは、サンシェードがあると直射日光の車よりも車内温度が5℃ほど低くなるという結果になっています。そのため、サンシェードを有効に使って、車の室内温度が上昇しないようにするとよいでしょう。 エアコンを後付けする エアコンの後付けは、車内温度の上昇を抑える最も有効な手段です。後付けエアコンは、費用がかかりますが、費用以上の快適性を手に入れられます。猛暑日などが続く近年では、後付けでもよいので、エアコンを装着しておきましょう。 夏は乗らなくて済むようにセカンドカーを持つ 夏に旧車に乗らないというのも暑さ対策のひとつです。ただし、日常使いの車(セカンドカー)を用意しておくことをおすすめします。
キャブ車をお持ちの方でメンテナンスについてお悩みではありませんか? 構造を理解したい、整備にはどのような知識が必要なのか学びたいという方もいることでしょう。キャブ車における必要なメンテナンスについて、今回はキャブレターにフォーカスして解説します。キャブ車を所有されている方やキャブ車のメンテナンスを考えている方は、ぜひ参考にしてください。 キャブ車とは キャブ車とは、キャブレターと呼ばれる燃料気化器を搭載したガソリン・エンジン自動車のことです。まずは基本となるダウンドラフト・タイプの作動と構造の仕組みを解説します。 キャブレターの仕組み キャブレターとは、空気を吸入した際にベンチュリーと呼ばれる絞り部分を通過する時に発生する吸入負圧を利用して液体の燃料を霧状にする装置です。エンジンの運転状態において空燃比を自動調整する機構を備えています。 キャブレターは「フロート系統」、「メイン燃料系統」、「スロー燃料系統」、「始動系統」の大きく分けて4つの部品で構成されています。 フロート系統はフロートの浮力とニードルバルブの働きによってキャブレター本体に供給される燃料の過不足をなくし、一定の燃料を送る重要な系統です。燃料ポンプより送られてきたガソリンはニードル・バルブを通り、フロート室に入ります。 メイン燃料系統はフロート室から送られた燃料はメイン・ジェットにより計量され、メイン・エアブリードと呼ばれる空気と燃料を気泡状に混合させてメイン・ノズルに供給されます。 スロー燃料系統はエンジンの回転が低いとき(スロットル・バルブの開きが少ないとき)には、空気の流速が遅いため、スロー・ジェットで燃料を計量します。計量された燃料はスロー・エア・ブリードにより導かれた空気と混ざり合い、スロットル・バルブ近くのパイパス・ホールとアイドル・ホールから放出されます。 始動系統はエンジンが冷え切っているときには、燃料の気化が悪いため通常より濃い混合気が必要です。濃い混合気を作り出すためには負圧が必要なため、機械的に吸入口を閉じて内部の負圧を高めます。この機構をチョークと呼びます。運転席でチョーク・レバーを引くとリンクを通じてチョーク・バルブと呼ばれる蓋が吸入口を閉じます。始動に必要な空気はチョーク・バルブに備えられたポペット弁と呼ばれる小さな弁があり、クランキング時の負圧によって開き、必要量の空気が入ります。 キャブ車のメンテナンス方法 キャブレターの基本的なメンテナンス方法を解説します。 まずは、フロート室にある油面の点検です。油面の点検にはエンジンに合うレベル・ゲージが必要です。 (1)車を平坦な場所に停め、エンジンごとに決められたレベル・ゲージを取り付ける(2)エンジンを始動し、アイドリング運転をしたのち、エンジンを止める(3)レベル・ゲージを目視し、表面張力によらない油面の測定を行う このときの値がエンジンごとに決められた数値の範囲内であれば問題ありません。もし油面が高い場合はニードル・バルブを、油面が低い場合はフロートを交換します。オーバー・フローするときは、ニードル・バルブをガソリンで洗浄しましょう。 キャブレターの各系統のジェットは取り外して清掃できます。各ジェットの孔は、細心の注意をはらって加工されているため、孔の径が変わると適切な燃料の計量が行われなくなるので、清掃時に針金類は使用しないでください。清掃の際は、きれいなガソリンで洗浄し、エア・ブローで行います。 基本的な調整方法は、アイドル・アジャスティング・スクリューとスロットル・アジャスティング・スクリューで行います。エンジンを暖気運転後に行いましょう。CO(一酸化炭素)HC(炭化水素)のテスターを用いて各車両のサービス・データを参照しながらCOとHC濃度を確認します。COとHCが基準外のときはアイドル調整を行います。 インテーク・マニホールドにバキューム・ゲージを取り付けます。これは燃焼が安定しているかを見るために必要なゲージです。良い燃焼になっていると真空度の指針も安定します。指針が安定している所で、CO・HCテスターを見ながら調整します。スロットル・アジャスティング・スクリューは空気の量を調整できます。アイドル・アジャスティング・スクリューは燃料の量を調整できます。 車両のサービス・データの基準値を元にCOとHCの濃度を調整します。エンジンの回転フィーリングと排気ガスのバランスが大事です。調整の難しい所は、空気の供給量が少ないとCOの数値が高くなります。酸素の供給量が減るとエンジン内部で不完全燃焼が起こるからです。燃料が薄くても濃すぎてもHCの濃度が高くなります。薄いと燃焼に必要な濃度に達しないため、エンジンの燃焼が不安定になり未燃焼ガスが放出されるため濃度が高くなります。一方、燃料が濃いと必要な酸素の量が足りないため、未燃焼ガスが発生し濃度が高くなります。どちらもスパークプラグがくすぶり、エンジンの回転フィーリングが非常に悪くなります。 キャブ車のメンテナンスを怠るとどうなる? 冬季向けの調整と夏季向けの調整が必要です。冬季向けの調整をした状態で夏季を迎えると、外気に熱せられて膨張した空気が燃焼室内に入ります。空気が膨張すると体積当たりの酸素が不足となり、燃え残ったHCが排出されるので排出ガス規制に適合しません。 夏季向けの調整をした状態で冬季を迎えると、気化が悪くなり回転が落ちます。外気温が低くエンジンからの余熱が伝わりにくいため、燃料の中の水分が凍り付き、アイシングと呼ばれる現象に陥ります。燃料が気化供給されなくなるためエンジンが停止します。 あわせて自動チョークも夏季と冬季で調整が必要です。夏季は早めにチョークを解放するように調整し、冬季は長めにチョークを解放するように調整が必要です。 キャブレターの調整時にはスパークプラグがくすぶるので、時々エンジンを30秒間ほど3000rpmでレーシングしてスパークプラグに着いたカーボンを落とす作業をしなければなりません。
人間や一緒に暮らしている動物と同様に、古いクルマを楽しむためにも主治医の存在は不可欠だ。 主治医と知り合うきっかけは人それぞれ。 口コミやネットなどで評判を聞きつけてオーナー自ら主治医のガレージを訪ねる人、友人や仲間の紹介というケースもあるだろう。 誰よりも愛車のコンディションを把握していて、トラブルが起これば根気強く直してくれる。 出先でクルマが動かなくなったときは、休みの日でも積車で駆けつけくれる主治医もいる。 多くのオーナーにとってこれほど心強い存在はいない。 その主治医は1人でなくても構わない。 セカンドオピニオンとしてもう1人(あるいはそれ以上の)主治医がいてもいいのだ。 事実、車検はAさん、重整備はBさん・・・といった具合に、用途や目的に応じて主治医を使い分けている(こういう表現は好きではないけれど)オーナーさんも実在する。 ここから先はあくまでの個人的な考えだが、こちらの記事でも触れたように、主治医のセカンドオピニオンについては反対というスタンスだ。 ■突然の愛猫の主治医探しに奔走して痛感した「古いクルマの主治医の大切さ」の話 https://www.qsha-oh.com/historia/article/personal-doctor/ それには理由がある。 古いクルマのメカニックというと、広告はもちろん、工場の目立つところに看板すら出さずに1人で黙々と、少しだけシャッターを開けてその奥で作業しているなんてことが少なくない。 自社のホームページやSNS、YouTubeチャンネルを持っている(自ら更新している)人もおそらく少数派だろう。 商売っ気がないともいえるし、自分のペースで黙々と納得のいくまで、自分の技術を信頼し、愛車を託してくれるオーナーのクルマだけ面倒を見たいという職人気質の人も少なくない。 そんなわけで、傍目にはぶっきらぼうだし、無愛想に映るかもしれない。 場合よっては怖い人…に映るかもしれない。 けれど、それはあくまでも表面的なことだ。 いちど心を許せば案外饒舌だったり、さまざまなアドバイスもくれたりする。 つまり、不器用なだけで「根は優しい人」が多いような気がしている。 セカンドオピニオンということは、自分の技術を信頼してもらえていないと思われても仕方ない。 と同時に、他のメカニックが整備した箇所をいじりたくないと考える人も多い。 人それぞれやり方があるからだ。 セカンドオピニオンをする必要があるくらい不安なら、安心して任せられる主治医を新たに見つけるか、どちらか1人にしぼるか、いっそのこと古いクルマを手放した方がいいかもしれない。 1台の古いクルマと徹底的に付き合う。 それはイコール、1人の主治医を信じ抜くことと同義ではないか? そんな気がしてならない。 [ライター・撮影/松村透]
法定整備は、その名の通り法で定められた整備です。法定整備と聞くと車検のことをイメージする方も多いですが、実は内容が大きく異なります。車を安全に走行させるためには定期的な点検整備が必要です。特に中古車を購入する際には法定整備の有無がその後の費用負担や車の寿命を左右するため、納車前に実施されるかどうかの確認は必要といえます。今回は法定整備の詳しい内容と、車検との違いやかかる費用などについて解説します。 法定整備とは 法定整備とは、国土交通省が法で定めた定期点検のことです。法定整備は保安基準に適合した自動車であることを検査するだけでなく、不具合があった場合の整備も実施する必要があります。それでは法定整備について詳しく解説します。 車検との違い 法定整備よりも重要と考えられやすいものに車検があります。車検は正式名称を「自動車検査登録制度」もしくは「自動車継続検査」といい、道路運送車両法の保安基準を満たしているか検査をすることです。車検は検査のみとなり、「公道の走行」「整備状況と環境基準」のそれぞれに問題がないかを検査します。 車検切れの車を公道で走らせると違反点数と罰金が課せられますので注意が必要です。法定整備よりも罰則の有無で車検の方が重視されやすい傾向にあります。しかし車検とは最低限の基準に適合しているかを見る検査ですので、安全安心に運転するためにも法定整備は重要です。 必要性 法定整備は、国土交通省が使用者(運転者)の義務として定めています。法定整備を行わないで不測の事態に陥ることは整備不良による罰則を受ける可能性があり、その責任は運転者が対象です。整備不良と判定された場合、道路交通法第62条「整備不良車両の運転禁止」に抵触し、3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科せられます。 法定整備の内容 法定整備は、12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があります。詳しい整備内容について解説していきます。 12ヶ月点検 12ヶ月点検は、点検整備で車の故障を未然に防ぐためのものです。26項目の点検箇所をチェックするもので主にエンジンルームや室内、足回りや下回りの点検が実施されます。未実施による罰則はありませんが、故障や事故で周囲の人に被害を及ぼさないための使用者の義務です。 24ヶ月点検 24ヶ月点検は、車検時に同時に行われるのが一般的です。車検整備のことだと勘違いされることが多いようですが、実際には別の点検作業のことで12ヶ月点検よりも多い56項目について実施されます。12ヶ月点検と同様に未実施による罰則はありません。ユーザー車検の場合は、安全上24ヶ月点検だけディーラーや民間整備工場などに依頼することがおすすめです。 法定整備込・別・無の違い 中古車を購入する際は納車時に法定整備をされているか否かは重要です。法定整備がされていれば納車後の部品交換や修理といった費用負担や、不具合による危険が減るといえます。中古車販売店のプライスボードに表記されている「法定整備込・別・無」について解説していきます。 法定整備込 「法定整備込」と表記されているものは、車両価格に法定整備費用が含まれています。一般的に中古車販売店での法定整備は12ヶ月点検に則したもので、「法定整備別・無」の車よりも車両価格が高いです。納車後の追加料金が発生しにくい点がメリットと言えるでしょう。 法定整備別 「法定整備別」と表記されているものも、納車前に法定整備を実施してくれます。車両価格とは別途で諸費用として見積りに追加され、その分車両価格が抑えられている場合がほとんどです。購入を検討する場合は、法定整備費用が相場と比べて妥当か確認する必要があります。中古車保証が付く車両はこの法定整備を受けることが前提といえます。 法定整備無 「法定整備無」と表記されているものは、中古車販売店での法定整備はありません。現状渡しとも呼ばれますが、古い車や故障が多い車種の扱いといえます。納車後に不具合が生じる可能性が法定整備を実施した車よりも高いので、車両価格が安くても詳しい説明を聞いた上で購入を検討するべきでしょう。 法定整備にかかる費用 法定整備は、専門的な技術や知識が必要となり国の認証を受けた整備工場に依頼するのが一般的です。費用は車種や入庫する業者などによって異なります。12ヶ月点検で10,000~20,000円程度、24ヶ月点検は20,000~50,000円程度が相場です。整備点検に加えオイルなどの消耗品や部品の交換作業が伴う場合は別途費用が必要です。また、24ヶ月点検と同時に車検を受ける場合は、その費用が追加で発生します。 法定整備にかかる時間 法定整備にかかる時間は点検を行う業者によって様々です。一般的に12ヶ月点検で2時間~半日程度、24ヶ月点検で車検も合わせて1~2日程度といえます。部品の交換が伴う場合や大がかりなメンテナンスが必要な場合は、在庫の有無にも影響しますがさらに時間が必要です。 法定整備は自分でできる? 法定整備は自分ですることも可能です。「道路運送車両法」で定められた点検箇所を項目に沿って行い、外回りや運転席、エンジンルームや下回りの点検を実施します。しかし、自分で行うにもリフトアップできる環境や工具なども必要ですので、自信がない場合やリフトなどの設備が用意できない場合は無理せずにプロに任せた方が良いといえます。
独自のデザインやレトロなスタイリングなどにより人気がある旧車は、維持が大変だと聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、旧車の維持費が高くなる理由やコストを抑える方法を解説します。旧車の購入を検討していて、維持費を気にしている方は、参考にしてみてください。 旧車とは 旧車には明確な定義はないものの、一般的に製造年から25年~30年以上経過した車を指します。また、製造から10年以上経過した車、レトロなデザインの車、ノスタルジックな雰囲気の車を旧車と呼ぶこともあります。 旧車を明確に定義するのは難しいものの、共通しているのは、すでに生産が終了している車という点です。つまり、現在販売されている車も生産が終了すれば、いずれ旧車になるということです。 旧車の維持費が高い理由 旧車は、維持が大変だったり、多額の費用がかかったりすることがあります。なぜ古い車は維持費が高くなるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費が高くなる理由について解説します。 頻繁な修理が必要 旧車は新しい車と比べると、金属部品のサビや損傷、ゴムパーツの劣化などの不具合・故障が多く、頻繁な修理が必要になるため、維持費が高くなりやすいです。また、オリジナル部品を活用した修理の場合、部品調達や作業に時間がかかり、パーツ代や工賃が高くつきます。そのため、トータルの修理代が高くなり、維持費が高いと言われるのです。 パーツの希少価値が上がっている 旧車のパーツは、メーカーの部品生産が終了したり、同型車両の現存数が減少したりするため、調達が難しくなっていきます。流通するパーツの数が少ないと希少価値が高くなり、部品代が高くなります。旧車を維持するときには、部品の調達ができるかどうか確認しておくとよいでしょう。 近年では、メーカーが復刻パーツを再販売することが増えてきており、人気のある旧車の部品を入手しやすくなっています。ただし、再販売パーツの数量が限られていたり、すでに再販売が終了していたりすることもあるため、注意が必要です。旧車の購入を検討するときは、その車の故障しやすい部位のパーツが入手できるか確認しておくことをおすすめします。 税金が高くなる 年式が古い車の税金は割高です。自動車税は、初年度登録年月から13年(ガソリン車の場合)が経過すると約15%の重課となります。自動車重量税は、初年度登録年月から13年以上経過すると重課され、18年以上経過するとさらに税金が高くなります。初年度登録年月から13年以上経過している旧車の購入を検討する際は、税金が通常よりも高いことを考慮しましょう。 保管場所が限られる 旧車は、パーツの入手が難しかったり、希少価値が高かったりするため、車両の保管に気を付けなければなりません。 日光が当たる場所や雨風の影響を受けやすい駐車場に保管しておくと、部品の劣化が進行してしまい、車が動かなくなったり、部品が錆びたりすることがあります。価値ある旧車に長く乗り続けるためにも、屋根付きガレージに保管するといった工夫が必要です。 また、人気が高い旧車や流通台数が少ない車は、中古車市場で高値で取引されるため、盗難の恐れもあります。手に入れた旧車を盗まれないようにするためにも、保管場所に気をつけましょう。 旧車の維持費を少しでも抑える方法 旧車は、税金が高かったり、車両の保管に気を遣ったりする必要があるため、維持費が高くなりやすいです。旧車の維持費を少しでも安く抑える方法はあるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費を抑える方法を解説します。 こまめにメンテナンスをする 旧車に限らず、車は定期的なメンテナンスが必要です。オイル交換や部品交換などのメンテナンスを適切に行っていれば、故障するリスクが減り、車検や点検などのタイミングでかかる費用を抑えることができます。定期的に点検や部品交換をして、不具合や故障などを未然に防ぎ、メンテナンスコストを最小限に抑えられるようにすると維持費を抑えられます。 車への負荷を減らす 適切なメンテナンスをしている旧車であっても、急発進、急ブレーキ、急ハンドルなどは、車に大きな負荷がかかります。負荷がかかると車が傷んだり、故障したり、不具合が起きたりすることがあるため、丁寧な運転を心がけましょう。 旧車の維持費に影響を及ぼす要素 旧車の維持費は、市場の人気や車両の流通数、年式などによって変動することがあります。ここからは、車の人気や流通数、年式が維持費に影響する理由を解説します。 市場の流通数 旧車の市場流通数は、車両や部品の値段に影響します。流通数が少なくなれば、車両や部品の希少価値が高くなり、価格が高騰します。 旧車は現在生産されていない車であることから、流通数が減少する一方です。そのため、旧車の維持費を少しでも抑えたい場合は、流通数が多い車を選ぶとよいでしょう。 また、近年では人気がある旧車のパーツをメーカーが再販売するケースもあります。人気の旧車であれば、メーカーやアフターパーツメーカーから部品を調達しやすいため、維持費を抑えられるでしょう。 年式 旧車の年式は、新しい方が故障するリスクが低いことが多いです。維持費を抑えるためには、年式が新しい車を選ぶとよいでしょう。 一方、年式が古い車は、故障のリスクが高かったり、部品の調達が難しかったりするため、維持費が高くなります。旧車を購入するときは、年式や部品の調達のしやすさも考慮しておくと良いでしょう。
なお高い人気を保つ「JZX100系ツアラーV」。ヤマハとトヨタが共同開発した名機「1JZ-GTE」2,500ccターボチャージャー付きエンジンを搭載し、ドリフト走行を好む若いセダン好きや、子育てを終えた腕に覚えのある壮年ドライバーが、いま血眼になって程度の良い個体を探し回っています。とはいえ、生産終了から20年を迎える車両だけに、車両購入代はもちろん、実際に所有するためにかかるランニングコストは大いに気になるところ。憧れのスポーティセダンの維持費についてご紹介します。 20年経っても色褪せないJZX100系ツアラーVの魅力 日本が誇る劇速スポーティセダンとして、世界中のファンから愛されているJZX100系ツアラーV。かつてトヨタが販売会社別に設定していたマークll、チェイサー、クレスタのいういわゆる「マークll 3姉妹」の最上級スポーティグレードとして君臨しており、2.5リッターターボ×5MT(※クレスタを除く)を流麗なセダンスタイルで味わえるとして好評を博しました。 そんな3姉妹の最終型「JZX100系ツアラーV」に搭載されていたのが、最高出力280馬力、最大トルク38.5kg・mを叩き出す「1JZ-GTE」エンジンを搭載。高級セダン然とした内装演出や充実の装備も相まって、国産車史上でも群を抜いた存在感を放っています。 JZX100系ツアラーVの気になる維持費 そんなJZX100系ツアラーVを気持ちよく乗り続けるために重要となるのが、ランニングコスト=維持費。まずは、JZX100系ツアラーV維持していくうえで避けることのできない税金や車検費用などの維持費を見ていきましょう。 JZX100系ツアラーVに関する税金 2019年に大きく改定された税制で、長らく存在していた自動車取得税が廃止され、代わりに環境性能割が導入されました。他にも自動車税、自動車重量税(※車検毎ごと)、消費税が課税されますが、JZX100系ツアラーVだからといって支払う税金の種類が増えるということはありません。 ただし、JZX100系ツアラーVのような低年式の車には新規登録から13年超で始まる重課税があるため、注意しなければなりません。まず自動車税が15%程度重課(増税)され52,000円となります。また、重量税も13年が過ぎると重課されますが、18年が経過でさらなる増税があり、2001年に生産を終了しているJZX100系ツアラーVは全てが対象です。よって、13,200円重課(増税)され37,800円となりますが、車に何も不具合がなかったとしても維持費がかかるのが旧車の大きなデメリットです。 JZX100系ツアラーVの車検費用 首都圏にあるトヨタ系ディーラーの場合、排気量2,500cc以下/車両重量1.5t以下の「JZX100系ツアラーV」は、基本料金42,790円(定期点検料21,890円、完成検査料11,000円、代行手数料9,900円)、法定費用60,350円(自動車重量税37,800円、自賠責保険料21,550円、印紙代1,000円)の計103,140円となります。 JZX100系ツアラーVのメンテナンス費用 前述した車検費用はあくまで個体になんら問題がない状態で、生産終了から20年を経た「JZX100系ツアラーV」の場合は、個体ごとにもはや別物といえるほどコンディションが異なっていて当然です。油脂類やタイヤ、バッテリーに代表されるメンテナンス費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。いずれにしろ交換時には別途工賃がかかることをお忘れなく。 JZX100系ツアラーVで注意したいトラブル 生産から20年が経過したZX100系ツアラーVを維持していくなら、通り一遍のメンテナンスだけではなく、特有のトラブルや症状を踏まえて、早め早めのケアを心がける必要があります。耐久性に優れた「1JZ-GTE」エンジンといえども経年劣化からは免れず、かつ廃番となった純正部品もいくつか現れはじめています。 メインコンピュータのチェックは早急に!! 最終年式が2001年となるJZX100系ツアラーVは、搭載されているメインコンピュータに内部にある半導体の液漏れなどといった不具合抱えていることも少なくありません。それに起因するトラブルとしては、アイドリングの不調やエアコンの誤作動が多く報告されています。不具合が出てからではなく、車両購入と同時に診断および修理を行うべき喫緊の問題といっていいでしょう。 サブスロットルコンピュータも見逃しなく メインコンピュータと同じく、サブスロットルコンピュータももはや新品を手にすることは不可能。トラクション制御をつかさどる“TRC”や後輪のスリップ防止用の“ETCS”の警告灯がつきっ放しになっていることもあります。年数を経た車の場合、エンジンをはじめ各部は、デジタルとアナログの過渡期にあり、トラブルシューティングに基づく抜本的処置こそが肝要、と覚えておくべきです。 JZX100系ツアラーVは初期年式から25年の今が買いどき! 今ではすっかり見なくなった、直6ターボエンジンを搭載したスポーツセダンであるJZX100系ツアラーV。年式がもっとも新しい個体でも20年選手となるため、現行モデルに比べ維持費が割高になるのは仕方ありません。 しかし、最初期となる1996年式のJZX100系ツアラーVは、今年2021年で25年を迎え、いわゆる“25年ルール”の対象になります。日産スカイラインGT-Rが“25年ルール”から外れた途端、北米バイヤーが殺到して国内中古車市場の価格があっという間に高騰したのは、自動車好きならばご存知の通り。 要するに、「JZX100系ツアラーV」を賢く購入するならば、あらゆる意味でいまこそがラストチャンスなのかもしれません。 [ライター/旧車王編集部]
昭和のバブル期、1980年代に登場した数々のスポーツカーの中でもある意味で異質といえるのがトヨタ MR2です。当時の豊田社長が発した「常識破りのクルマを!」との声で開発されたMR2はまさしく常識を越え、国内初のミッドシップレイアウトの市販車として誕生。1984年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。1999年に生産終了しましたが、未だに根強いファンを持つ名車です。今回は、そんなMR2に乗るための維持費をご紹介しましょう。 日本初のミッドシップスポーツ、トヨタ MR2 1984年、トヨタ MR2は日本初の市販ミッドシップスポーツカーとして、社長の肝いりで華々しく登場しました。車名のMR2とは「Midship Runabout 2seater」(ミッドシップ ラナバウト ツーシーター)の頭文字であり、まさにそのキャラクターを体現しています。 外観の特徴は、リトラクタブルヘッドライトにスリムなフロント、直球なスポーティさと美しさを併せ持つサイドビュー。初代(AW型)はカクカクと四角さがありますが、2代目(SW型)はやや丸みを帯び、また排気量もアップして初代を超えるセールスを記録しました。 トヨタ MR2の気になる維持費 MR2は1999年に生産終了となり、最も新しい年式のものでも自動車税では新車登録から13年以上が経過、自動車重量税では登録から18年経過による重課となっています。では、今後MR2に乗る上で欠かすことのできない「税金」と「車検費用」について見ていきましょう。 トヨタ MR2に関する税金 初期型であるAW11型、そして2代目となるSW20型のどちらも販売終了から20年以上が経過しており、毎年支払う自動車税は13年経過、車検時に支払う重量税は18年経過となり、どちらも重課(増税)されます。排気量はAW11型が1.6L、SW20型が2.0Lのため基本の自動車税は39,500円ですが、重課されて45,500円。また、車検時に支払う重量税も18年超経過の37,800円となります。 トヨタ MR2の車検費用 首都圏にあるトヨタディーラーに車検を出した場合、トヨタ MR2は車両重量1.5t以下のカテゴリーに属します。基本料金39,930円(定期点検料19,030円、完成検査料11,000円、代行手数料9,900円)、法定費用60,350円(自動車重量税37,800円、自賠責保険料21,550円、印紙代1,000円)の計98,150円となります。 ただし、上記の料金は追加整備が必要のない場合であり、年式の古いMR2は、経過年数相応の修理やメンテナンスを覚悟しておかなくてはなりません。 トヨタ MR2のメンテナンス MR2はなんといっても古い車であり、乗り続けるには車の知識や各部品の入手経路の確保が必要です。なるべく長く乗り続けるためにも、こまめなお手入れで良い状態を保ちましょう。特に気を付けたいのがエンジンオイル。古く汚れたオイルはエンジン不調の原因になるのはもちろん、オイル漏れなどの原因になります。交換費用はターボモデルで1台約8,000円が目安です(エレメント交換代含まず)。 また、もともと持っているシャープなハンドリングを維持するために欠かせないのがタイヤ交換。価格は銘柄によっても異なりますが、1本15,000円程度を目安にしましょう。※別途交換工賃がかかります。 修理費用 初代であるAW型で人気なのは、センター部分を残して屋根を取り外すことのできつTバールーフ。しかし、開放的なドライブとは裏腹に、経年劣化によってルーフのパッキンが硬化し、雨漏れを起こしている個体も少なくありません。もちろん、Tバールーフという特殊な形状であるため、雨漏れは仕方がない内容ですが、車内のにおいなど日常使いに支障がある場合もあるため、購入する際は実車確認が必須です。 そして、比較的年式が新しい2代目SW型には、初代(AW型)には無かったパワステが装備されています。このパワステがSW型の持病とも言える弱点。もっとも安価な場合はパワステリレーの接触不良で、軽くショックを与えれば復活することもありますが、そうでない場合はコントロールユニットの交換になる場合もあります。 また、ミッドシップレイアウトであるため、エンジンルームに熱がこもりやすく、ゴムホースなどの劣化やオルタネーターなどの電気部品がダメージを受けている個体も少なくありません。 MR2を買う上での注意点 1984年に登場し、初代が5年間で約4万台、2代目は10年間という長期で約8万台と順調な売れ行きを見せたMR2。性能としてはマイナーチェンジを経るごとにアップしているものの、入手困難な初代も未だに需要があるモデルです。車の性格上、酷使されていたり修復歴の多い個体も多いため、購入の際には状態をよくチェックした方がいいでしょう。 今MR2を検討しようという方は相当思い入れやこだわりがあることと思いますので、MR2に詳しい信頼できる販売店から購入するのがおすすめです。また部品の取り寄せや定期点検にあたって、相談できる整備工場や専門ショップをあらかじめ見つけておくと安心ですよ。 乗らなくなったMR2を手放す時は 日本初の量産ミッドシップ車として登場したMR2も、生産終了から20年以上経ち、乗り続けるのが難しくなってきた名車の一つでもあります。税金や車検だけでなく、部品の調達やこまめなメンテナンスなど維持費以外に手間や労力がかさむことも否めません。また、若い頃のような乗り方をしなくなったからと、手放すことを検討している方もいるのではないでしょうか。 もし売却を考えた際は、車体の状態をきちんと吟味し、適正な見極めができる旧車専門店を見つけるのがよいでしょう。 [ライター/旧車王編集部]
トヨタ スープラは、2019年5月に17年ぶりに5代目が復活したことで、にわかに活気づいています。中でも最も人気が高いのが、2002年に排ガス規制の影響で生産終了となった4代目A80型です。「80スープラ」の愛称で親しまれるそのFRスポーツは、流れるようなデザインや3L直6エンジンの力強さも特徴で、映画「ワイルド・スピード」がその人気に拍車をかけ、海外人気もうなぎのぼりとなっています。 今回は、そんな80スープラに乗るための維持費をご紹介しましょう。 「ワイルド・スピード」で人気爆発!80スープラとは 1978年、北米での人気を得るべく開発されたトヨタ 初代スープラは、元々セリカの派生として生まれました。その後1993年、4代目のA80型スープラはトヨタが誇るグランドツーリングFRスポーツとして、「THE SPORTS OF TOYOTA」をキャッチコピーに登場します。馬力は自主規制いっぱいの280PSで、当時としては国内初となる6速MTを搭載するなど大きな話題となります。 3L直列6気筒のエンジンをフロントに搭載し、スタイルは長いボンネットを持つロングノーズショートデッキです。もともと北米向けということもあり、豪快な見た目と走りが魅力です。 また、映画「ワイルド・スピード」に登場したことでその人気が爆発。誕生から25年経った2018年からアメリカで“本場日本仕様”の輸入が可能となり、昨今さらに需要が高まっています。 大排気量が高くつく!トヨタ 80スープラの維持費 80スープラは2002年に惜しまれつつも生産を終え、もっとも新しい年式のものでも自動車税では新車登録から13年経過、自動車重量税では登録から18年経過による重課となっています。 では、今後80スープラに乗る上で重要な維持費を具体的に見ていきましょう。 税金 【自動車税】58,600円※新車登録から13年経過の金額※排気量2500cc超から3000cc以下の場合【自動車重量税(車検時)】・車両重量1,000kg超~1,500kg以下:37,800円・車両重量1,500kg超~2,000kg以下:50,400円※新車登録から18年経過の金額 車検費用 ・自動車重量税:37,800円(1,500kg以下)/50,400円(1,500kg超)・自賠責保険料:21,550円・印紙代:1,000円・点検料:21,890円・検査・代行手数料:20,900円【車検費用合計】約103,140円~115,740円※点検・検査料はディーラー車検の参考価格 メンテナンス 80スープラは年式が古く、走り込まれた個体も多いため、購入後はさまざまなメンテナンスが欠かせません。 たとえばエンジンオイル交換では1台15,000円(高級グレード/エレメント交換代含まず)が目安。頻度はNAであれば6ヶ月、ターボは3ヶ月を目安にに行うのが理想的です。(オイル交換の頻度は使用状況によって異なります。) またタイヤ交換では1本30,000円程(サイズ:前235/45R17/後255/40R17)かかるほか、バッテリーは非寒冷地仕様で約7,000円(サイズ:B24L)ほど。都度の修理費も合わせると、良質な走りを保つためにはそれなりの維持費がかかってきます。※別途交換工賃がかかります。 修理費用 80スープラは、もともとつくりの良さに定評のあり、“壊れやすい”という印象はないモデルです。しかし、年式的に現役時代には考えられなかったトラブルが発生します。 まず注意したのが電気系のトラブルです。コンピューターなどの電子部品に多く使用されているコンデンサーや各配線類は、熱や振動で劣化します。コンデンサーであれば液漏れ、配線類であれば被覆が切れることによる断線やショートが考えられます。また、6速MT車に採用されているゲドラグのトランスミッションも弱点の一つです。さらに、年式が古い個体にありがちなのがダッシュボードなどの浮きや剥がれです。 年式が古い80スープラは、当然純正部品の入手が困難で、一部はGRヘリテージパーツとして再販されていますが、決してすべてのパーツが揃っているわけではありません。 購入後に後悔しないためには、できるだけ実車の確認をおすすめします。 80スープラ購入で気をつけたい点 2019年5月に5代目が登場したこともあり、スープラ人気はさらに高まりを見せています。生産台数が3万台あまりしかない80スープラはその価値も高く、若者から中高年、そして海外からの需要も衰えていません。 そんな80スープラを購入する際に気をつけたいことは、やはり走りを重視した車であるため、酷使されたり修復歴が多い固体が多いということです。また、大排気量のため毎年の自動車税は高く、燃費がよくない点も押さえておくべきでしょう。 さらに、選ぶ際はNAとターボ、MTとATなどグレード等も様々あり、状態やカスタム具合もピンキリ。購入にあたっては80スープラに詳しい信頼できる販売店を見つけ、またあわせてアフターケアを相談できる整備工場や専門ショップも探しておくのがおすすめです。 売却は慌てず、慎重に 新車登録から13年超、18年超となった80スープラは、税金の重課もかさみ、燃費の悪さも相まって維持費が馬鹿にならないのも事実です。購入当初はその走りを存分に楽しんでいた方も、年を経てあまりそのような乗り方をしなくなり、そろそろ手放そうかと考えている方もいるのではないでしょうか。 売却を考えた際は、型式やグレードだけでなく車体の状態を的確に見極めた上で値付けができる、信頼できる旧車専門店に相談するのがおすすめです。 旧車を買い続けて20年以上!目利き鑑定士のスープラ納得買取なら旧車王https://www.qsha-oh.com/maker/toyota/supra/ [ライター/旧車王編集部]