「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
車のリコールは、車の設計や製造過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しなくなる恐れや適合しない場合に出されます。リコールが出されたらどのような手順で修理を進めるのでしょうか。また、費用を支払って修理した後にリコールとなった場合の費用負担はどのようになるのでしょうか。今回は、車のリコールについて紹介します。 車のリコールとは 車のリコールとは、車の設計または製作の過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しない、または適合しない可能性がある場合に、メーカーが国土交通省に届け出て保安基準に適合するよう修理する制度です。 リコールは、メーカーの責任となるため、ユーザーが修理費用を負担することはありません。リコール対象になった場合には、速やかに修理を受けましょう。 リコール対象車になった場合の流れ ここからは、リコールの対象になったときの流れを紹介します。 1.ディーラーから連絡が来る リコールの対象になるとディーラーから手紙やハガキ、電話などで連絡が来ます。連絡がきたら入庫予約をしましょう。 また、リコールの修理は購入したディーラーだけでなく、他の正規ディーラーやメーカーから認証を受けている整備工場などで受けることができます。 2.ディーラーへ入庫する 入庫予定日になったらディーラーへ車を持ち込み修理を受けます。リコール内容によっては、数日間にわたり車を預けなければならないこともあるため、リコールの修理に要する日数や代車の手配なども忘れずに行いましょう。 3.リコール作業が完了する リコールの作業が完了したら車を引き取ります。リコールはメーカーが行う無償修理であるため、修理費の準備をする必要はありません。 車のリコールが出る前に修理した場合は条件付きで返金される 費用を支払って修理した部分が後にリコール対象となった場合、修理代金の返還等が行われることがあります。返還等の際には、領収書や修理明細書などの書類が必要になることもあります。返還等の手続きや必要書類などは、メーカーによって異なるため販売店などで確認してください。 車のリコールを理由に車体の返金はできない リコールは、あくまでも対象となる部品にのみ適応されます。そのため、車両本体の返金や交換はできません。 リコールの対象になると、車を売るときの価値が下がるのではないかと心配する方もいるでしょう。しかし、リコール対象となった車でも買取には影響がありません。 車のリコールに期限はない リコールの修理に期限はありません。そのため、何らかの事情によってすぐに修理を受けられなくても焦る必要はありません。 ただし、リコールは不具合が起きないよう事前に修理する制度であるため、早めに修理を受けることをおすすめします。 リコールを放置して事故が起きた場合はドライバーの責任 リコールの通知を受けていたのにもかかわらず、放置して不具合が起きたり事故を起こしてしまったりすると、ドライバーの責任になる場合があります。メーカーが届け出たリコールは、ユーザーが受けなければならない修理です。そのため、リコールの対象になったら速やかに修理を受けましょう。
旧車オーナーにとって、クルマへの愛情が深くなれば深くなるほど、自身の愛車のメンテナンスに興味を持つことはないであろうか? 詳しい知識はなくとも、できる部分は自身の手でやってみたいと考えているオーナーは決して少なくないと思う。 クルマのメンテナンスを行うためには当然工具が必要なる。 クルマのみならず、機械いじりなど一度も行ったことがないオーナーにとっては、数ある工具の中からどれを選べば良いのか、まったくもって見当もつかないだろう。 今回は、ポンコツ愛好家の私・クマダが、かれこれ20余年の経験を持って、メンテナンスデビューしたいビギナー(初心者)に向けて、なるべく簡単にアドバイスをしたいと思う。 ▲ 雑然とした筆者のツールチェストの内部。安価なショボ工(しょぼい工具)から高額なスナップ・オンまで幅広いラインアップ!?※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧ください。チャンネル登録お待ちしております! https://t.co/jshezU8Be0) ■ホームセンターで販売されている工具が、必ずしもクルマの整備に向いているとは限らない ▲すでに購入から20数年が経過したPBボーマンのドライバー。 良い工具は長持ちするうえ、使い込めば使い込むほど愛着がわき、やがて一生モノとなる。 ご存じの通り、昨今DIYがブームとなっている。 ホームセンターの工具コーナーの品揃えも本格的なものとなりつつあるようだ もはや、プロ志向の品揃えとなっているといっても過言ではないことだろう。 おそらく多くのビギナーが、自身で最初に手にする工具をこのホームセンターで検討されると思うが、購入については少し踏みとどまっていただきたい。 それはなぜか? 私クマダは経験上、ホームセンターで販売されている工具が、必ずしもクルマの整備に向いているとは限らないと考えているからだ。 そもそもホームセンターで販売されている工具は、自動車整備のみならず、建築や工業機械など、その他の用途も含めた目的で製造されたものが多い。 これらはたいがいにして肉厚で強固、かつ重量があるため、クルマのエンジンルーム内など、細かく入り組んだ部分での作業がしづらかったりする。 また、くれぐれも多数の工具が一つのケースに入った一見お得そうなツールセットなるものにはくれぐれも注意してほしい。 安価品は全体的に繊細さに欠ける印象のものが多いが、印象のみならず、実際に精度も悪かったりする。 そもそもしっかりと対象物にかみ合わないのだ。 例えば、錆びてただでさえ緩みづらくなっている旧車のボルトやナットに大きなトルクをかけて使用した場合、いとも簡単に頭をなめてしまう可能性がある。 これは作業をする者の腕がいいとか悪いとかの問題ではない。 場合によっては、大きなトルクをかけて使用した際に突然破損し、ケガの原因になることすらあるのだ(筆者は経験済み)。 ■クルマの工具はやはり専門店がおススメ!工具を実際に手に取って選ぼう ▲ 新卒でディーラーの整備士になったが、支給工具は最低限のもので、当然満足のいくものではなかった。先輩に借りるわけにもいかないので、毎月毎月少しずつ工具を買い足していった。これらは20年経った今もしっかり使えている。 それでは、いったいどこで工具を購入すればよいのか? それはやはり、自動車整備用の工具を専門に取り扱った店舗一択となるであろう。 ネットではなく店舗で購入するメリットは、実際に工具を手に取り感触を確かめられる点である。 また忘れてはいけないのが、工具店での経験を積んだスタッフからの直接のアドバイスはたいへん貴重だ。 こういったリアルな体験はネットショッピングではまず不可能といっていいだろう。 ぜひ店舗に直接足を運んで工具を自分自身で選んでほしい。 例を挙げると、早回しに必要なラチェットハンドルひとつとっても種類はさまざまだ。 ハンドルの太さや長さ、そして重さ、ラチェットの歯数や空転時の軽さ、ソケットツールのクイックリリースボタンの有無や押しやすさ・・・。 さらにはクロームの仕上げ方法による握ったときの滑り具合などなど、チェックポイントは多数ある。 そして何よりも、高価なブランド工具と、同機能の安価な工具との違いもここで確かめるといいかもしれない。 なお、最初から数多くの工具を購入する必要はない。 まずはじめに揃えておきたい工具の具体的な内容は次の項で述べるが、使用頻度の高い基本的な工具はしっかりとしたブランド・品質のもので購入したい。 あとは、追々、自身の作業内容やレベルに応じて買い足しすることをおススメする。 必要性を感じてから工具を買い足すことで、無駄なく工具を揃えられるのと同時に、いま手元にある工具の使い方に工夫を凝らすことで、メンテナンスの腕の向上にもつながることであろう。 工具があることにありがたみを感じる瞬間でもある。 ■ビギナーが最初に選ぶべき基本的な工具を、具体的に挙げてみる ▲ 文中に挙げた最低限の基本的な工具。これらを車載工具として携行できるとさらに頼もしい。 筆者が、メンテナンスのビギナーがとりあえず最初に揃えると良いと思う工具は以下の通りだ。 ●コンビネーションレンチ(片側がスパナ、もう片側がメガネレンチになった工具)●3/8sqソケットレンチとラチェットハンドル(8/10/12/13/14/17/19mm)●欲をいえば、1/4sqのソケットレンチとラチェットハンドル(8/10/12/13mm)●エクステンションバー(3/8sq・1/4sqともに長さで2~3種類)●プラスドライバー(1/2/3号)●マイナスドライバー(3/4/5号)●長めのヘックス(六角)棒レンチ(片側がボール型になっているものが良い)●ノズルプライヤー(ラジオペンチ)●カッティングプライヤー(ニッパー)●ウォーターポンププライヤー●1/2sq スピンナーハンドル などなど・・・ とはいえ、ビギナーにとってこれらを最初からそれなりのブランドの工具で購入するとなると、予算のことなど、とても勇気が必要になるだろう。 ただ安心してほしい。 ここ十数年で状況はとても良い方向に好転していからだ。 旧来の工具専門店というと、敷居が高く、その道のプロでないと入りづらそうな雰囲気の店が多かった。 しかし昨今では、プロのみならず、個人のユーザー向けに全国展開をしている工具店が複数存在している。 アストロプロダクツや、ストレート、ファクトリーギアなどである。 インターネットで検索すれば、きっとあなたの身近な場所に店舗が見つかるはずだ。 とりあえずこういった工具店では、ショップのオリジナルブランドではあるが、安価でありながらも、品質的にはなんとか及第点となる工具セットが販売されている。 筆者の本音は、それなりに名の通ったメーカーの工具で揃えていただきたいが、セットの内容を吟味したうえで、これらを購入するのも選択肢のひとつだと思う。 これらの工具セットは、コンパクトで仕上げの良いツールボックスに入って販売されていることが多いので、後々ステップアップした後も車載工具として使用することもできる。 ■スナップ・オンだけが工具ではない。さまざまな工具を手に取り吟味して選ぼう ▲「安くて良いもの」は存在しない。しかし、「安い割にはまぁまぁ良いもの」は間違いなく存在する。ただ、それを見極めるのが難しい・・・。 熟練したメカニックの中には、スナップ・オンをはじめとするブランド工具以外は認めないといった風潮があることも事実だ。 彼らはボルト一本を締める行為一つに強い責任感を持ち、情熱を燃やしている。 先述の通り、安価な工具は精度が悪く、ボルトやナットの角に傷を入れることが多い。 当然の意見であろう。 ただ「ブランド工具」といっても、自動車整備の世界には様々な工具メーカーが存在し、各々個性的な特徴を持ち合わせている。 例えば、高額なブランド工具の代表格、米国メーカーのスナップ・オンのレンチはミラーツールとよばれるクロームメッキ仕上げが特徴で、その美しい外観から使用せずに収集するコレクターが存在する。 しかし反対に欧州では手に持っても滑りにくいザラザラとした梨地仕上げのレンチが好まれる。 ハゼットや、スタビレーの柔軟にしなるレンチがこれに該当する。 PBボーマンのドライバーは、オイルまみれの手で握っても不思議とすべらないグリップをもつ。 国産メーカーでは、定番中の定番であるKTC(京都機械工具)、とても精度の高いソケットツールに定評があるコーケン(山下工業研究所)が挙げられる。 また、機械工具の武骨なイメージだったが、ここ数年で自動車整備向けの工具に力を入れてきたTONE(筆者はラチェットギアレンチや、ストレートメガネレンチを愛用)などなど・・・。 いくつか工具メーカーを挙げたが、これらは、どこのOEMで生産されたか分からない各工具専門店のオリジナルブランド品に比べれば、倍くらいの値段がする。 しかし、これらの製品は、スナップ・オンに比べればとてもリーズナブルだ。 仕様の用途や頻度も含め検討するとよい。 なお、ちゃんとした工具は壊れにくい。 それこそ、良い工具を選べば一生モノとなる。 しかし、工具の世界には「安くて良いもの」は存在しない。 やはり「良いものは高い」のだ。 ただ、「安い割にはまぁまぁ良いもの」は間違いなく存在する。 前述したとおり、工具は手に取ってよく吟味したうえで選んでいただきたい。 納得のいく工具選びを繰り返せば、あなたもいつかエキスパートになれることだろう。 今回は、初めての工具選びについてかんたんに執筆させていただいたが、機会があれば、旧車を維持するにあたって、より実践的な工具の選択方法やケミカルについても案内していこうと思う。 次回を期待して待っていてほしい。 [YouTube]BEARMAN's チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g [ライター・撮影/クマダトシロー]
車にダニが発生する原因についてご存知の方は少ないのではないでしょうか。ダニといえば寝具に多く生息するというイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、寝具よりも車の方がダニが多く発生するケースもあり、健康への被害も気になるところです。今回は車にダニが発生する原因や健康への影響、車のダニ対策について解説します。車のダニの発生に不安を持つ人は参考にしてください。 車にダニが発生する原因 車にダニが発生する原因は、「人のフケや髪の毛」「食べかす」「花粉」などです。これらはダニにとって格好のエサとなり、温度(20〜30℃)や湿度(70%以上)の条件を満たすことで大繁殖する可能性があります。 ダニはどこにでも生息しています。新車であっても衣服やペットに付着して入り込むので、侵入を完全に防ぐことは難しいでしょう。繁殖すると健康被害をもたらす可能性が高いため、普段から対策が必要です。 車のダニによる健康への影響 車のダニによる健康への影響は、ぜんそくやアトピーなどのアレルギーや刺されることによるかゆみです。車の中で特に発生しやすいのは以下の3種類のダニで、それぞれに特徴が異なります。 ・チリダニ………0.2〜0.5㎜の大きさで乳白色。生きている間は人に被害を与えません。死骸やフンがぜんそくやアトピーなどのアレルギー症状の原因となります。 ・ツメダニ………0.3〜1㎜の大きさで薄黄からオレンジ色。チリダニをエサとして侵入し、人の柔らかい皮膚部分を刺して強いかゆみを引き起こします。 ・タカラダニ………1〜2.7㎜の大きさで赤色。コンクリートに生息して花粉をエサにします。人に健康被害は与えませんが、その見た目から不快な気分になる方もいます。 それでは、車に発生するダニによる健康への影響について詳しく解説します。 吸い込むことによるアレルギー反応 「ダニの死骸」「フン」「抜け殻」などを吸い込むことでアレルギー反応が起きる場合があります。これらはダニアレルゲンと呼ばれ、許容量を超えて接触や吸引するとアレルギーやぜんそくを引き起こします。一度発症すると症状が数年も続く場合もあるため、単なるダニアレルギーと思って油断してはいけません。 刺されることによる患部の腫れ 主にツメダニが皮膚を指すことで腫れを引き起こします。また、強いかゆみも現れますが、かきむしると水ぶくれが起きたり周囲に広がったりするため、なるべくかかないようにしましょう。症状は7〜10日程度も続くため、生活に支障をきたす恐れもあります。なるべく早く皮膚科を受診して、適切な治療を受けてください。 車のダニが発生しやすい箇所 車のダニが発生しやすい箇所は、エサがあり湿度が高く暗い場所です。座席シートやフロアマットの下、エアコンが最も繁殖しやすい場所といえます。 ・座席シート………人の体温でシートが蒸れやすく、付着している皮脂や髪の毛などがダニのエサになります。光が当たる表面よりも内部に潜みやすい。 ・フロアマットの下………ダニのエサである人の髪の毛や食べかすが溜まりやすい。 ・エアコン………カーエアコンの内部にエバポレーターという装置があり、結露により湿気が溜まりやすい。 車のダニ対策 続いて、車のダニ対策について解説します。車のダニ対策に不安を持つ人は参考にしてください。 こまめに掃除する こまめに掃除することでダニのエサを除去します。エサがなくなるとダニも減り、死骸やフンの除去もできるのでアレルギー対策としても有効です。吸引力の高いハンディクリーナーで定期的に掃除するだけで高い効果があります。 空気を入れ換える ダニは湿度の高い場所を好むため、湿度を下げる(55%以下ならダニの大半は死滅する)必要があります。窓を開けて空気を入れ換えることが効果的で、梅雨や害虫の侵入が気になる時期は車用の除湿剤を使用するのもおすすめです。 ダニ対策グッズを使う ダニ対策グッズを使うことも効果的です。ダニ用の殺虫剤や予防スプレー、捕獲シートなど専用のグッズが市販されており、カー用品店やネットショッピングで気軽に購入できます。ただし、家庭用の燻煙薬は車で使用すると殺虫成分が残留し、人体への悪影響が懸念されるので控えましょう。
旧車のエンジンがかからない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。これまでに旧車のエンジンがかからなかったことがない場合でも、知識として持っておくと万一の際に焦らずに対処できるでしょう。今回は旧車のエンジンがかからない場合の原因や対処法について解説します。旧車を所有している方や購入を検討中の方は参考にしてください。 旧車のエンジンがかからない場合に考えられる原因 旧車のエンジンがかからない場合に考えられる原因はさまざまです。代表的な原因について解説します。 セルモーターの不具合 セルモーターは、エンジンを始動するための重要なパーツです。平均的な寿命は10〜15万km程度で、エンジンの始動やアイドリングストップを過度に繰り返すと寿命が縮まるので注意しましょう。バッテリーが上がっていないのにセルモーターが作動しなければ、セルモーターが原因である可能性が高いといえます。 ヒューズの断線が原因 ヒューズは、電気系統に過度な電流が流れないように断線する仕組みになっています。電装品に限らず、エンジンを始動するためのヒューズが断線しているとエンジンはかかりません。旧車の場合はすぐに手に入らない可能性もあるので、予備のヒューズをストックしておくようにしましょう。 オルタネーターの不具合 オルタネーターとは、発電機の役割を果たしているパーツです。オルタネーターが故障すると、電気が作れずにバッテリーの充電ができなくなります。バッテリーを交換したのにすぐに上がってしまう場合は、オルタネーターが原因の可能性が高いでしょう。平均的な寿命は20〜30万kmのため、中古車であっても走行距離が短ければ関係がないと思うかもしれません。しかし、中古車を購入する時点でオルタネーターが古いものに交換されていることもあるので、購入時にチェックが必要です。 エンジンのかぶり 旧車でもキャブレターを採用しているエンジンは、始動時に「かぶる」という現象が起きることがあります。この「かぶる」という現象は、燃料が必要以上に供給されることでプラグが濡れてしまう状態です。ひどい状態になるとプラグの交換や乾燥が必要となり、エンジンの再始動に大きな労力がかかることになります。電子制御燃料噴射装置式の車でも、アクセルペダルを踏んだままセルモーターを回すと同様のかぶりが起こる可能性があるので注意しましょう。 エンジン自体の故障 エンジンは耐久性の高いパーツです。ただし、オイルの交換や燃焼による減少対策を怠るとエンジンに大きな負荷がかかり故障します。エンジンオイルは潤滑、冷却、密閉、洗浄、防錆という5つの役割を果たしているので、最悪の場合はエンジン自体の交換が必要になるケースもあると考えましょう。 電圧不足が原因 電圧不足でもエンジンがかからない場合があります。いわゆる電圧降下(ドロップ)という現象で、電気を送る線の不具合で電圧が末端になるに従って低くなりエンジントラブルが生じることです。他にもヒューズが錆びていたり、バッテリーやオルタネーターの寿命や不調が原因となることもあるので、定期的な電圧チェックは欠かさないようにしましょう。 社外パーツが原因 旧車のパーツは確保が難しい場合が多く、不具合が生じた際に適応する社外パーツに取り換えられていることがあります。しかし、適合するとはいっても純正や推奨パーツとは異なるものを代替えとしているケースもあり、突然の不具合に見舞われてエンジンがかからなくなることもあるので注意が必要です。 旧車のエンジンがかからない場合の対処法 続いて、旧車のエンジンがかからない場合の対処法について解説します。 セルモーターの不具合 セルモーターに不具合が起きている場合は交換が必要です。新品のセルモーターへ交換すると3~5万円程度の費用がかかります。旧車はすぐにセルモーターを確保できないこともあるので、始動音に違和感を感じたらすぐに業者へ相談するとよいでしょう。 ヒューズの断線 断線したヒューズを自力で元に戻すことは難しいため、通常は交換が必要です。ヒューズの断線に早く気づけるように、サビがないかなどのチェックをこまめに行いましょう。カー用品店などに在庫のない品番もあるので、普段からストックしておき車に積んでおくことをおすすめします。 オルタネーターの不具合 オルタネーターの不具合は交換修理が必要となります。一般的な中古車店で購入した旧車の場合は、純正のオルタネーターかどうかの見分けもつかないので信頼できる専門店で購入する方が安心といえます。交換費用は5~10万円程度かかり、部品がなければ調達できるまでエンジンをかけることはできません。 エンジンのかぶり キャブレター式の場合はチョークの調整に失敗したり、チョークレバーの戻し忘れが原因のことが大半といえます。特に寒い日は始動時にチョーク調整に細心の注意を払う必要があるので、マニュアル通りの始動を心がけるようにしましょう。旧車はマニュアルが備わっていないことも多く、専門店で購入する場合は納車時に説明してもらえるのでしっかりと理解しておく必要があります。 エンジン自体の故障 エンジンの故障については、経年劣化するパーツの定期的な交換や日常的な点検をしっかりと行うことで回避できるケースも多いでしょう。特に重要なのがオイルやラジエターの水が正常に循環するかどうかなので、汚れやレベルゲージ、ラバーホース類の破れがないかなどに注意しましょう。 中古車で購入する場合、専門店でレストアされてエンジンの分解洗浄が行われている車はひとまず安心できるといえるでしょう。しかし、一般的な中古車販売店で現状渡しの車を購入した場合は、旧車に詳しい修理工場で細部まで点検してもらうことをおすすめします。エンジンの交換となると数十万~数百万円の費用負担が発生し、乗せ換え用のエンジンがなければ廃車することになるかもしれません。 電圧不足が原因の場合の対処法 電圧不足でエンジンがかからないケースが旧車では非常に多いといえます。まず、日常的な予防策として過度に電装品を取り付けないようにし、電圧のチェックをこまめに行うようにしましょう。電圧チェックについては市販されているオルタネーターチェッカーやクランプメーター、車内で電圧を確認できるシガーソケット用やバッテリーに直接接続できる電圧計もあるので導入を検討されてみてはいかがでしょうか。 電圧不足によりエンジンがかからない場合の対処法は、原因を究明して必要に応じてパーツ交換することです。リレー回路や配線に問題がある場合は、専門店に修理依頼して交換してもらうようにしましょう。テスターで原因箇所がみつかっても代替パーツを要することもあるので専門家に任せる方が無難といえます。 社外パーツが原因 社外パーツが原因でエンジンがかからない場合も、多くはパーツを交換することで不具合が解消します。ただし、納車後の不要なトラブルや走行時のリスクを考えると、やはり専門店で車を購入してアフターケアをお願いした方がいいでしょう。専門店によっては車に使われている社外パーツの箇所や特性を理解しており、交換用パーツもストックしているケースがあるので万一の際も安心です。 旧車のエンジンがかからなくなる場合は買い換えるべき? 旧車のエンジンがかからなくなった場合でも、比較的簡単な処置で直るケースがあります。重要なのは「エンジンがかからなくなったのか原因を知ること」「どの程度の費用負担が必要なのかを確認すること」「再発しないように直せるのか確認すること」の3つです。 修理費用や維持費の面で買い換えを検討することもあるかと思います。しかし、旧車のエンジンがかからなくなるというのは年式を考えれば当然のことでもあり、原因や解決策を理解した上で総合的に判断するのがいいでしょう。まずは専門店に相談することをおすすめします。
雪国で使用されている車が錆びやすいのをご存知の方も多いでしょう。今回はなぜ雪国では車が錆びやすいのか、サビの除去方法や錆びさせない方法について解説します。雪国への転居を予定している方やウィンターレジャーで車を運転する方は参考にしてください。 雪国で車が錆びやすい理由 雪国で車が錆びやすい理由は、融雪剤(凍結防止剤)が道路に散布されているからです。道路で使用されている融雪剤は塩化ナトリウムや塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが主に使用されています。この融雪剤が車の金属パーツ、特に下回り部分にサビや腐食を発生させる塩害の原因といえるでしょう。 融雪剤は雪を融かすために道路に撒かれます。この融雪剤による雪解け水が道路に溜まり、走行した車のボディに塩分が付着し停滞することでサビが発生するのです。融雪剤が付着したまま放置されている車は、知らない間に下回り部分にサビが発生して広がるので対策が必須といえます。 サビは一度発生すると広がり、車の寿命を縮めます。また、塩化カルシウムは水に溶けると発熱し車の塗装面にシミを発生させる原因となるので、車の外観にダメージを負う可能性も考慮しなければなりません。中古車として売却するときの査定にも影響するので注意が必要です。 雪国特有の理由によるサビの除去方法 雪国特有の理由によるサビの除去方法は、サンドペーパーで削るかサビ取りクリームを使用します。サビが小さい場合はサビ取りクリームだけでも除去が可能です。しかし、面積が大きくなるとサンドペーパーで削り落としてサビ取りクリームを併用する必要があります。サビがきれいに取れたらタッチペンやスプレーで再塗装して傷を保護しましょう。 サビは一度発生すると広がるので早めの処置が必要です。毎回業者に施工を依頼するのはコスト的にも難しいのでDIYによるサビの除去方法となり、仕上がり的にはあまり良い方法とはいえません。しかし、放置しておくと確実に車の寿命を縮め、最悪の場合は重要なパーツに穴が開き走行時の大きなトラブルに発展する可能性もあるので必ず対策しましょう。 雪国で車を錆びさせない方法 雪国で車を錆びさせない方法は、こまめに車の下回りを中心に洗浄することです。コイン洗車場やガソリンスタンドの洗車機で「下部洗浄」のオプションを利用したり、家庭で高圧洗浄機を用いて融雪剤の塩分を洗い流すことを意識しましょう。融雪剤が含まれた雪解け水は雨や道路清掃車(散水車)が洗い流すまで残るため、春先まではこまめに洗浄することをおすすめします。 雪国に住む人が新車購入時に利用することの多い塩害ガード(アンダーコート)も有効です。防錆塗装という本格的なサビ予防サービスで、車を手放す際のリセールバリューにも影響します。DIYで車用の防錆スプレーを使うことは、車をリフトアップして下部全体に塗布漏れがないように行うという点であまり現実的ではありません。雪国に長期滞在や定住する方にはアンダーコートがおすすめといえるでしょう。 車検ごとに行うシャーシブラックの施工で十分と思う方も多いかもしれません。しかし、シャーシブラックは塗膜が薄く剝がれやすいので、塩害とは無縁の地域で小傷からのサビを抑制するレベルといえます。アンダーコートは厚い塗膜となるため防錆効果が大幅に向上します。ただし、アンダーコートも車の下回りを擦ると塗膜が剥がれるので定期的な点検や塗り直しは必要です。 また、ホイールについても融雪剤の影響を受けやすく、表面に腐食やサビが発生するだけではなくセンターハブ部分のサビに発展する可能性もあります。洗浄時にはホイールのセンターハブや同じく錆びやすいディスクブレーキ部分も念入りに洗浄しましょう。スタッドレスタイヤ用に塩害対策塗装が施されたアルミホイールを装着することもおすすめです。
キャブ車における点火タイミングとは、スパークプラグに電気火花を発生させ、混合気に火をつけるタイミングのことです。一般的にクランク角度で表します。さらに点火タイミングはエンジン回転数とスロットルバルブ開度の2つの要因によって調整されます。今回は4気筒エンジンをベースにキャブ車の点火タイミングについて解説します。 キャブ車の接点式点火タイミングとは 接点式点火装置における点火タイミングとは、配電器であるディストリビューター内で行われます。ディストリビューターは以下で構成されています。 ・イグニションコイルの一次電流を断続して二次コイルに高電圧発生させる断続部・イグニションコイルの二次電圧を点火順序に従ってスパークプラグに配電する配電部・エンジンの回転速度や付加に応じて点火時期を最適に調整する進角部・ディストリビューターを駆動させる駆動部まず点火を行う断続部です。回転する金属カム、ブレーカー・アーム(可動部)ポイント・サポート(固定部)、ブレーカー・プレートで構成されています。金属カムがブレーカー・アームのヒール部を開閉する時の回転角度と接点(コンタクト・ポイント)のすき間が重要になります。 回転角度はドエルアングルと呼ばれ、一次電流の流れている時間を左右します。この角度が適切でないと二次電圧に影響します。 ドエルアングルが小さいと高速回転時に一時電流の立ち上がりが遅くなり、二次電圧が低下します。逆にドエルアングルが大きいとポイントが閉じている時間が長くなり、一次電流が大きくなってエンジンの高速回転時の二次電圧は上がりますが、低速回転時にはポイントに火花発生して一次電流の遮断が悪くなり二次電圧が低下します。 つまりドエルアングルが小さいと高速回転域では力がなく、ドエルアングルが大きいとアイドル回転時や低速回転域で馬力不足になります。 接点(コンタクト・ポイント)のギャップが重要で、一般的に0.4mm〜0.5mmの間隙で調整します。ギャップが広いと一次電流の通電時間が短く、二次電圧が低くなり、ギャップが狭いとポイント間で火花が発生し、低回転時に一次電流の切れが悪くなって二次電圧が低下します。ドエルアングルと接点のギャップと同じようなフィーリングがでますが、原因は異なります。 キャブ車の点火タイミングに必要な作業手順 まず車の状態を調べる必要があります。 ①入庫時に点火タイミングを調べる できればドエルアングルテスターを用いてドエルアングルも調べます。点検方法ではタイミングライトを使用します。進角度がどのくらい進んでいるのか、遅れているのか確認します。メーカーの設定基準から外れている場合は調整が必要です。 ②燃料のオクタン価が正しいか確認する ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンが供給されていないか確認します。オクタン価が低い場合、正しい点火タイミングに調整してもノッキングあるいはデトネーション(異常燃焼)の原因となりエンジンの破損に繋がります。 ③ポイントのすき間を測定する ポイントは遮断と通電を繰り返していく過程で焼損し、消耗してゆくので調整前に必ず隙間を測定します。長年使用していると表面が焼損し、通電不良となります。 キャブ車の点火タイミングの調整が必要な理由 ディストリビューター内にあるブレーカー・ポイントが消耗するため、走行距離や負荷に応じて調整する必要があります。ブレーカー・ポイントが消耗する箇所は2つです。1つは電気を遮断・通電するポイントが焼損するため消耗します。 もう1つはブレーカー・ポイントを開閉するブレーカー・アームにあるヒールと呼ばれる部分です。ヒールは駆動部である金属カムと接しているため摩耗してゆき、ブレーカー・アームの開き方が小さくなります。ポイントの開く隙間が小さくなることで一次電流の立ち上がりが遅くなり二次電圧の立ち上がりが悪くなるため、緩やかにエンジンの調子が悪くなってゆきます。 キャブ車の点火タイミングの調整方法 ①ブレーカー・ポイントのギャップを調整する エンジンが停止している状態でクランクを工具で回転させ、1番気筒の点火時期に合わせます。接点(コンタクト・ポイント)のすき間を測定し、ブレーカー・アームを固定しているネジをゆるめて0.4mm〜0.5mmに隙間を調整します。 ②ディストリビューターを組み立て、タイミングを測定する エンジンを始動してタイミングライトを用いてアイドル回転の進角度がサービスデータの規定値にあるか目視します。エンジンの回転数を上げ、進角が変化するか確認します。 ブレーカー・ポイントを新品に交換した際はブレーカー・アームのヒール部が初期摩耗するので15km〜20kmほど走った後、もう一度ブレーカー・ポイントのギャップを点検する。 ③ブレーカー・ポイントのギャップが適正でも進角が合わない場合はディストリビューター本体の取り付け角度を調整する ギャップが適正かつ進角装置がきちんと働いている場合は、ディストリビューター本体を固定しているネジを緩めアイドル回転数での規定範囲に調整します。 キャブ車の点火タイミングのメンテナンスを怠るとどうなる? 前述した通り、徐々に点火タイミングは狂ってきます。ポイントの焼損とブレーカー・アームのヒール部の摩耗によりイグニションコイルの一次電流の立ち上がりが悪くなり、二次電圧の出力が低くなります。スパークプラグへの供給電圧が低くなるため、良い電気火花が飛ばなくなりプラグ先端がくすぶる原因になります。さらに放置しておくと失火という事になります。
長く乗り続けている車に飽きてしまったり経年劣化による退色が気になったりした場合は、車の色を変えてみるのも方法の1つです。色を変えることで、退色や傷、汚れのない綺麗なボディへと改善できます。また、車の雰囲気も変わるため、新鮮な気持ちで車に乗れるようになるでしょう。本記事では車の色を変える方法とそのメリット・デメリット、注意点などについて詳しく解説します。 車の色を変える方法 車の色を変える方法には、業者に依頼する方法と、DIYとして自分で塗り替える方法があります。業者に依頼する場合は、依頼先によって費用や仕上がりが異なります。それぞれ詳しく解説します。 ディーラーに依頼する 車の塗装はどこのディーラーでも引き受けてくれます。ただし自社工場ではなく、外注されるケースがほとんどでしょう。外注先は各ディーラーが連携している近隣の板金塗装業者になることが多いです。技術レベルは仕上がりにも影響するので、ディーラーに外注先の技術レベルについて、十分に確認するとよいでしょう。 板金塗装業者に依頼する 実際に塗装する業者と直接話せる点で安心できます。ただし、値段や技術レベルはピンキリのため、依頼先は慎重に選びましょう。知人に良い業者を紹介してもらったり、ネットの口コミを参考にしたりしてみてください。 DIYする 車の塗装はDIYでも行えます。スプレー缶タイプの塗料を使うのが良いでしょう。ただし、費用は低く抑えられますが手間はかかります。また、塗装を綺麗に仕上げるためには、下地処理、マスキング、重ね塗り、耐水ペーパーでの磨き作業、クリア塗料の重ね塗りなど複数の工程が必要です。粘り強く作業できる方以外は、避けた方が無難でしょう。 車の色を変える際にかかる費用の目安 車の色を変えるための費用は、車のボディサイズ、塗装の種類によって異なります。最も安価な単色ソリッド塗装の平均相場は以下が目安です。 ・軽自動車やコンパクトカー:15~20万円程度 ・ワンボックスカーや大型のSUV:25万円程度 メタリック塗装、マイカ塗装、パール塗装といった塗料になれば、値段も高くなります。複数の業者から見積もりを入手して検討しましょう。 車の色を変えるのにかかる期間の目安 車の塗装はまず、塗装しない部分のマスキングや部品の取り外し作業、塗料の密着をよくするための磨き作業、そして複数回の重ね塗りを行います。期間は概ね3週間から1ヶ月程度かかるものだと考えておきましょう。作業中に代車を貸してくれる業者もあります。事前によく確認しましょう。 車の色を変える際の注意点 車の色を変えることによって、退色による劣化やキズなども綺麗になる反面、期待通りの仕上がりにならないかもしれません。さらに査定額に影響するなどのデメリットが生じる場合もあります。 業者の技術次第で仕上がりが異なる 塗装は下地処理が丁寧にできているか?均一な厚みで重ね塗りができているか?など、業者の技術によって仕上がりに差が生じてきます。依頼する業者が十分な技術と実績を備えているのかについて事前に十分に確認しましょう。 塗装の種類によって仕上がりが異なる 自動車車用の塗料には、複数の種類があります。最も安価なソリッド塗装からきらめきがあるメタリック塗装、マイカ塗装、真珠のようなきらめきがあるパール塗装などが知られています。さらに見る角度によって色が変化するマギューラ塗装、透き通った輝きがあるキャンディ塗装、コーティング効果のあるクリア塗装などもあります。 単純に色のイメージだけでなく、光沢やきらめきなどの違いについても、サンプルなどで十分に確認しましょう。 売却時の査定に悪影響が及ぶ場合がある 色を変えた車の場合、売却時の査定額に悪影響が及ぶ場合があります。塗装は一般的に、車の製造時の品質が高く、塗り替えによる品質は製造時のレベルに及ばないことが多いからです。さらに人気のない色にしてしまうと、需要がなくて買い手がつかない場合もあります。 フルラッピングで車の色を一時的に変える方法もある ここまでは車の色を変えるために塗装する方法をお伝えしてきましたが、フルラッピングという方法もあります。車全体を、色付きのフィルムで覆ってしまう方法です。フィルムを剥がせば元の塗装色になるので、売却時の査定への影響もありません。ただし耐久年数が2~3年程度と短く、塗装よりも割高になる場合もあります。洗車機の高回転ブラシでキズついたり破れてしまったり、高圧洗浄で剥がれてしまうかもしれません。ご自身の目的にあった方法を選びましょう。
キャブ車の点火装置のメンテナンスについてお悩みの方はいませんか?メンテナンスしないとどうなるのかも気になるところでしょう。今回は点火装置の基本構造と整備について解説します。キャブ車を所有している方や学びたい方はぜひ参考にして下さい。 点火装置とは 点火装置とは、気化し燃焼室内で混ざりあったガソリンと酸素に電気火花を付ける装置のことです。今回は高圧電気点火法の中から接点式について解説します。 キャブ車の点火装置の構成 接点式点火装置の部品構成は、バッテリー、負圧式ダイヤフラム、外付き抵抗器、イグニッション・コイル、ディストリビューター、ハイテンションコード、スパークプラグです。 知っておきたい電気の流れ スパークプラグに高電圧を生み出す電気の流れについて解説します。バッテリーから流れた電気は、外付き抵抗器を通ってイグニッション・コイル一次側コイルに流れ、電磁エネルギーを貯えます。一次側コイルの先にはブレーカーポイントと呼ばれる接点があり、マイナスアースに電気が流れます。ブレーカーポイントはエンジンの動力によって働き、電流の通電および遮断を行います。 ブレーカーポイントにて電気が遮断されると一次側コイルの電気は流れ続けようとして高電圧を生み出します。約300V~500Vの起電力を発生します。二次側のコイルは流れ続けようとする300V~500Vの起電力に誘導され、約15,000~40,000Vの高電圧を発生し、ディストリビューターへ供給されます。ディストリビューターは点火時期に応じて先ほどの高電圧をハイテンションコードを介してスパークプラグに配電し、スパークプラグ先端にて電気火花となります。 キャブ車の点火装置の整備 点火装置に必要な整備を解説します。 バッテリー 十分な供給電力があるのかテスターで確かめます。 負圧式ダイヤフラム キャブレーターからの負圧回路をバキューム・テスターで調べ、ゴムチューブに亀裂がないか確認すると共にダイヤフラムが負圧によって作動するか確認します。 イグニッション・コイル 熱を発生させる部品なので取付場所に注意する。開磁路型の場合は油漏れなどがないか点検する。 ディストリビューター ディストリビューターキャップの外側や内側に電気スパークが逃げた跡がないか目視します。ハイテンションコードへ繋がるサイド・エレクトロードとセンター・コネクター・ピースの状態を確認し、摩耗があれば交換が必要です。 点火時期に応じて電気を配電するディストリビューター・ローターのローターアームも目視点検を行い、ヒビや欠けの有無、電極部の損耗状態が悪ければ交換が必要です。これらは定期的に交換するのが理想です。 ディストリビューター内にあるブレーカーポイントは消耗品です。電気接点のポイントと駆動部分のヒールは摩耗するので調整や交換が必要になります。ブレーカーポイントを交換する時は、コンデンサーも同時に交換するのが理想です。 ブレーカーポイントを固定するプレートは負圧式ダイヤフラムによって回転するので、動きが良いか確認し、またブレーカーポイントのアースが断線していないか確認します。 ハイテンション・コード イグニッションコイルからディストリビューターに接続しているセンターコードとディストリビューターからスパークプラグに接続しているハイテンションコードの抵抗値を測定します。規定の抵抗値であれば良好と判断し、無限大であれば断線しているので交換が必要です。 スパークプラグ 取り外しを行い、絶縁碍子上に線上に高電圧が逃げた跡やヒビ、欠けなどがないか点検します。スパークプラグ先端には中心電極と接地電極があり、その間隙(ギャップ)が規定値にあるかギャップ・ゲージなどで測定します。 摩耗している場合は交換が必要です。また接地電極にプラチナやイリジウムを使用しているスパークプラグは金属ブラシなどで清掃してしまうと削れてしまうので行いません。 キャブ車の点火装置のメンテナンスを怠るとどうなるの? 接点式点火装置の点検は5,000km~10,000kmで行う必要があります。特にディストリビューター内にあるブレーカーポイントの隙間の調整とヒール部の給油です。ブレーカーポイントはベークライトと呼ばれる樹脂性のヒール部分が金属カムに接触するため摩耗します。 そのためブレーカーポイントの開き方が少なくなります。開き方が少なくなるとイグニッション・コイルにて十分な起電力が得られなくなり失火の原因となります。不具合の症状としては点火タイミングが遅れてくる、馬力が落ちるなどの症状がでてきます。 さらにブレーカーポイントの接点が長く電流を流すことになり、イグニッションコイルが熱を持つようになり内部に充填されている絶縁油が漏れだす恐れがあります。
クルマには交換が必要なパーツがあります。走行によって摩耗したり、樹脂やゴム製のパーツは、熱や紫外線を受けて劣化します。しかし、パーツの供給は生産終了からおよそ10年といわれているため、いずれ新品の入手ができなくなります。 特に“旧車”と呼ばれている古いクルマだと、パーツを入手するのがより難しいといわれています。 そこでこの記事では、旧車のパーツが入手困難な理由とパーツの入手方法について詳しく紹介します。 旧車のパーツが入手困難な理由 1台のクルマには、約3万個のパーツが使われているといわれています。中には他の車種との共用品もあれば、逆に外観が同じ車でも、製造年月日で変更されているパーツもあります。これら全てのパーツを、自動車メーカーや自動車パーツ製造会社が、いつまでも保有し続けることはできません。また、日本には自動車メーカーに保管期間を定める法律はなく、自動車会社ごとに判断されています。 一般的に、クルマの生産終了から10年程度であれば、ほとんどのパーツの入手が可能といわれています。逆に生産終了から10年以上経過すると、自動車メーカーからパーツを入手できなくなることもあります。 “旧車”という言葉に明確な定義はないものの、生産終了から10年以上が経過している車種を指すことが多いです。パーツの生産年数を踏まえて考えると、ほとんどの旧車の新品パーツはすでに入手できない状況にあります。一方で、発売から何十年も経過した旧車だと、さまざまな箇所に故障がみられ、パーツの交換に迫られる場合が少なくありません。そのため、旧車オーナーにとって、パーツの入手方法は維持するための大きな課題の1つだといえます。 旧車パーツの入手方法 自動車メーカーの在庫が無くても、旧車のパーツを入手する方法があります。 ここからは、旧車のパーツを入手する方法とその特徴を紹介します。 ①ネットオークションで競り落とす まずは手っ取り早く、ネットオークションで探してみましょう。オークションは、入札によって価格が競り上がるため、希少価値の高いパーツや人気の高いアフターパーツなどは高額になりがちです。逆に需要が小さければ、格安で入手できる場合もあります。 ネットオークションは、欲しいパーツが出品されているとは限りませんので、定期的にチェックするとよいでしょう。 ②フリマアプリで購入する フリマアプリは、入札によって価格が競り上がる部分を除けば、基本的にネットオークションと同じです。そのため、常に欲しいパーツが見つかる訳ではありません。しかし、フリマ市場は拡大傾向にあるため、パーツ入手の最も有効な手段になるかもしれません。 ③SNSで売り手を探す SNSを活用して欲しいパーツの売り手を探すこともできるでしょう。あなたの情報が売り手に伝わりやすくなるよう、#(ハッシュタグ)に車種、メーカー名や部品名を付けましょう。直接売り手に届かなくとも、同じ車の愛好家があなたの情報を拡散してくれるかもしれません。 ④部品取り車を購入してパーツを取る 部品取りができるクルマを、丸ごと購入する方法です。車種やクルマの状態によっては高額になることもありますが、走行できない状態で長く放置されていたり、下位グレードで価値が低かったりするクルマであれば、比較的安価に入手できることがあります。ただし、購入したクルマの保管場所を確保する必要があるため、他の方法よりもハードルは高いといえるでしょう。 ⑤流用可能なパーツを購入する 車種が違っていても共通して使われているパーツもあります。エンジンやトランスミッションなどは形式が同じであれば、違う車種であっても流用が可能です。旧車パーツを探す際には同一車種に限定せず、共通して使われていそうな車種についても調べてみましょう。 ⑥アフターパーツを使う 純正部品が手に入らなくなってしまってもアフターパーツなら手に入るというケースは多々あります。具体的には、サスペンション、マフラー、フロントフェンダー、カーボンボンネット、シート、ステアリングなどです。旧車をカスタイズするユーザーも多いため、有効な手段といえるでしょう。 【最新アフターパーツ情報】純正形状の外板パーツもある 一部の旧車の純正形状の外板パーツを販売しているアフターパーツメーカーもあります。一般的なアフターパーツと異なり限りなく純正に近い形状のため、旧車オーナーにとっては大変心強い存在でしょう。形状だけではなく、素材も純正と同じスチールを使用していることが多いようです。 ⑧メーカーの復刻パーツを使う 現在、トヨタ、日産、ホンダ、マツダから一部の旧車の復刻パーツが発売されています。車種は限られますが、各メーカーで復刻パーツ生産を今後も推進していくことが予想されます。生産終了した純正パーツを入手できる絶好の機会のため、自分の探しているパーツが対象に含まれているかどうかをこまめにチェックするとよいでしょう。 各メーカーの復刻パーツ情報は下記サイトで確認できます。 トヨタ/GR HERITAGE PARTS日産/NISMO Heritage Partsホンダ/BEATparts ※ビートのみマツダ/CLASSIC MAZDA ※NAロードスター、FC/FD RX-7のみ まとめ 旧車のパーツが入手困難な理由とパーツの入手方法について紹介しました。 旧車のなかでも、発売から半世紀近くが経過する1970〜1980年代の古いクルマは、さまざまな箇所に錆や腐食が発生するため、維持し続けるにはパーツ交換が必須です。 ネットオークションやフリマアプリで手軽に取引できるようになったり、自動車メーカーの復刻パーツがはじまったりするなど、旧車のパーツを入手する方法がどんどん増えています。さまざまな方法を駆使すれば、より長く旧車に乗り続けることができるでしょう。
■平穏無事とはまったく無縁な筆者のカーライフ 運転免許が取得可能な年齢になる10年以上前からスバル360に惚れ込んできた筆者。 免許取得後は周囲の制止にも聞く耳を持たず(笑)、スバル360とセリカリフトバックのオーナーになって早20年。 これまで、問題に直面してばかりというのが正直なところでしょうか。 ■早20年。経年劣化の残酷さを知る 世間では「クラシックカー」や「旧車」と呼ばれているクルマを買う以上、新車や高年式の中古車を買うのとはワケが違うということは覚悟の上でした。 部品を探したり、時には自分で手を入れることもありました。 トラブルは楽しむくらいのつもりで乗る、苦労は情熱でカバーすればいい・・・今思えば、若かったからこそできたのかもしれません。 しかし、経年劣化に慈悲はないとでもいえばいいのでしょうか。 いくら定期的な消耗品交換やオーバーホールを繰り返していても、「経年劣化」は、まるでこちらの整備スケジュールの裏をかくかのように出現するのです。 入念に整備しても「まったく想定していなかった箇所が突然壊れる」ということは日常茶飯事です。 新車から20年も30年、さらに40年、50年も経てばいくらレストアしても、新車当時からまったく手を付けていない場所があれば、いつどこが壊れるかまったく予想がつきません。 そして、あたふたしているうちに、昔オーバーホールした箇所がまた 耐用年数を迎える。 結果、この繰り返しになるのです。 ■エンジンオーバーホールは定期的? 筆者の愛車である1973年式セリカリフトバックは、現在、通算3度目のエンジンオーバーホールで入庫中です。 最初のオーバーホールは購入してから2年後のこと。 「ノンレストア・未再生」という触れ込みで購入を決めました。 しかし、 筆者が現車確認をしにいった時点ですでに、バルブからオイル下がりが発生していたようです。 さらに、ピストン・シリンダーも圧縮が抜けが発生し(エンジン分解時にバルブが割れ、3番のピストンリングが折れていたことが判明)排気ガスには白煙が混じっていました。 購入当初から、お世話になっている整備工場の社長から「ブローバイガスの圧が高すぎる。今すぐにでもオーバーホールしないとダメなくらいだ」という指摘を受けていました。 そして、購入から2年後、ついにヘッドガスケットが吹き抜け、重篤なオーバーヒートが頻発。 ついに1度目のエンジンオーバーホールとなったのです。 そしてなんと、2度目のオーバーホールはそれからわずか3年後のことでした。 最初のオーバーホールで使用した社外品のハイコンプピストンの形状に問題があったようで(但し、ボアアップを目的としない純正オーバーサイズと同程度のサイズ)、ピストンにクラックが入り(この時も3番のピストン)わずか3年、5万kmにも満たない走行距離でエンジンブローしたのです。 鋳造関係に詳しい知人に割れたピストンを見せたところ「リブの入れ方が間違っている。応力のかかるところが強度不足、いくらなんでも設計がひどすぎる」と指摘を受けました。 このとき、詳細は不明でしたが、かなり古いパーツだったことが判明。 おそらく、チューニングパーツメーカーもまだまだ手探りで、試行錯誤の時代だったのかもしれません。 実は、タイミングよく同年式同グレードの18R-G型エンジンの状態の良い(シリンダー摩耗なし)部品取りが整備工場に余っていたので、ピストンリングだけ交換しました。 部品取りのピストンシリンダーにもとから載っていたシリンダーヘッドと、補器類を組み合わせるという「ニコイチ」で組み上げることにしました。 前回の反省を踏まえ、極力「純正部品」を使用し、メーカー指定値準拠の信頼性を優先しました。 このとき「基本的に、純正のノーマル仕様でエンジンを組めば、最低限のメンテナンスで長く乗れる」と期待したのですが、さすがに2回目のオーバーホールから14年。 走行距離にして15万km以上となると、いくらノーマル準拠で、サーキット走行やスポーツ走行はしないといっても、そろそろ限界のようでした。 そこで2022年3月、クーラントの異常減少とオーバーヒートの頻発という最初のオーバーホールと同じ症状により、通算3回目のオーバーホールとなりました。 エンジンをおろし、ピストンを確認すると、やはり3番4番のシリンダー部分のヘッドガスケットが抜け、異常燃焼を起こしていることを確認。 どうやら、ラジエターから離れている4番と熱の逃げ場のない3番のシリンダーは熱による負荷が大きいことが分かってきました。 ■年々高騰するオーバーホール費用 オーバーホールの度に頭を抱えるのが、いうまでもなく一連の作業にかかる費用です。 詳細な金額は伏せますが、同じような症状でも回を重ねるたびに、おおむね10万~20万円くらいずつ増えていく印象です。 今回のオーバーホールでは、1回目のときと比較して倍近い金額にまで膨れ上がりました。 高額になった原因は、原材料費の高騰による部品の値上げが挙げられます。 また、年々稀少になりつつある部品のプレミア価格もその要因のひとつです。 さらに無視できないのが、前回のオーバーホールでは問題がなかったり、摩耗が規定値内だった箇所について。 (当然ながら)2回目、3回目のオーバーホールのタイミングでついに寿命を迎える部品があるのです。 例えば、当初シリンダーヘッドはバルブとバルブステムの交換とタペット調整と修正の研磨で済んでいたのが、回を重ねるごとに、バルブシートの打ち換えやクラックが発生するようになります。 その結果、アルゴン溶接をおこない、修正漏れがないか水圧検査するといった作業が増えていきます。 エンジン本体でも、ポンプ類や電装部品、点火系および燃料系の補器類で、前回は許容範囲内で「続投」と判断された部品も例外ではありません。 次のオーバーホール、その次のタイミングで寿命と判断され、回を重ねれば修理・交換する箇所が増えていきます。 さらに、新車から50年〜60年を経過することで、気候も使用環境も大きく変化し、日常使用の範囲内でも設計当時の想定をはるかに上回る高負荷がかかっているケースもあります。 そのため、シリンダーブロックやシリンダーヘッドが大きくゆがみ、最悪の場合、前述のアルゴン溶接によるクラック修理、あるいは状態のいいシリンダーブロックやシリンダーヘッドに交換する必要が出てきます。 その結果、オーバーホール代が高額となっていくのです。 ■ただし、部品は手に入りやすくなっている しかし、悪い話ばかりではありません。 最近は一部の国産車メーカーがヘリテイジ部門を立ち上げ、すでに絶版となった部品の再生産の告知が話題となっています。 中には、「ダメモト」でメーカーの部品販売部門に問い合わせたら、純正部品がそろったという話も聞きます。 レストアの文化が成熟した国では、以前から復刻部品や社外品のアフターマーケットパーツが流通しています。 近年は日本のクラシックカー人気に呼応して、国内の国産クラシックカーの専門店に海外からも部品のリプロダクトのオファーがあると聞きます。 そういう意味では、10年前と比べて部品の供給状態は改善の方向に向かっているといえるでしょう。 筆者のセリカも、以前は、ガスケット一つの入手だけでも何か月も待たされることは当たり前でした。 今回のオーバーホールも、部品をそろえるだけで数か月から半年はかかるだろうと思っていました。 ところが、実際には「クランクシャフトやシリンダーブロックといった大物」を除けば、オーバーホールに必要な補修部品程度なら、大体復刻部品がそろうのです。 しかもネット注文すれば、早いものなら翌日に届くと聞き、拍子抜けでした。 以前は、2.2L仕様のボアアップピストンしかなかったものが、今では純正オーバーサイズ準拠のノーマル圧縮の鍛造ピストンが某有名チューニングパーツメーカーのラインナップに存在するなど、新品の部品が充実しています。 以前は、部品の値段が売主と交渉が成立するまでわからず、ある程度作業が進まなければ概算金額がわからず苦労したものです。 今はエンジンを分解し、どの部品の交換が必要なのかわかれば「定価」が各リプロ部品販売サイトに表示されています。 そのお陰で、かなり早い段階から正確な概算金額が把握できるようになりました。 ■状況は厳しくなる一方だが、悪い話ばかりでもない ガソリン自動車の先行きの不安や、旧型車の市場価格の暴騰、人気車種の盗難の横行など、目をそむけたくなる話題も多い感じることもあります。 しかし、市場価格の高騰や盗難が横行するというのは、それだけ人気があり、需要も多いということでもあります。 それはつまり、弊害はありつつも、人気があって、大金を払ってでも購入する人がいるということです。 見方を変えれば、ある程度手間や金額をかけてでも十分見合った価値があるともみなされることを意味します。 レストアやオーバーホールを敢行するオーナーが増えれば、部品の需要が増えて再販部品、アフターマーケットのリプロ部品の商品化が期待できるということもでもあります。 さらには複数回のレストア作業を受ける個体が増えることで「症例」が蓄積され、レストアのノウハウの共有も進んでいくでしょう。 最近、自動車メディアがクラシックカーの情報を取り上げる機会が増えてきた印象を持ちます。 クラシックカーを手にすること自体のハードルは高くなりましたが、情熱のある人、多少の出費や手間に躊躇しない人にはむしろいい時代になっているのかもしれません。 [ライター・撮影/鈴木修一郎]