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● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
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遺産相続をする場合には、被相続人(故人)に債務があるなどを理由に、相続を放棄する場合があります。その際には、一般動産として相続の対象となる自動車はどうなるのでしょうか。自動車の名義が被相続人(故人)本人であるか、そうでないかで手続きが変わってきます。相続を放棄した場合の処分方法、手続きについてケース別に解説します。 相続放棄した人は故人のクルマを処分できない 相続放棄をした人が故人のクルマを処分することは原則できません。相続放棄は故人の財産を一切相続しない手続きです。クルマを処分できるのは所有者のみのため、相続しなければ処分はできません。 もし、相続放棄をした人が勝手にクルマを処分すると「単純承認」とみなされる可能性があります。単純承認になると相続放棄が無効になり、故人の借金なども含めて全ての財産を相続しなければなりません。 ただし、下記の場合は例外的に処分が可能です。 ・ローン残債があり所有権がディーラー・資産価値がないクルマ クルマの所有権は、車検証の「所有者の氏名又は名称」に記載されています。また、資産価値がないクルマは、一般的に新車登録から5年以上経過した車輌が該当します。ただし、資産価値は個別に異なるため、査定による確認が必要です。 なお、相続人全員が相続放棄した場合は、誰もクルマを処分できません。相続放棄を検討する際は、下記の点にも注意が必要です。 ・軽自動車やバイクなど他の資産も相続放棄することになる・自動車税は自己負担となる可能性がある・相続放棄した故人のクルマに乗ると単純承認とみなされる可能性がある・保険を解約した場合でも単純承認とみなされる可能性がある 相続放棄するかどうかの判断に迷う場合は、弁護士に相談しましょう。 相続放棄したクルマの処分方法 さまざまな理由で、遺産を相続放棄する場合がありますが、その際に被相続人(故人)の自動車をどう処分するべきかを紹介します。 車輌名義が被相続人ではない場合 相続対象となる名義がまだローン支払い中などで、銀行やクレジット会社など被相続人(故人)ではなく、第三者の名義となっている場合があります。その場合、被相続人(故人)は使用者であり、使用している自動車の所有権は、自動車の車検証の「所有者」欄に記載のある会社または個人の所有物となります。その際には速やかに車検証上の所有者に連絡して、車両を引き渡すことで自動車の処分を行いましょう。 相続放棄していない相続人が1人いる場合 被相続人(故人)の相続について、相続放棄をしていない相続人が1人いる場合、被相続人(故人)の一般動産として自動車を相続しているので、「必要に応じて処分する」、または「名義変更をして相続人自身が乗り続ける」など、自由に扱うことが可能です。 相続放棄していない相続人が2人以上いる場合 相続放棄していない相続人が2人以上いる場合には、相続する遺産をどのように相続人に配分するかの協議(遺産分割協議)を行います。その協議の結果、自動車を自身が相続することになった場合は、先述した相続人が1人いる場合と同様に、自由に自動車の扱いを決めて処分できます。ただし、自身が相続放棄する場合には、自動車を相続する他の相続人に、すみやかに自動車を引き渡す必要があります。 相続人全員が相続放棄している場合 相続人全員が相続放棄すると、故人のクルマを処分できる人がいなくなります。その場合、家庭裁判所に相続財産清算人(旧相続財産管理人)の選任申立が必要です。 相続財産清算人は、主に下記の役割を担います。 ・相続人の調査・財産の管理と清算・債務の返済手続き・残余財産の国庫納付 選任されるのは主に弁護士や司法書士です。法律の専門家が選ばれる理由は、相続財産の処理には法的な知識が必要なためです。 ただし、相続財産清算人の選任には数十万円から100万円前後の予納金が必要です。予納金は申立人が一時的に負担するため、実際の申立は少ないのが現状です。相続放棄を検討する際は、予納金を誰が負担するのかについても相続人同士で話し合う必要があります。 クルマを相続放棄する際の注意点 相続放棄は故人の財産を一切相続しない手続きです。クルマを相続放棄する際に注意すべき3つのポイントについて詳しく説明します。 勝手に売ると相続放棄ができなくなる クルマは相続財産の一部です。相続放棄をした人が故人のクルマを勝手に売却すると、法律上「単純承認」とみなされる可能性があります。 単純承認になると、相続放棄が無効になります。その理由は、故人の全ての財産を相続する意思を示したと判断されるためです。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も相続しなければならなくなります。 また、クルマを売却できるのは所有者のみのため、相続放棄した人には処分する権利がありません。安易にクルマを売却せず、専門家に相談のうえで適切に手続きすることが重要です。 駐車料金や税金は自分で支払う必要がある 相続を放棄しても、故人のクルマに関する駐車料金や税金は原則として自分で支払う必要があります。財産を相続する権利を放棄しても、管理責任は残るためです。 特に自動車税は、毎年4月の納付が義務付けられています。所有者が亡くなった場合も、相続放棄の手続きが完了するまでは、相続人に納税義務が発生します。 支払いに関する注意点は下記のとおりです。 ・相続財産から支払うと単純承認に・放置は管理責任違反になる・納税義務は手続き完了まで続く クルマを放置して価値が下がると、他の相続人や債権者から損害賠償を請求される可能性もあります。相続放棄の手続きは速やかに済ませることが大切です。 対応策として、クルマに資産価値がある場合は売却を検討してください。売却代金を駐車料金や税金にあてることで、負担を軽減できる可能性があります。 適切に保管する必要がある 相続を放棄しても、故人のクルマは適切に保管する必要があります。相続放棄後の不適切な管理は、単純承認とみなされる可能性があるためです。 たとえば、クルマを放置して状態が悪化したり、勝手に改造したりすると、相続する意思があると判断される恐れがあります。また、盗難や損傷が発生した場合、他の相続人や債権者から損害賠償を請求される可能性もあります。 クルマの適切な保管方法の選択肢は、以下のとおりです。 ・資産価値があれば売却を検討する・資産価値がない場合は、廃車も選択肢に入れる 売却や廃車までの間は、安全な場所で保管しましょう。なお、駐車場を借りる場合の費用は自己負担となります。
警察庁によると、65歳の高齢者が第一当事者の交通事故は、2020年中に4,246件でした。交通事故発生件数は25,642件であることから、16.6%が高齢者が起こした事故ということです※。高齢者は、身体機能の低下により運転操作のミスをしやすくなり、事故を起こしやすくなります。そのため、事故を起こす前に免許の返納を考えるケースも多いのではないでしょうか。そこで、この記事では高齢者の免許返納の状況、免許を返納するメリットやデメリットなどを解説します。 ※出典元:警察庁『防ごう!高齢者の交通事故!』 免許返納制度とは 運転免許返納制度とは、有効期限が残っている運転免許を本人の意思で返納できる制度です。免許返納に年齢の制限はなく、運転免許証の必要がなくなったという理由で、早期に自主的に免許を返納する場合もあります。ただし、運転免許の停止や取消し処分中の方、停止・取消処分の基準に該当する場合は、自主返納することができません。 高齢者の免許返納の状況 警察庁「運転免許統計 令和2年版」によると、令和2年の高齢者(65歳以上)の免許返納件数は55万2,381件でした。免許返納の件数は、年々増え続け、直近3年以内(平成30年~令和2年)では、年間40万件以上の免許が返納されています。 免許返納の件数は、平成24年に増加し、令和元年にも増えました。平成24年には、運転経歴証明書が本人確認書類として使用できるようになったことが、免許返納件数増加の理由と言えます。また、令和元年には、免許失効者に対しても運転経歴証明書の発行が可能になったことから、免許返納数が増えたと言えるでしょう。 出典元:警察庁『運転免許統計 令和2年版』 高齢者が免許返納しない理由 高齢者の免許返納件数は年々増えているものの、免許を返納しない方がいるのも事実です。免許を返納しない、または、返納できない主な理由は、車が不可欠だということが挙げられます。ここからは、免許を返納しない理由を詳しく解説します。 交通の便が悪い 平成27年警察庁委託事業の報告書によると、免許の自主返納をしない理由の第1位が「車がないと生活が不便なこと」となっています。車がないと買い物や通勤などの日常生活が不便になることから、免許の自主返納をしない高齢者がいると言えるでしょう。 車に乗ることを趣味にしている 高齢者が免許を返納しない理由に「車を運転する楽しみが失われること」と回答した方もいます。ドライブや車で出かけることが趣味の場合、免許は必要不可欠な資格となります。免許返納をすると趣味がなくなってしまうことから、免許の返納をしないという選択をする方がいるようです。 高齢者が免許返納するメリット 高齢者が免許を返納することにメリットはあるのでしょうか。ここからは、高齢者が免許の自主返納したときのメリットについて詳しく解説します。 車の事故のリスクがなくなる 高齢者が免許を自主返納すると、事故を起こすリスクを減らすことができます。交通事故の場合、第一当事者になると車の修理代や損害賠償といった金銭的な出費を強いられることがほとんどです。また、事故によっては、罪に問われる可能性もあります。余生を楽しむためにも免許の返納をして、事故のリスクを減らすことを検討しましょう。 特典を受けられる 65歳以上の高齢ドライバーが運転免許を自主返納すると、各自治体からサポートを受けられるケースがほとんどです。ただし、特典を受けるためには、運転経歴証明書の提示が必要な場合が多いため、免許返納と同時に運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。 運動習慣がつく可能性がある 運転免許を返納すると運動習慣がつきやすくなります。家からバス停まで歩いたり、最寄り駅まで自転車で移動したりすると、適度な運動をすることになります。免許を返納することで、生活に運動が取り入れられるため、体力の低下を遅らせられる可能性があります。 高齢者が免許返納するデメリット 高齢者が免許を自主返納するデメリットは、移動が不便になることです。また、運転する楽しみが失われるのもデメリットと言えるでしょう。ここからは、高齢者が免許返納するデメリットについて解説します。 移動に家族の手を借りることになる可能性がある 免許を返納してしまうと、自分で運転ができなくなるため、家族の手を借りたり、公共交通機関に頼ったりしなければなりません。家族と同居または近所に住んでいれば車を出してもらうことができますが、遠方に住んでいる場合は家族の手を借りることが難しいでしょう。 楽しみが失われる場合がある 運転が趣味の場合、免許を返納すると楽しみが失われてしまうことになります。また運転は、認知・判断・操作の繰り返しであり、頭脳と身体を使う行為です。免許を返納して運転をしなくなると、楽しみがなくなってしまうだけでなく、認知や判断をする機会が減り、認知機能の低下が進み、認知症になる可能性もあると言えるでしょう。 免許返納をして所定の手続きをすると運転経歴証明書を受け取れる 免許返納後、必要書類や手数料などを用意して、免許センターまたは警察署で申請すると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、身分証明書として利用できるほか、各自治体の特典を受けることもできます。免許の返納をするときは、運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。
ハイパワーエンジンと卓越した4WD性能を有し、伝説的存在となっている三菱のスポーツセダン、ランサーエボリューション。WRCや多くのモータースポーツで好成績を残したこともあり、今でもその熱は冷めやらず、多くのユーザーに愛され続けています。 今回はそんなランサーエボリューション「VII」から「IX」の第3世代を、よくある故障個所なども含めて解説していきましょう。 第3世代ランサーエボリューションとは? ランサーエボリューションは大きく4つの世代に分けられ「Ⅰ」から「III」が第1世代。「IV」から「VI」が第2世代で「VII」から「IX」が第3世代です。 そして最後の第4世代が「X」となっていますが、今回はシリーズ中でも性能が煮詰められた第3世代「CT9A」型について解説します。 新たなプラットフォームと新開発のACDを備えたランエボVII 2000年5月に登場したランサーエボリューションVIIは、ベース車をそれまでの「ランサー」から「ランサーセディア」に変更したことによりボディサイズが拡大しました。 エンジンは、初代から続く2リッター直列4気筒ターボの4G63型を搭載。大型インタークーラーの採用やターボの改良などを行い、最大トルクは39.0kg.mまでアップしています。 そしてVIIの目玉ともいえる、電子制御可変多板クラッチ機構「ACD」は、電子制御によって前後タイヤのトルク配分を行い、ハンドリング、トラクションともに大きく向上しました。 スーパーAYCでコーナリング性を高めたランエボVIII ランサーエボリューションVIIIは2003年1月に登場し、シリーズ初の6速MTを採用しています。 ターボはさらなる調整を施し、最大トルクは40.0kg.mに増加。さらにIVから採用のヨー・コントロールシステム「AYC」を発展させた「スーパーAYC」の搭載し、タイヤ左右間の限界駆動力を倍増させ旋回能力を向上させています。 MIVECでさらに加速が強化されたランエボIX 2005年3月に登場し、第3世代の集大成となるランサーエボリューションIX。フロントバンパーにダクトを新設したことで見た目はよりスポーティーになり、冷却効率も向上しました。 そして、エンジンに可変バルブタイミング機構「MIVEC」の採用。中低速のパワーを無駄なく使えるようになり、最大トルクも41.5kgmまで上がっています。 第3世代ランエボに乗るうえで知っておきたい故障個所 ランサーエボリューションはそのレーシーなキャラクターゆえ、サーキットの高負荷走行が多く、そのぶん故障の事例も多く出ています。 ここでは、第3世代通して故障しやすい箇所についてご紹介しましょう。 ACDポンプ VIIから採用されたACDを制御する「ACDポンプ」はスポーツ走行の繰り返しで故障するケースが多く、異常時は走行こそできますが、油圧による駆動制御が効かなくなってしまいます。 ACDポンプは部品代と交換工賃を合わせると20万円ほどの費用にもなるので、サーキットを走行する機会がある方は、故障に注意する必要があるでしょう。 O2センサー エンジンの吸入空気濃度を検知するO2センサーは、タービンのアウトレット部に設置されており、その熱やススが原因で故障することが多く見られます。 故障した場合は最適な燃料噴射量が狂い、加速不良やアイドリングの不調を起こします。センサー本体は純正だと3万円ほどですが、費用を抑えたい場合は約7000円前後で販売されているOEM品を使用するのがおすすめです。 カム角センサー カムシャフトの動きを検知するカム角センサーは、エキゾーストマニホールド付近に設置されているため、O2センサーのように熱にやられてしまうことが多くあります。 部品代は5000円ほどと比較的安価ですが、故障の際はエンジンが始動しなくなる恐れがあるので早急な修理が必要です。 車体のサビ 雪道を走行する場合はサビにも気を付けなければなりません。雪道に散布される融雪剤には「塩化カルシウム」が含まれており、車体のフレームやマフラーを腐食させる恐れがあります。 フルタイム4WDのランサーエボリューションは降雪地帯で使われることも多く、サビの被害も多数出ているので、下回りをこまめに洗い付着した融雪剤をできる限り落とすようにしましょう。 第3世代ランサーエボリューションの中古車市場 ランサーエボリューションのなかでも第3世代は特に人気が高く、中古車価格の高騰が続いています。 記事執筆時の2021年12月時点で、大手中古車サイトに掲載されている第3世代の中でも、いちばん高額だったのが平成18年式1.8万km走行のGSR IX MRで、車体価格は800万円。走行距離が少ないとは言え、15年以上前の中古車と考えれば、どれだけ高額で取引されているのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。 一方、旧車王での買取価格はVIIが~250万円、VIIIが~300万円、IXが~350万円と高額。さらに、走行性能を高めたモデルのVIII MRは~380万円、IX MRは~500万円となっており、世界中で人気の高いランサーエボリューションならではのプライスといえるでしょう。 まとめ VIIからIXまでの第3世代ランサーエボリューションは、すでに頭打ちと思われていた第2世代からさらに進化を遂げ、多くのファンと業界関係者を驚かせました。 ユーザーによっては、その後に登場した第4世代のXよりも、車重の軽い第3世代を高く評価する場合もあり、根強い人気を保ち続けています。 しかし、その高い走行性能とは裏腹に、経年劣化による故障も決して珍しくないため、購入の際は、それまでどのように使われてきた、きちんとメンテナンスされてきたかなども確認するようにしましょう。 [ライター/増田真吾]
免許の自主返納とは、運転免許が不要になった方、身体機能の低下や運転に不安を感じるようになった高齢のドライバーが、自主的に運転免許証を返納する制度です。免許の自主返納と聞くと、全ての免許を返納したり、身分証明書がなくなったりしてしまうと心配する方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、免許返納制度の詳細、手続きの方法、身分証明書となる運転経歴証明書などについて解説します。 自主返納制度とは 免許の自主返納制度とは、全ての免許または一部を取消しできる制度のことです。 運転免許が不要になった場合や加齢に伴う身体機能の低下などにより、運転に不安を感じるようになったドライバーは、自主的に運転免許証を返納することができます。 免許返納の年齢には制限がなく、何歳でも返納することが可能です。ただし、免許の自主返納をして運転経歴証明書を交付したことによる特典を受けられるのは、65歳以上からとなります。 また、「普通自動車の運転は卒業して、原動機付自転車を運転したい」「普通自動二輪免許を持っているものの、原動機付自転車しか運転しない」などの場合は、運転免許の一部取り消し申請することができます。運転免許の一部取り消しにより、必要な種類の免許のみを保有(取得申請)することが可能です。 ただし、運転免許の停止や取消しなど行政処分中の方、免許停止または免許取消処分の基準に該当する方は、自主返納することができません。 自主返納件数 運転免許証の自主返納の件数は、年々増加傾向にあります。令和2年の統計によると、東京都の1年間の運転免許自主返納数は62,626件です。東京都で運転免許証の自主返納をした65歳以上は58,845件、75歳以上は22,392件、80歳以上は11,646件となっています。 免許返納の件数が増加している傾向の背景には、高齢(65歳以上)ドライバーが第一当事者となる事故が増加傾向にあることが挙げられます。 出典元:警察庁「自主返納件数の都道府県別・月別の推移(令和2年)」 運転免許証の自主返納制度は、運転に不安がある方や視力、体力、記憶力、判断力など身体能力が低下した方による事故を減らす目的で平成10年に導入されました。制度導入当初は自主返納をする件数が少なかったものの、運転経歴証明書の導入や65歳以上の高齢者ドライバーの運転免許証自主返納後の支援が充実したことで、自主返納件数は増加しました。直近4年間(平成29年~令和2年)では、年間40万人以上の高齢者が運転免許証の自主返納をしています。 免許返納のよくある理由 運転免許証の自主返納をする主な理由は、運転に自信がなくなった、家族などに返納を勧められた、運転する必要がなくなったなどです。しかし、車がない生活が不便だと感じている方も多く、自主返納をためらうケースもあるようです。 高齢者(65歳以上)の場合は、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書の交付を受けると、公共交通機関(バス・タクシーなど)の割引を受けることができます。そのため、自治体や協賛企業のサポートを上手く利用すれば車がなくても不便ではないと言えるでしょう。ただし、運転経歴証明書の提示による公共交通機関の割引や支援などのサポート内容は各自治体により異なります。運転経歴証明書を提示することにより受けられる特典は、各都道府県のページでご確認ください。 免許返納の手続き場所 運転免許証自主返納の手続きは、運転免許センターまたは管轄の警察署で行います。免許の返納を考えているときは、運転免許センターや管轄の警察署に問い合わせて、手続き場所を確認してください。 一般的には、運転免許センターまたは管轄の警察署に運転免許証を持参して手続きします。運転免許証の返納だけであれば、免許証のみで手続きすることが可能です。ただし、免許返納と運転経歴証明書の発行を同時にする場合は、写真や手数料が必要となります。また、代理人が免許返納をする場合は、委任状や代理人の本人確認書類などが必要です。 免許返納に必要なもの 免許返納に必要なものは、運転経歴証明書の有無や代理人による申請など、返納の方法によって異なります。それぞれのケースに応じた免許返納に必要なものは次のとおりです。 【有効期限内の運転免許証を返納する場合】・運転免許証※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【有効期限内の運転免許証の返納と運転経歴証明書の発行を同時に受ける場合】・運転免許証・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【5年以内に自主返納をしていて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・運転免許の取消通知書・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【運転免許証を5年以内に失効していて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・失効している運転免許証・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) ※ここで紹介した持参物は、いずれも警視庁が公表している内容です。免許返納に必要なものや手数料の詳細は、管轄の警察署や運転免許センターで確認してください。 自主返納後の支援 運転免許証の自主返納をした後は、身分証明書となる運転経歴証明書の交付や各自治体による支援などを受けることができます。ここからは、自主返納後に受けられる支援について紹介します。 運転経歴証明書の交付 運転免許証の自主返納をすると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な身分証明書として使用することが可能です。 ただし、運転経歴証明書は、自主返納後5年以内または失効後5年以内でなければ交付できません。また、免許取消になった場合は運転経歴証明書の交付を受けられません。 運転免許証の返納をしたときには、身分証明書として使用できる公的書類の運転経歴証明書の交付を受けておくとよいでしょう。 市町村による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者は、公共交通機関(バス・タクシー)で運転経歴証明書を提示すると、運賃の割引を受けられることがあります。詳しくは、各自治体が公表している特典案内をご覧管さい。 協賛事業所による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者を対象とした支援には、協賛企業によるものもあります。協賛企業の店舗などで運転経歴証明書を提示すると、料金の割引やサービスを受けられます。協賛企業の詳細については、特典案内をご覧ください。 よくある質問 運転免許証の自主返納について、よくある質問をまとめました。 Q.自主返納制度とは? 自主返納制度とは、運転免許証を自ら返納できる制度です。運転免許が必要ない方、運転に自信がなくなった方、身体機能の低下により運転に不安を感じるようになった方など、年齢問わず返納することができます。 65歳以上の高齢ドライバーは、運転免許証の自主返納をして、運転経歴証明書の交付を受けると公共交通機関の運賃割引や協賛企業でサービスを受けることができます。 Q.自主返納している人はどのぐらいいる? 運転免許証の自主返納をしている人は、1年間で40万人以上です。このうち、65歳以上の高齢者が大多数を占めています。 Q.免許返納に必要なものは? 運転免許証の自主返納に必要なものは運転免許証です。免許返納と同時に運転経歴証明書を交付を受ける場合には、申請用写真(1枚)や手数料が必要となります。また、本人が免許返納できない場合には、代理人に委任することも可能です。
1989年のバブル絶頂期に登場したFRスポーツハッチバック、日産180SX。S13シルビアをベースとしつつ、リトラクタブルヘッドライトを採用したシャープな外観や、高出力のターボエンジンといった個性を持ち、当時の若者に絶大な人気を誇りました。 今回はそんなスタイリッシュかつスポーティな180SXの魅力と、中古市場について解説していきます。 スタイリッシュ&スポーティで若者を熱狂させた180SX 180SXは日産の小型ハッチバッククーペとして、1989年5月に発売されました。 1988年5月に登場したS13シルビアとは兄弟車であり、プラットフォームやエンジン、そのほか車体の多くの部分を共有。ファストバック形状のボディや角型2灯式のリトラクタブルヘッドライト、全グレードターボモデルのみのラインナップなど、S13シルビアと比べてスポーティ寄りのコンセプトとなっています。 最高出力175psの1.8リッター直4ターボエンジン(CA18DET型)や、Cd値0.30の空気抵抗係数を誇るボディラインといった走行性能の高さも相まって、若者を中心に人気が爆発。約11万5000台の販売台数のうち9割はMTモデルで、スポーツカーとして多くのファンを生みました。 180SXの3つのモデルについて解説 180SXは、1989年5月から1999年1月の約10年という長い期間で販売され、そのモデルサイクルのなかで大きく「前期」「中期」「後期」の3つに分類することができます。 本来の「180」エンジンを持つ前期型 1989年5月に発売開始された前期型は、最高出力175ps、1.8リッターターボのCA18DET型エンジンを搭載。180SXの「180」は排気量を現すものですが、中期型からは2.0リッターにアップするため、車名どおりのエンジンを搭載するのはこの前期型のみとなります。 グレードは「タイプⅠ」と「タイプⅡ」に分けられ、前者は簡易装備の廉価モデル。後者はオーディオやパワーウィンドウなどの装備を充実させた快適仕様です。前期型の特徴としては、フロントバンパーのナンバー上部にはダミーダクトがあり、シートはヘッドレスト一体型のものが使われている点が挙げられます。 モデルサイクル中もっとも人気の高かった中期型 1991年1月のマイナーチェンジで中期型となった180SXは、エンジンが2リッターターボのSR20DET型に一新。最高出力は前期型の175psから30psアップの205psとなりました。 外観はフロントバンパーのダミーダクトがなくなったことでシンプルな印象になったとともに、タイヤのサイズアップやホイールデザインも変更されています。グレードはデジタル表示式オートエアコンや、専用リアスポイラーなどを装備した最上級グレード「タイプIII」が追加されました。 エンジンの出力向上でさらにスポーティになった中期型は、走り屋の若者を中心に大ブレイク。販売期間中でもっとも生産台数が多くなったモデルでもあります。その分峠などでの事故が多くなり、修復歴ありの中古車がこの時期に一気に増えてしまいました。また、保険料が上昇してしまった車種としても有名です。 後期型ではアグレッシブなエクステリアに 1996年8月のマイナーチェンジから後期型に一新。フロントバンパーはダクトが追加され、疾走感のあるデザインになったとともに、リアコンビネーションランプもスカイラインを彷彿とさせる丸型に変更。そのほかにも大型リアスポイラーが装着されるなど、後期型はエクステリア面での変更が多くなっています。 新たなグレードとしては、2リッターの自然吸気(NA)SR20DE型エンジンを搭載した「タイプS」が追加されました。最高出力は140psと、当然ながらターボモデルほどの出力はなく、あまり世に出回っていませんが、NAエンジンを愛するコアな車ファンにはひそかに人気のグレードとなっています。 そして、この当時はすでにミニバンなどの実用車が人気を博しており、スポーツカー人気は低迷真っただ中。180SXも例外ではなく、この頃には通常の生産ラインに乗らず、ほぼ受注生産に近い状態で生産されていました。最終的には1999年1月発売のS15シルビアの登場と同時に販売終了となりました。 180SXの中古車市場 そんな180SXですが、スポーツカーとしての人気は衰えず、サーキットやドリフト界では未だ現役であり、それとともに市場価値も上昇しています。 2021年12月時点での大手中古車サイトでは、1997年式 11.7万km走行の後期型最上級グレード「タイプX」が452万円のプライスとなっていました。最安値でも1995年式 16.9万km走行の「タイプX」が130万円となっており、当時の同グレードの新車販売価格が約260万円であることを考えると、180SXの人気の高さがうかがえます。 一方、旧車王の買取価格は中期型、後期型ともに大きな違いはなく、廉価グレードの「タイプⅠ」や「タイプS」では~200万円。上級グレードの「タイプX」では~300万円の高価買取となっています。 まとめ FRハッチバックスポーツとして多くの若者を魅了した180SX。1993年10月のS14シルビア発売後もフルモデルチェンジはせず、そのままのS13シルビアベースで販売され続けたことが、180SXの何よりの人気の証といえます。 今や180SXは安価で購入できる車ではありませんが、リトラクタブルヘッドライトを備えたFRハッチバッククーペという時代離れしたそのフォルムは、必ずやコスト以上の満足感を与えてくれるでしょう。 [ライター/増田真吾]
大衆車でありながら、モータースポーツファンからの人気も高いEG/EK型シビック。小排気量の1,600ccVTECエンジンはリッター100馬力を超える最高出力を発生し、ダブルウィッシュボーンサスペンションで小気味良い軽快なハンドリングは、今でも最強ホットハッチの一角と言っても過言ではありません。 同クラスの他車種を寄せ付けないどころか、上位クラスの車種とも互角に戦えるほどの高い戦闘力を誇ったEG/EK型シビックの魅力に迫ります。 運動性能重視の差別化された大衆車シビック ホンダ シビックは、1972年に初代が発表され、50年近く経った現在も11代目が新車として販売されています。これだけのロングランを実現したシビック成功の理由の1つは、大衆車でも車として基本的な運動性能を重視して開発され続けてきたことです。 さらに、VTECという画期的なエンジンの登場が、シビックの地位を不動のものに押し上げました。 ホンダ史上最長の販売期間を誇るシビック 1972年の誕生以来、ホンダの基幹車種として販売されているシビック。 3ドアハッチバックのイメージが強いシビックですが、初代の販売当初は意外なことに2ドアセダンから市場投入されました。(3ドアハッチバックは約1ヶ月遅れで発表)2ドアセダン、4ドアセダン、3ドアハッチバック、クーペなど、豊富なボディバリエーションもシビックの魅力です。 そんなシビックのライバルは、同じく大衆車の位置付けだったトヨタ カローラ。ホンダは価格と燃費、そして運動性能を重視して開発することで差別化を図りました。 EG/EK型の絶大な人気につながったVTEC シビックを語る上で外せないのがVTECエンジンです。最初の搭載車こそ、当時新発売だった2代目DA型インテグラに譲ったものの、約半年後には既に販売されていたEF型シビックに搭載されます。 VTECエンジンは、バルブタイミングとリフト量を切り替え、低回転域のトルクと、高回転域のパワーを両立した画期的なエンジンです。バルブタイミングとリフト量を同時に変化させる機構は当時世界初。カムシャフトに物理的に2種類のカムを設け、ロッカーアームを一定の回転数で切り替えることで、低回転用のローカムと高回転用のハイカムを切り替えます。 運動性能を重視して開発され続けていたシビックに、VTEC機構を持つB16A型エンジンを搭載したことでよりスポーツ色が強まり、その後のEG/EK型シビックの人気へとつながりました。 シビックの長い歴史の中でも突出していたEG/EK型シビック 50年近くも販売され続けていることからも分かるように、シビックはどの世代も安定した人気があります。その中でも、1990年代に販売されたEG/EK型シビックは突出した存在です。 リッター100馬力超えを実現したVTECエンジンを搭載したEG型、NSX、インテグラに続くタイプRモデルが投入されたEK型。いずれもシビックの歴史上大きな出来事で、直接のライバルだったカローラのスポーツモデル、レビン/トレノを圧倒しました。 スポーティなイメージを確立したEG型 5代目シビックのEG型は、先代となるEF型の基本設計をより高める形で1991年に登場しました。 EF型で投入されていたB16A型エンジンは、同型エンジン最高馬力となる170馬力を発生。また、低グレード車には、新たに低燃費志向のVTEC-E仕様エンジンも投入されました。さらに足回りは、EF型から採用されているダブルウィッシュボーンを継承しつつ、安定性を向上。ストローク不足によるピーキーな挙動を克服し、高いハンドリング性能を実現しました。 もともと、シビックはボディタイプの多さから幅広い層に支持されていました。そこへ、完成度の高いエンジやサスペンションを搭載し、同クラスでは性能面で頭1つ抜けた存在へと進化。スポーティなイメージを確立したことでより高い人気を獲得し、シビックとして2度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 タイプRが初めて投入されたEK型 1995年に「ミラクルシビック」の通称で投入されたEK型シビック。最高グレードであるSiRについては、EG型で既に完成の域に達していたB16Aエンジンとダブルウィッシュボーンサスペンションをほぼそのまま受け継いでいます。 一方、主力モデルとなるVTiには、低燃費高出力を実現した3ステージVTECを搭載し、オートマチックトランスミッションとしてCVTを採用するなど、意欲的に新技術が取り入れられたモデルです。 EK型シビックの目玉は、1997年に投入されたタイプRです。最高出力を185馬力にまで引き上げたB16Bエンジンを搭載。さらに、サスペンションのチューニング、車体重量の軽量化、専用エアロパーツなど、タイプRの名にふさわしく、随所に高性能化が図られました。 また、レカロ製バケットシート、モモ製ステアリング(SRSエアバッグ付き)、チタン製のシフトノブなど装備面も充実しています。 そして、EG型シビックに続いて、EK型シビックは3度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 まとめ 最後にシビックの中古車相場について紹介します。 海外での90年代日本製スポーツカー人気の影響をシビックも少なからず受けており、年式の割には高い価格で取引されている印象です。ただ、EG型/EK型シビックは当時人気が高かったため、今でもそれなりに台数が残っていて、まだ非現実的な価格にまでは高騰していません。 状態によっては最上位グレードのSiRIIでも、100万円台後半で手に入るものもあります。(2021年12月現在)一方、400万円オーバーの価格をつけている中古車もあるので、今後の価格高騰には注意が必要です。買取価格も高騰していて、EG型のSiRIIで最高200万円、EK型のタイプRなら最高400万円の価格がつくこともあります。(旧車王2021年12月現在) 日本製スポーツカーがもっとも熱かった90年代を駆け抜けたEG/EK型シビック。車の挙動をダイレクトに感じ、軽量な車体を操る感覚は、現代では味わえないもの。 その価値感は、まさに現代の中古車取引価格に反映されており、手に入れたい方は少し急いだほうが良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]
日本を代表するスポーツカーの1台として、世界的にも人気の高いスバル インプレッサ。その中でも、2代目となるGD系インプレッサが中古車として今注目を集めています。GD系インプレッサには、2度のマイナーチェンジで、前期、中期、後期の3世代が存在し、ヘッドライトの形状から、それぞれ「丸目」「涙目」「鷹目」と呼ばれています。 今回は、WRCでの活躍によって高まった人気を背景に開発されたGD系インプレッサの特徴を、「丸目」「涙目」「鷹目」の違いも含めて紹介します。 WRCと共にあったスバル インプレッサ WRCでの目覚ましい活躍により、スバルを世界的自動車メーカーへと押し上げた立役者がインプレッサです。初代登場から最終型まで20年以上も販売され続けたことからも、その人気の高さがうかがえます。 実は、今回紹介するGD系インプレッサの開発自体、当初は予定されていませんでした。しかし、WRCでの活躍によって人気が高まったことを背景に、開発されることになります。インプレッサのその後の開発につながったGD系インプレッサについて、初代とともに振り返ります。 スバルの世界的地位を築いた初代インプレッサ 初代インプレッサとなるGC系インプレッサは、1992年に登場。世界市場(特に欧州)を目指すにあたって、ラインナップ上穴の開いていた1,600ccクラスを埋める車種として開発。また、WRCで勝ちあぐねていたレガシィの後継車としての役割も担っていました。WRカーのベースともなるスポーツモデルを表す「WRX」の名称は、GC系インプレッサから使用されています。 GC系インプレッサは、マニュファクチャラーズタイトル3連覇を果たすなど、WRCで期待通りの活躍を見せ、揺るぎない地位と人気を獲得し、世界にスバルの名を知らしめました。また、WRCでの活躍を記念して、数多くの特別仕様モデルを発売。特に1998年に発売された「22B-STiバージョン」は、発売からわずか48時間に完売したともいわれるほどの人気でした。 正統進化した2代目GD系インプレッサ 日本の小型車としては珍しい、1モデルで8年も続いたGC系の後継車種として登場したのが、GD系インプレッサです。2000年に発表され、2007年まで製造されました。 GD系インプレッサは、WRCありきで開発されたともいえるモデル。ハッチバックモデルは、5ナンバーを維持できるサイズだった一方、WRカーのベースとなるセダンモデルのシャシーの全幅は安定性向上のため広げられ、3ナンバーサイズとなりました。発売当初不評だった外観については後述するとして、性能面でも正統進化。随所で戦闘力向上が図られました。 ボディはワイド化と同時に「新環状力骨構造」を採用し、ボディ剛性は劇的に向上。6速MTやブレンボ製ブレーキを採用するなど、走行性能を大きく高めました。さらに、エンジンも大きく進化。型式こそ初代同様のEJ型ですが、シリンダーブロック、ピストン、コンロッド、バルブなどの主要部分は全て刷新され、最大トルクは2kg・m向上、レブリミットも8000回転まで引き上げられました。 2度のマイナーチェンジで着実に進化したGD系インプレッサ GD系インプレッサには、前期、中期、後期の3つのモデルがあり、マイナーチェンジごとに見た目が大きく異なります。 GD系インプレッサが発表されると、高まった性能が一定の評価を得る一方で、独特の丸目が、特に日本市場で不評。そのため、発売から2年後には、早くも大幅なマイナーモデルチェンジを余儀なくされます。さらにその後、1度大幅なマイナーチェンジを行いました。 しかし、繰り返されたマイナーチェンジは、実は見た目の変更よりも性能の向上を目指して進化させていった結果です。WRCで勝つことを求め、性能を進化させ続けたGD系インプレッサの変遷を振り返ります。 不評だった「丸目」も今では再評価されつつある前期 2000年に登場したGD系インプレッサ最初のモデルで、前期型と呼ばれています。不評を買った丸目のヘッドライトは、メルセデスが採用するなど、当時世界的なトレンドだったことから採用されました。一方、発売から20年経った今では、「愛嬌がある」と再評価する声もあります。 発売当初は、初代に比べて大型化したことを懸念する声もありました。しかし、今の基準で考えると十分軽量で、さらに2kg・m向上したトルクによって重さを感じることはありません。むしろ、ワイド化による安定感と向上したボディ剛性により、高い走行能力を実現しています。 見た目だけではなく性能も向上させた「涙目」の中期 2002年11月に登場したGD系インプレッサ最初の大幅マイナーチェンジモデルが中期型です。不評だった丸目のヘッドライトを変更し、後に「涙目」と呼ばれる形状になります。ヘッドライト変更は、単に見た目の変更ではなく、WRCからのフィードバックを受けたものでした。ヘッドライト上方に傾斜をつけ、横方向の回り込みを増やしたことで空力性能を向上。さらに、ヘッドライトそのものを大型化し、ナイトラリーで補助灯がなくても前方の視界が確保できるように工夫されました。 中期型は、ほかにも意欲的な変更が加えられています。特にSTiモデルは、排気管からピストン形状まで見直すなど、エンジン性能の底上げがなされ、車体も操縦安定性や剛性の向上が図られました。一方、WRX標準モデルも、タービンの見直しによるレスポンスの向上、ブレーキキャリパーは16インチの対向4ポット、リア15インチの対向2ポットを採用するなど、大きな改変が加えられています。 なお、STiモデルに関しては、中期型リリース後にも大幅な変更が加えられています。このため、中期型の中でも前後期モデルが存在。大きな変更点はPCDで、ハブベアリングの強化によって、5穴100mmから5穴114.3mmに変更されました。PCDが変更になったことで、適合するホイールが前後期で異なる点に注意が必要です。 「鷹目」が現代的で成熟の域に達した後期 GD系インプレッサの最終系となる後期型は、2005年6月に登場。ヘッドライトデザインがつりあがった形に変更された後期型は、「鷹目」と呼ばれています。 現代的ともいえる洗練されたデザインとなった後期型ですが、マイナーチェンジの目的はイメージチェンジではなく、中期型と同様に性能を追求した変更が数々盛り込まれました。特にSTiモデルでは、トルクを43kg・mまで高め、扱いやすくなったエンジン、カーボン素材使用によるシンクロ機構の強化で、シフトフィールを向上したトランスミッションなど、かなり近代的な乗り味になっています。また、WRX STI Spec C Type RA-Rなど、多くの特別仕様車も限定販売されていて、高スペックを求めるユーザーにも満足できるラインナップでした。 数々のモデルチェンジを経て成熟しきった後期は、信頼性も圧倒的に向上しているので、トラブルを避けたい方にもおすすめです。 まとめ 2代目GD系インプレッサに注目が集まっている理由は、初代GC系インプレッサは希少性が高く、高価でなかなか手に入らないことと、性能面での古さが否めないこと。一方、3代目以降は、名機「EJ20型」が生産を終了したことで価格が高騰しているためです。 気になる中古車価格は、限定販売されたWRX STi スペックCモデルで555万円ほど。一方、標準モデルでは100万円強からあり、STiモデルでも150万円ほどで購入できるものもあります。(価格は全て2021年12月現在)買取価格は、徐々に上昇を見せていて、鷹目 S204STiバージョンでは最大400万円の買取価格です。(2021年12月旧車王) 日本に比べ、特に欧州ではラリーは人気があり、地域によってはモータースポーツの最高峰F1をしのぐほど。欧州のモータースポーツファンにとって、“スバル”また“インプレッサ”は憧れの存在です。また、車種を問わず海外で日本製スポーツカーが人気ということもあり、今後価格が上昇する可能性もあります。 現代でも通用するスペックを誇りつつ、まだ手を出せる価格で販売されているGD系インプレッサは、まさに今が狙い目の1台です。 [ライター/増田真吾]
アメリカの広大な道を走る姿が「サマ」になるピックアップトラック。でも、意外なことに、ピックアップトラックとして高い支持を受けているのは日本車です。一方、日本国内では、現在はほとんど販売されていません。 海外で人気があるのに日本国内で販売されていない不思議な車種、ピックアップトラックについて紹介します。 ピックアップトラックの魅力 広く開放的な荷台と、パワフルな走りのピックアップトラックは、海外で人気の車種です。日本でほとんど目にすることがなくなってしまったため、国産メーカーのピックアップトラックは国内でほとんど認知されていません。しかし、性能の高い日本製ピックアップトラックは海外で大きく支持されています。 ピックアップトラックとは ピックアップトラックとは、別名ボンネットトラックともいい、車室前方にボンネットがあり、車室後部に荷台のある車のことを指します。 ピックアップトラックの特徴は、荷台がオープンなこと。オープンな荷台には、汚れたり濡れたりした荷物でも気にせず積み込めますし、屋根がないため大きな荷物や背の高い荷物積み込むことができ、さまざまなシーンで活躍します。 また、堅牢なラダーフレームや4WD を採用している車種が数多くあるのも特徴の1つ。クロスカントリーSUV車として、オフロードシーンや悪路などで、幅広く活用できます。 国内販売はトヨタ ハイラックスを残すのみ 海外で現在も人気の高いピックアップトラックですが、現在日本国内向けとして販売されているのは、トヨタ ハイラックスのみです。 かつては、国内でもさまざまなメーカーから販売されていました。現在日本で荷台がオープンな形状の自家用車として残っているのは、ほとんどが軽トラックです。 ピックアップトラックの人気が日本で衰退した明確な理由はありませんが、日本の道路事情から、「小型で取り回しのしやすい軽トラックのほうが好まれた」という側面もあるのかもしれません。 国内販売はハイラックスのみですが、実は現在でも複数の国内メーカーが海外向けに新車のピックアップトラックを販売しています。 今でも人気の歴代日本製ピックアップトラック4選 日本製ピックアップトラックが現在も海外で人気の理由は、過去に販売された多くの国産車種が築いてきた信頼によるものです。そこでここからは、過去に販売されたピックアップトラックを紹介します。 初代ハイラックス(1968-1972) ピックアップトラック市場が低迷している日本にあって、現在も唯一販売されているピックアップトラックの代表ともいえるのがトヨタ ハイラックスです。 初代モデルは小型ピックトラックとして販売され、「トヨタ・トラック」の名称で、人気を不動のものにします。当時からすでに、車は1人1台という文化だったアメリカでは、家族で複数台所有は当たり前でした。 広い荷台に気軽に荷物が載せられて、どこでも走れるピックアップトラックは、日本でいう軽自動車、西部開拓時代の「馬」といった感覚だったのかもしれません。 ちなみに、映画「バックトゥザフューチャー」で1985年に主人公のマーティ・マクフライが憧れていた4×4(フォー・バイ・フォー)ピックアップトラックは、4代目のハイラックスです。 Datsun(ダットサン) 620(1972-1979) ハイラックスと並び、アメリカで定番ピックアップトラックとして認知されているのが、日産の小型車向けブランド「ダットサン」です。ダットサントラックの初代の登場は、戦前の1935年。初代登場以来モデルチェンジを繰り返し、1972年の7代目620が北米でヒットします。S30型フェアレディZと並んで、北米でのダットサンブランド定着に一翼を担いました。 ハイラックスほど走破性に優れた設計ではありませんでしたが、それが一般層の需要を掘り起こします。購入者の半数が、「仕事以外の目的で購入した」としている情報もあるほど、一般層に手軽なピックアップトラックとして浸透しました。 初代パスファインダー(1985-1995) 日産 パスファインダーは、本格SUVとして発売されました。走破性に優れたサスペンションと、フェアレディZと同系統のパワフルなVG30系エンジンを搭載。高い性能とスタイリッシュな外観で、一気に人気が高まります。 パスファインダー自体は、ピックアップトラックではありませんが、パスファインダーの元となったのは、「ピックアップ」として発売されたD21型ピックアップトラックです。エンジンこそ、後発のパスファインダーとは異なりますが、デザインは共通で、スタイリッシュなピックアップトラックとして多くの支持を集めました。 初代スズキ サイドキック(1989-1999) スズキ サイドキックは、日本国内でエスクードの名称で販売されていたSUVの北米モデルです。本格クロスカントリー車の機能を備えつつ、省燃費性と高速走行性能という乗用車の機能も持ち、都市型S UVの先駆けともいえる車種。先進的な外観に加えて、堅牢な設計と走行性能の高さから人気を集めました。 サイドキックの堅牢さに対する評価の高さを示すおもしろいデータがあります。2015年のイエメン内戦がはじまる2年前の2013年に、イエメン、オマーンに向けたアメリカからのサイドキックの輸出台数が爆発的に増加したのです。 まとめ 過酷な状況での走行や乱暴に取り扱われることが多く、アメリカを象徴する車の1つであるピックアップトラック。高い耐久性と信頼性が要求される車種で、日本の自動車メーカーが多くの支持を集めています。 一方、日本国内では、需要の低下からほとんどが輸入扱いとしてしか販売されておらず、新車はトヨタ ハイラックス以外の車種は販売されていません。 しかし、ホンダや三菱など、実は多くの国内自動車メーカーが、今もピックアップトラックの新車を発表しています。日本国内で販売されていない日本車として、国内では希少なピックアップトラックを選ぶのもおもしろいかもしれません。 [ライター/増田真吾]
自身が相続人になった場合に、不動産や預金などと同様に、自動車も相続が必要なのでしょうか。また、車の名義人以外が車を運転し続けていて問題ないのでしょうか。亡くなった方の名義のまま車を乗り続けた場合のリスクはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、亡くなった方の名義のまま車に乗り続けることはデメリットが多いということと、相続する場合の手続きについて紹介します。 自動車の相続は必要か ここからは、知らない方も多い自動車の相続についてくわしく解説します。 自動車の相続とは 家や土地と同じように車も相続財産の一つとして扱われます。驚く方も多いかもしれませんが、自動車は“動くもの”にも関わらず“登記”が必要となり、土地や建物などと同様に“不動産”と分類されます。不動産扱いの財産として相続する事となるということで、所有者である名義人が亡くなった場合は相続の手続きが必要です。また、相続人が複数いれば共有財産となります。 「不動産扱いになる」「共有財産となる」などを聞くと、面倒な手続きが必要そうに感じますが、自動車の相続に必要な手続きは車の名義変更だけとなります。 自動車の相続は義務か 土地や建物同様に、車の相続は義務なのでしょうか。相続せずに放置した場合には、罰則などがあるのでしょうか。結論から記載すると、今現在では「相続における自動車の名義変更は義務ではない」とされており、放置しても罰則は有りません。しかし、道路運送車両法には次のように規定されており、自動車の名義変更としないとデメリットが非常に多いため、相続における名義変更を速やかに行うことをおすすめします。 “第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。” (引用元)道路運送車両法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185 自動車の名義変更を行わない場合の問題点 上で述べたように、自動車の相続における名義変更は義務では有りません。また、そのまま亡くなった方の車を乗り続けることも可能です。しかし、車検証上の所有者が亡くなっている場合には、使用者と所有者が異なること加え、複数相続人がいる場合には相続人全員が共有者となるため、廃車にすることも、売却することもすぐにはできません。それ以外にもデメリットがありますので紹介します。 廃車にする場合に相続は必要? 自動車を廃車にする手続きを「永久抹消登録」と言います。「永久抹消登録」は、所有者以外が勝手に行うことは出来ません。よって、車の所有者が亡くなってしまった場合は、「相続手続き」を行います(遺言書がなければ、法定相続人全員の共有財産になります。)が、その相続人により、永久抹消登録の手続きを行う必要があります。故人の車を乗り続けたいなど、今すぐ必要ではなくても、売却や廃車にする際のことを考えてすぐに相続をしておくことをおすすめします。 自動車税の納付に相続は必要? 自動車税の納税義務は、相続人が承継することとなります。特に亡くなった車の所有者と、相続した家族が違う場所に住んでいる場合には、自動車税納付書が届かず、滞納になってしまうなどトラブルとなる可能性があります。自動車をそのまま利用するようであれば、かならず県税事務所に連絡して、住所の変更を行うなどの手続きをするようにしましょう。 相続しなくても任意保険が適用になる? 被害者救済の観点から、車の名義、保険がそのままであっても、有効な保険期間内であれば補償が受けられることもあります。しかし、被保険者を相続人に変更しておかないと、事故の際に支払いが遅れたり、万が一にも保証が受けられないケースが発生するなど大きなトラブルになる可能性があります。所有者が亡くなった場合は、法定相続人代表の方から早めに保険会社に連絡して、名義変更の手続を済ませましょう。 自動車の相続の方法 自動車の相続は、必須で直ぐに必要ではないがトラブル回避のためにはなるべく早く行うことが大切などこがわかったかと思います。では、自動車の相続の方法はどのように進めたら良いのでしょうか。自分が手続きするのか、それ以外に依頼するのか具体的に例を上げながら紹介します。 自分で手続きを行う 自分で手続を行う場合には、平日(平日8時45分~16時)に手続きを行う必要があるというデメリットもありますが、申請代行費用が不要なため、時間はかかっても費用を安く済ませたいという方に向いた手続き方法となります。 申請には、相続時に必要な遺産分割協議書等書類と合わせて、以下の通常の自動車の名義変更に必要な書類を用意します。それらを持参し、陸運局(ナンバー交付された陸運局でなくても、任意の陸運局で手続き可能)で手続きを行います。また、相続する車が軽自動車の場合には、軽自動車検査協会にて手続きを行います。 【必要書類】・譲渡証明書(旧所有者の実印の押印があるもの)・旧所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)・新所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)・新使用者の車庫証明書(発行日後1ヵ月以内)・車検証(車検が有効期間中なこと)・ナンバープレート・手数料納付書(運輸支局の現場で入手し申請)・自動車税・自動車取得税申告書(運輸支局の現場で入手し申請)・申請書(運輸支局の現場で入手し申請) 自動車ディーラーに依頼する 平日の時間が取れない場合には、おおよそ2万円前後の申請代行費用はかかりますが、必要な書類をご自身で手配して、普段馴染みのある自動車ディーラーに依頼するのが気軽で簡単です。 行政書士や司法書士に依頼する 申請代行費用がある程度高額となっても良い。平日に時間が取れない。書類の準備なども不慣れで不安。などの場合には、司法書士に依頼することがおすすめです。通常は自分で集める必要のある各種申請用の書類手配から手続きまで、すべてを一括で対応してもらえます。費用については、おおよそ2万円前後+書類の取り寄せ費用がかかります。 自分に合ったやり方で自動車の相続を行おう 車の手続きは、あまり自分でやる感覚はないかもしれませんが、自分自身で手続きする方法から、専門家に依頼する方法まで、費用や手間に合わせて数種類あるので、ご自身にあった方法で結構ですので、後のトラブルにならないように早めに手続を完了させましょう。
車を相続するときは、手続きが必要です。今回は、車を相続するときに査定書が必要な理由、遺産分割協議成立申立書とは何なのか、名義変更に必要な書類などを解説します。車を相続するときの参考にしてみてください。 自動車の相続手続きは必要か 自動車の所有者が亡くなった時は、相続の手続きが必要です。相続手続きをしなければ、売却や廃車などの手続きができなくなってしまいます。車の手続きを滞りなく進めるためにも、相続手続きをしておきましょう。 自動車の査定書を用いて簡易的な手続きで相続する方法 自動車の相続手続きは、相続人全員で話し合う遺産分割協議によって相続内容を取り決め、遺産分割協議書にまとめておくことが一般的です。ただし、車両の価格が100万円以下の場合には、遺産分割協議成立申立書によって名義変更をすることができ、相続手続きを簡略化できます。 簡易的に手続きできる方法 車の遺産手続きを簡略化する遺産分割協議成立申立書は、車両の価格が100万円以下のときに使用できる書類です。相続人が遺産分割協議成立申立書を作成し、必要書類を準備して管轄の運輸支局で手続きをすれば、名義変更ができ、売却や廃車などができます。 遺産分割協議成立申立書による手続き 遺産分割協議成立申立書による手続きは、相続人ひとりでできる手続きです。そのため、相続人全員の同意を得なくても書類を作成できてしまいます。しかし、同意を得ずに手続きをすると後に揉め事に発展する可能性もあるため、同意を得た後に遺産分割協議成立申立書を作成しましょう。また、遺産分割協議成立申立書は、車両が100万円以下のときに利用できる書類であるため、車両価格を証明する査定書が必要です。 遺産分割協議書との違い 遺産分割協議成立申立書と遺産分割協議書の違いは、相続人全員の署名、実印の捺印、印鑑証明書が必要かどうかという点です。 遺産分割協議書の場合、相続人全員で協議をして遺産分割協議書へ全員の署名・実印の捺印・印鑑証明書の添付が必要となります。しかし、遺産分割協議成立申立書は、相続人ひとりの署名と捺印、印鑑証明書だけで相続手続きが可能です。 遺産分割協議成立申立書で必要な書類 車の遺産手続きを遺産分割協議成立申立書で行うときは、申立書以外にも書類をいくつか準備しなければなりません。ここからは、申立書以外に必要な書類について解説します。 自動車の査定書 遺産分割協議成立申立書で相続手続きをする場合は、車両の価格が100万円以下でなければなりません。そのため、車両価格を証明する査定書が必要です。査定書の入手方法については、「自動車の査定書の入手方法」にて詳しく解説します。 その他の必要書類 車の相続手続きをするときには、遺産分割協議成立申立書の他に、「車検証(自動車検査証)」、「旧所有者の戸籍謄本または除籍謄本(死亡を確認するため)」、「新所有者の戸籍謄本(相続人であることを証明するため)」、「印鑑証明書(所有者のもの)」、「新所有者の車庫証明書」、「査定士証の写し」が必要です。 自動車の査定書の入手方法 車の査定書の入手方法は、日本自動車査定協会やディーラー・買取業者に依頼することで手に入れることが可能です。ここからは、査定書の方法について詳しく解説します。 日本自動車査定協会 日本自動車査定協会では、相続車両の査定を実施しています。査定料は、軽自動車が5,500円~6,600円、普通車が7,150円~1万2,100円です。ここに記した査定料は、いずれも東京支部の価格であるため、詳しい査定料などは、各支部にお問い合わせください。 ディーラー・買取業者 ディーラーや買取業者でも査定書の発行が可能です。しかし、ディーラーや買取業者は、車を買い取って再販売することを目的としているため、査定書を発行してくれない場合があります。ディーラーや買取業者に依頼するときは、事前に相続のための査定であることを伝え、査定書の発行や査定士証の写しをもらえるか確認しましょう。 名義変更は自分で行うことが可能か 車の相続の名義変更は自分でできるのでしょうか。ここからは、遺産分割協議成立申立書による手続きを自分でできるか解説します。 遺産分割協議成立申立書は自身でも手続き可能 遺産分割協議成立申立書による名義変更は自分でできます。申立書と査定書とその他必要書類を準備して運輸支局に持ち込めば手続きが可能です。ただし、書類の不備があると受理してもらえないため、必要書類の不足などがないか確認してから運輸支局に提出しましょう。 行政書士・司法書士に依頼することも可能 名義変更は、行政書士や司法書士に依頼することもできます。ただし、手数料が発生するため、事前にどのくらいの費用がかかるのか各事務所に確認してから依頼すると良いでしょう。 自動車の査定額に合わせて手続き方法を検討しよう 車の相続は、車両価格次第で手続き方法を簡略化することができます。基本的に車の相続は、遺産分割協議書による手続きとなりますが、車両価格が100万円以下であれば、遺産分割協議成立申立書による手続きが可能です。どちらで手続きすべきなのかということは、車両価格によって異なるため、業者に査定を依頼し、査定額に応じて相続手続きを検討することをおすすめします。