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旧車の再生と維持

サーモスタットとは何?交換の必要性やタイミング解説!
旧車の再生と維持 2023.11.09

サーモスタットとは何?交換の必要性やタイミング解説!

「メーターの水温警告灯が赤色になっている」「エアコンから冷たい風しか出ない」といった症状がある場合、サーモスタットが故障しているかもしれません。 サーモスタットとは、エンジンの温度を一定に保つために調整を行っている部品のことです。サーモスタットの異常をそのままにしていると、エンジンが故障して事故やトラブルが起こる可能性があります。 そこで今回は、サーモスタットの概要や交換のタイミングや必要性、交換方法、交換費用について詳しく解説します。 サーモスタットとは サーモスタットとは、クルマのエンジンの温度調整を行っている部品のことです。クルマのエンジンにはオーバーヒートを防ぐためにラジエーターや冷却水(クーラント)が取り付けられており、サーモスタットはエンジンを循環する冷却水の温度を検知し、エンジンの状態に合わせてラジエーターに冷却水を送ることで温度を調整します。 エンジンが高温になりすぎると、オーバーヒートを起こして走行不能になるだけでなく、エンジンが故障する恐れもあります。そのため、サーモスタットによるエンジンの温度調整が欠かせません。 クルマのサーモスタットは冷却水の温度によってバルブが開いたり閉じたりする構造のものが多く、温度が低いときはバルブが閉じられます。冷却水の温度が上がってくるとバルブが少しずつ開き、ラジエーターに冷却水を循環させるという仕組みです。 サーモスタットの交換の必要性 サーモスタットは消耗品のため、年数が経ったら交換が必要です。正常に作動しているときは冷却水の水温を70〜90℃になるように調整しています。しかし、経年劣化でバルブが作動しなくなるとエンジンの適温を保てなくなるため、定期的に新しいものに交換しましょう。 閉じっぱなしの場合はオーバーヒートの原因に バルブが閉じたままだととラジエーターに冷却水が送られません。その結果、エンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。 オーバーヒートはエンジンの破損につながり、非常に危険です。また、エンジンが故障すると修理費用が高額になるだけでなく、最悪の場合エンジンが炎上したり、爆発したりする可能性があるため、早めに交換しましょう。 開きっぱなしの場合はオーバークールの原因に バルブが開きっぱなしの場合は冷却水が流れ続けるため、エンジンが温まらない「オーバークール」という現象が起こります。 オーバークールでエンジンが故障することはないものの、クルマの内部にあるコンピューターがエンジンの温度が低いと判断するため、燃料の噴射量が増えて燃費が悪くなるでしょう。 エンジン始動後にエアコンの暖房がなかなか暖まらないときは、オーバークールになっている可能性があるため、サーモスタットの異常が考えられます。 サーモスタットの交換時期 サーモスタットは使用開始から10年または走行距離が約10万㎞を超えた時点で交換するのが一般的です。 これはあくまで目安であって、実際はクルマの使用環境によって異なるため、交換時期はタイミングベルトの交換時期と合わせるのがよいでしょう。 タイミングベルトとはエンジン内部にあるクランクシャフトとカムシャフトを結ぶ部品のことです。タイミングベルトは一般的に走行距離10万㎞が限界といわれており、メーカーごとに交換時期の目安を定めています。 メーカーが定めるタイミングベルトの交換時期が来たときに一緒にサーモスタットも新しくしておくと、エンジンの故障や事故を防げるでしょう。 サーモスタットの寿命の見極め方 水温計の温度に異常がみられるときはオーバーヒートを起こしている可能性があります。しかし、冷却水が不足している可能性もあるため、まずは冷却水が規定量入っているかを確認しましょう。 リザーバータンクが破損して冷却水が漏れている可能性もあるため、リザーバータンクの残量の確認も必要です。どちらも問題なければ冷却水の量の問題ではないため、サーモスタットに異常があると考えられます。 オーバークールの症状が出ているときは、エアコンの温度を一番高い温度に設定してみて、温風が出るかを確認しましょう。 温風が出ない場合、エンジンルームの中にあるラジエーターホースを触り、熱くなっているかを確認します。このときエンジンルームの他の部品や配管が非常に熱くなっている可能性があるので、他のものには触らないように気をつけましょう。 ラジエーターホースを触ったときに高温になっていれば問題ありませんが、触っても温度が高くなっていない場合はサーモスタットに問題があると判断できます。 サーモスタットが故障したときの症状 サーモスタットが故障すると、どのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、サーモスタットが故障したときの代表的な症状を3つ紹介します。 水温計の警告灯が点灯する サーモスタットが故障すると、水温計の警告灯(赤)が点灯します。サーモスタットが壊れると水温管理ができなくなり、エンジンまわりが高温になるため、警告灯が点灯するのです。 水温計の警告灯(赤)が点灯した場合は、安全な場所にクルマを停めてエンジンが冷えるまで待機しましょう。 エンジンがオーバーヒートする サーモスタットの故障に気づかず運転を続けると、エンジンがオーバーヒートします。エンジンがオーバーヒートすると、エンジンが故障したり炎上したりする危険性があるため、早めにクルマを停めてエンジンを冷やしましょう。 エアコンから冷たい風しか出ない エアコンから冷たい風しか出ない場合はサーモスタットが故障している可能性が高いです。また、温かい風しか出ない場合もサーモスタットが故障している可能性があります。つまり、エアコンの温度を変えても出てくる風の温度が変わらない場合は、サーモスタットが故障している可能性が高いということです。 他にも原因はありますが、いずれにしてもエアコンから出てくる風の温度が変わらない場合は一度点検してもらいましょう。 サーモスタットの交換方法  サーモスタットは自分で交換する方法と整備工場やディーラーに任せる方法があります。それぞれの方法について詳しくみていきましょう。 自分で交換する サーモスタットは、手順をしっかり守れば自分で交換することは可能です。交換に必要な部品はホームセンターやカー用品店で購入できます。自分のクルマに適合する部品かどうか確認してから購入しましょう。 整備工場やディーラーに任せる 自分で交換するのが難しい場合や不安なときは整備工場やディーラーに任せましょう。自分で交換するのに比べて部品代に加えて工賃がかかるため費用は高くなりますが、プロの手で交換するため安心感があるでしょう。 整備工場とディーラーではディーラーのほうが費用が高い傾向にあります。また、交換を依頼する際には見積もりを取ってから依頼するとよいでしょう。 サーモスタットを自分で交換する方法 自分で交換する際の交換手順は以下のとおりです。 1.冷却水を抜く 2.ラジエーターホースを外す 3.新しいサーモスタットに交換する 4.冷却水を入れる 5.ラジエーターキャップを開けてしばらくアイドリング運転をおこなう 6.アイドリング運転で減った分の冷却水を補充する 7.ラジエーターのエア抜きをする 8.冷却水が規定量入っているか、漏れていないか再度チェックする 9.ラジエーターキャップを締めて完了 まずはエンジンが冷えているか確かめてから、冷却水を抜きましょう。サーモスタットは、ジグルバルブが上を向くように付けます。取り付け方を間違えると事故を起こす危険があるため、交換するときは手順を守り細心の注意を払いましょう。 サーモスタットの交換費用 本体は2,000円〜3,000円程度です。交換に必要な部品と冷却水は1,000円〜3,000程度かかるため、自分で交換する場合の費用は3,500円〜7,500円程度です。 ディーラーや整備工場に依頼した場合は車種によって異なりますが、工賃が5,000円前後かかるため、部品代と合わせると1万2,000円前後になるでしょう。 まとめ 今回はサーモスタットの交換について解説しました。 サーモスタットは年月が経てば交換が必要なため、クルマを利用する以上は定期的に確認する必要があります。故障をそのままにしておくと重大な事故にも発展しかねないため、異常を感じたらすぐに交換しましょう。 自分での交換も可能ですが、ディーラーや整備工場に依頼するとより安心です。費用が気になる場合には見積もりをとり、あまりにも高額でもうそろそろ乗り換えを検討する時期なのであれば、売却を検討してもよいかもしれません。

16年目・25万キロ超え。愛車ホンダ S2000のエンジンをリフレッシュ
旧車の再生と維持 2023.11.01

16年目・25万キロ超え。愛車ホンダ S2000のエンジンをリフレッシュ

筆者の愛車はホンダ S2000(AP1)。 1999年式の「初期型」だ。約16年前に中古で手に入れた。 16年という年月を過ごしているうちに、S2000は「旧車」となったようだ。 S2000を含む80〜90年代に生産されたクルマたちはいつしか「ネオクラシック」と呼ばれ、中古市場も高騰中と聞く。 しかし正直なところ、現在のS2000の立ち位置など個人的にはどうでも良い。 ほぼ毎日乗り、人生の節目はもちろん、苦しい場面も一緒にくぐり抜けてきた存在。 S2000が語られるときは「唯一無二」と表現されるが、自分にとってはこの個体こそが唯一無二だと思っている。 ▲エンジン載せ換え以降25万キロ以上走行している(実走行は31万キロ)筆者のS2000。外内装ともくたびれてきた 筆者のS2000は、2012年に中古エンジン(約8万キロ)に載せ換えている。 それから約10年が経過。 エンジンも25万キロを越え、車体は31万キロを越えた。 2021年の秋頃からはエンジンが掛かりにくくなる症状も。 「本当に良くないことが起こり始めている。早く対処しなければ二度と乗れなくなるかもしれない」 そう危機感を抱いていたところ、友人の紹介でS2000のリフレッシュ&チューニングを数多く手がける広島県福山市の「ComeTec」にご縁があり、エンジンのオーバーホールが決まった。 今回は愛車の修理レポートとともに「S2000との付き合い方」を取材。 “旧車”となったS2000とのこれからの付き合い方について「ComeTec」の代表・熊谷展宏さんにお話を伺った。 ▲AP1に搭載される直列4気筒DOHCエンジン「F20C」の特徴的なカムシャフト。高回転エンジンのため慴動部が多く複雑な構造[写真提供/ComeTec] ■S2000のスペシャリスト「ComeTec」 今回、お世話になった「ComeTec」。 代表の熊谷展宏さんは、ディーラー勤務を経てホンダ系のチューニングショップへ。 2010年に「ComeTec」を設立。 自動車メディアでは「ホンダ車のスペシャリスト」として登場するイメージが強いが、手掛ける車種は幅広い。 熊谷さん自身がMINIのオーナーだったこともあり、MINIやAbarthなどの輸入モデルからGRヤリス、86/BRZといった近年の国産モデルまでさまざま。 ショップを経営する傍らスーパー耐久のメカニックとしても活動するなど、豊かな経験と実績を誇る。 なかでもS2000は特別な存在で、リスペクトしているとのこと。 ◆熊谷さん:20年も前によくぞ出したなと思います。ホンダはこの先、FR車を出すことはないでしょう。S2000は特別な存在だと思いますし、ライフワークとして携わりたいですね。「あと20年以上元気に走る」をモットーに取り組んでいます。 ●デモカーはサーキットマシンとして22万キロの個体をリフレッシュ! ▲塗り替えられたマツダのボディカラー「セラミックメタリック」が、S2000のもつ凛とした美しさを一層引き立てる[写真提供/ComeTec] デモカーは22万キロ走行個体を譲り受け、サーキットマシンに生まれ変わらせている。 リフレッシュとチューニング、耐久性も高められている。 「車体がしっかりしていれば、一級のマシンになります」と熊谷さん。 ◆熊谷さん:デモカーはサーキット専用ですが、最も力を入れているのは、できるだけ新車に近づけるリフレッシュメニューです。お客様が手に入れた当時の気持ちになっていただけるようにベストを尽くします! もちろん、お客様のサーキットと普段乗りの割合によって、リフレッシュ&チューニングメニューも調整可能です。基本のメニュー設定は「エンジン、トランスミッション」「車体、足回り」「外内装」の3パートあり、いずれかを軸にプランを立てていきます。サーキット仕様をご希望の場合は、レストアしながらモディファイできますよ。 ▲ベース車両は22万キロ以上走行したAP1の初期型[写真提供/ComeTec] ▲エンジンはオーバーホールの際に戸田レーシングのキャパシティアップ2350キットを導入[写真提供/ComeTec] ▲骨組みまで分解。ボディや足回りにはAP2補強パーツも加工流用されている[写真提供/ComeTec] ▲車体、足回り、エンジンが完成した後はレースに出場[写真提供/ComeTec] ▲どんなサーキットでも扱いやすく、耐久性も高められている[写真提供/ComeTec] ■あらためて愛車の状態を目の当たりに ▲カーボンが堆積してしまったエンジン内部[写真提供/ComeTec] さて、筆者の愛車。 エンジンの内部を確認して言葉を失ってしまった。 真っ黒に汚れたエンジン。 「愛車は大切な存在」などと、SNSで発言した言葉がみるみる霞んでいった……。 エンジンを分解した直後の状態を熊谷さんに伺った。 ◆熊谷さん:カーボンの堆積が、これまで見た中で最もひどいレベルでした。原因はいくつかの要因がからみ合っていると思われます。8万キロの中古エンジンに載せ換えているそうですが、このエンジンが載せ換えられるまでにどんな乗り方やオイル管理をされていたかも影響していると思います。 ーーこのエンジンが載せ換えられるまでに、どんな乗り方がされていたと推測されますか? ◆熊谷さん:近距離移動の「ちょい乗り」が多かったり、渋滞によるストップ&ゴーが頻繁だったりするシビアコンディションが多かったと推測されます。 「ちょい乗り」やストップ&ゴーの繰り返しは、低回転走行により理想的な燃焼がしにくくなり、カーボン発生の原因になります。 さらにエンジンオイルの温度が低いままだと、性能が発揮できずエンジンの消耗が進み、ブローバイガスが増えて、これもカーボン発生の原因になります。 この堆積したカーボンがピストン、シリンダー、バルブシールの間に入り込んでしまうことで燃焼が悪くなり、さらにカーボンが溜まるという悪循環を生みます。 ーーオイル管理は、適切なサイクルで行われていなかったということでしょうか? ◆熊谷さん:交換時期というよりも、S2000に適したオイルを使用していなかったことでエンジンに負担がかかっていた可能性があります。 エンジンオイルにはポリマー(添加剤)が入っていますが、オイルが熱して冷えたり水分を含んだりを繰り返すうちに、ポリマーが分解されて泥状の沈殿物、いわゆるスラッジになります。 質の良くないエンジンオイルだと、スラッジが出やすくなります。さらにスラッジがオイルと一緒に回ってしまうと、仮にその後良いオイルを使ったとしても性能は落ちます。ピストンリングに堆積すると燃焼室にも入り込み、オイル上がりを起こします。 筆者の1基目のエンジンが17万キロを迎えた頃、当時お世話になっていた主治医からオーバーホールの提案があった。が、当時の筆者は予算の事情もあり、結局中古エンジンへの交換を選ぶ。そして主治医に無理を言って探していただいたのが、現在のエンジンだ。 ▲筆者のエンジンはオイル上がりを起こし、ブローバイガスが増えていたはずだ[写真提供/ComeTec] ーー最初に「いくつかの要因」とおっしゃっていましたが、他にはどんなダメージが考えられますか? ◆熊谷さん:S2000が高回転型エンジンであるがゆえのダメージですね。一般的な自動車よりも1000回転以上多いS2000の圧縮比は11.7対1と高いため、シリンダーやピストンに負担が掛かります。元々強くつくられているものの、通常より消耗は早く、劣化にともなって出力も低下していきます。 ▲摩耗したピストン[写真提供/ComeTec] ▲シリンダーも摩耗していた[写真提供/ComeTec] ●あらゆる部品を交換 さらにエンジン周りのあらゆるパーツが、経年劣化によって交換レベルに達していた。 乗り始めてまもなく交換したラジエーターも樹脂部分がボロボロに。 エンジンマウント、ミッションマウント、ノックセンサー、オルタネーター、O2センサー、サーモスタット、オイルポンプ、ウォーターポンプなどが交換となった。 エンジンハーネスは熱で損傷。 始動不良の原因にもなっている可能性があるという。 ありがたいことに、ストック部品を使って新調することになった。 エンジンハーネスは今後、供給が危ういとされる部品のひとつでもある。 「ストックしておくのがおすすめです」と熊谷さん。 ●ヒーターバルブの破損 ▲ヒーターバルブが割れている。いつ水漏れしてオーバーヒートしてもおかしくない状態だった[写真提供/ComeTec] ●アクセルワイヤーの劣化 ▲ケーブルの表面被覆材が剥がれ、要交換レベル。そしてアクセルワイヤーはすでに廃盤。生産はもちろんメーカーも在庫はないため中古品で対応[写真提供/ComeTec] ●エンジンマウントの破損 ▲ちぎれたエンジンマウント。かなりの振動があったはずだが、毎日乗っていると劣化のサインにも気づきにくくなってしまうそう。今後は定期的なメンテナンスを心がけたい[写真提供/ComeTec] ■油膜の厚い高性能なオイルと「適度なドライブ」でエンジンを保護 S2000といえば、エンジンオイルはどんなものを使うかがよく話題になる。熊谷さんに「良いエンジンオイル」について尋ねてみた。 ◆熊谷さん:S2000にとっての良いエンジンオイルとは「エンジンを保護するオイル」です。油膜の厚い高性能なオイルがおすすめです。 エンジンオイルは冷却、潤滑、汚れを取るなど、いくつもの役割をもちます。それがひとつでも欠けると、エンジンにダメージを負わせてしまいます。S2000のエンジンは高回転型で慴動部が多く、オイルに要求するレベルも高いだけに、役割がひとつ欠けたときのダメージも大きくなります。 当社では、24時間耐久レースで使われているものと同じエンジンオイルをおすすめしています。Moty'sのM111(5W-40)は、強力な油膜でピストンの摩耗を防ぎ、気密性も向上するのでブローバイガスの排出量を減少させてくれます。さらに洗浄性能の高さも大きな特徴です。このオイルを使ってレースでトラブルなく完走できているので、安心して使えますよ。 ーーオイル管理とともに心がけるべきことがありますか? ◆熊谷さん:1度のドライブはできるだけ長距離を走り、ときどきエンジンを回してあげてください。また、カーボンを分解してくれるガソリン添加剤での定期的なクリーニングがおすすめです。そして何よりも愛情をもってS2000に接してあげてください。 ●よみがえるF20C 筆者のくたびれたエンジンは新品に近づいた。 バルブシートカットを行い、バルブの気密性を改善。摩耗したピストンは新品に交換。シリンダーヘッドとブロックは面研して修正された。 ▲シリンダーヘッドはダミーヘッドボーリング、ホーニングされている[写真提供/ComeTec] ■この先、S2000を手に入れたい人へ 最後に、この先S2000を購入する際の注意点を熊谷さんに伺った。 ーーS2000の中古車を購入する前にまず、決めておいたほうが良いことはありますか? ◆熊谷さん:AP1とAP2、どちらの型に乗るかを決めておいたほうがいいでしょう。型式にこだわらずS2000というクルマが欲しいなら、AP2をおすすめします。年式が新しいぶん故障が少ないことと、今後最後まで生産され続ける部品は、AP2の最終モデルが中心になると思われるからです。 ーー程度の良い個体の競争率は高く、一刻も早くキープしたいと思われている方がほとんどだと思います。実際に店へ足を運んでの現車確認は大切ですか? ◆熊谷さん:大切だと思います。試乗が可能であれば必ず乗って、変な振動や異音がしないか確認しましょう。 例えば、S2000はもともとリヤのハブベアリングが強くありません。そこが傷んでいる個体は、乗ってみると高音で引きずるような、あるいは唸るような異音がするはずです。しかも一定の速度域でしか症状が出ないこともあるので、できれば速度域ごとの確認もしたほうがいいかもしれません。 ーーもし試乗が難しい場合は、どんなポイントを重点的にチェックしておくと良いのでしょうか? ◆熊谷さん:S2000はサーキットで酷使され、エンジンを消耗している個体が多いです。できるだけ状態の良いエンジンを選びたいですね。最も素早く見分ける方法は、煤の付き方でしょうか。マフラーのテールとバンパーが煤けている個体は避けたほうが良いでしょう。 外観では、色褪せと幌の状態をチェックしてください。レッドやイエローのボディカラーを選ぶ際は色褪せしやすいです。 ちなみに、特に色褪せしやすいレッドやイエローなどは屋内保管推奨ですが、露天駐車がやむを得ない場合は、2〜3年おきにコーティングして、できるだけ塗装を長持ちさせるようにすると良いでしょう。全塗装するのも手ですね。色にこだわりがなければ、色褪せが目立ちにくいシルバーやホワイトを選ぶのもありです。 幌は、10年を越えていれば張り替えがおすすめです。穴やヒビが入っていないかをチェックしましょう。今は社外品でも質の良い幌があります。カラーも豊富なので好みの幌を選んでみるのも楽しいですね。 ▲レッドやイエローは色褪せしやすい。部分的に塗装していると、経年劣化によって色のばらつきが出ることも ーー極端に低走行な個体も見かけますが、そのような個体はどこに注意すれば良いでしょうか? ◆熊谷さん:例えばAP1(初期型)で約8万キロ走行の個体があったとします。年式にしては低走行だからといって、状態が良いとは限りません。サーキットで消耗しているかもしれないですし、「ちょい乗り」によってカーボンの堆積があるかもしれません。 S2000は高回転型エンジンで消耗が早いぶん、8万キロだとコンディションが落ちている個体が多いはずです。走行距離よりも「どんな乗られ方をしてきたか」に注意したほうが良さそうです。 ●「リフレッシュ費用」込みで購入計画を ーーお話を伺っていると、購入してから何らかのトラブルに見舞われる可能性が高い気がしますね。 ◆熊谷さん:そうですね。現在流通している個体は、10万キロ以上のものがほとんどだと思われます。車齢20年以上といえば、通常なら寿命を迎えているはずです。 購入の際はぜひ、リフレッシュ費用込みで予算を組んでいただきたいです。ゴム類、マウント、パッキン、などの消耗品交換からオイル漏れ対策なども必要になります。しかし骨格がしっかりしているなら、新車に近いレストアもできます。メンテナンス次第で良い状態のS2000と長く付き合えると思います。 ーー今回の修理でリフレッシュがどんなに大事かをあらためて実感しました。納車当時の16年前の気持ちを思い出し、愛情をもって乗っていきたいと思います。ありがとうございました! ■取材後記 プロの手に委ねてみて、気づきはもちろん反省点が多すぎた。16年間どれだけボーッと乗ってきたかを痛感した…。 この先はエンジンだけでなく、コンピュータや足回りなど、他の部分の問題も抱えるかもしれない。 できるだけ対応しつつS2000と長く暮らしたい。「人生の相棒」となるように…。 最後に、丁寧な作業とアドバイスをくださった「ComeTec」さんに感謝申し上げます。 [取材協力]ComeTec 広島県福山市神村町2107-2公式HP:https://www.cometecracing.com/Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100032848646363 [ライター・撮影/野鶴美和] 

車のフレームの種類は?修理が必要なケースも紹介
旧車の再生と維持 2023.10.31

車のフレームの種類は?修理が必要なケースも紹介

車の運転中に誤って物にぶつけてしまったり、事故に遭った際に、車のフレームが損傷する場合があります。車のフレームが損傷した場合、買い替えるか修理で直すか悩む方は多いのではないでしょうか。 この記事では、車のフレームの基本的な構造や、フレームの損傷によってどのような影響が出るのかについて詳しく解説します。 修理費用や修理にかかる期間も紹介するので、車のフレームを修理するか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。 車のフレームとは 車のフレームとは、車の骨組み・土台部分のパーツのことです。車のボディの形状を保ち、走行時の安定性に影響を与えます。 フレームは車体の安全面でも重要な役割を担っているため、フレームが損傷したまま運転すると車が真っすぐに走れず、安全性に大きな影響を与えます。そのため、フレームに傷がついてしまった場合は、細部までチェックしましょう。 また、車検でもフレームの状態は検査対象です。フレームの損傷を修復していないと安全性が低いと評価されて車検に通らない可能性があるため注意しましょう。 車のフレームの種類 現在、多くの車のメーカーが採用しているフレームはラダーフレーム構造とモノコック構造の2種類です。それぞれの構造の特性について詳しく解説します。 ラダーフレーム構造  ラダーフレーム構造とは、はしご(ラダー)のような形をしたフレームを、ボディと組み合わせて車体を完成させる構造のことです。フレームとボディの両方にある程度の耐久性が備わっているため、外部からの衝撃に対して強いとされています。 ラダーフレーム構造の車は、衝突したり横転しても故障しにくいため、クロスカントリーモデルやトラックなどに多く利用されています。 デメリットは、フレーム自体が重くなりやすいことです。車輌が重くなると燃費にも影響するため、モノコック構造と比較すると燃費効率が悪くなりやすいでしょう。 モノコック構造  モノコック構造とはボディとフレームが一体化した構造で、車体が箱のような形をしています。組み立てるときに使用する部品が少なく、軽量化を実現しやすいというメリットがあります。また、車が衝突しても車体全体に衝撃を分散できるため、運転者や同乗者への衝突の影響を和らげる効果も期待できるでしょう。 デメリットは、強い刺激に耐えられずフレームが大きく損傷する可能性があるところです。高い安全性が見込まれる構造ですが、車をぶつけてしまったときに想像よりも大きな損傷が発生する危険があります。 車のフレームの修理が必要になるケース 車のフレームの修理が必要なケースは以下のとおりです。 ・側溝への脱輪 ・縁石への衝突 ・車同士の衝突 それぞれのケースの例を紹介します。 側溝への脱輪  車の車輪が側溝にはまってしまい脱出不能になってしまうと、フレームに歪みが生じ、修理が必要なケースがあります。 見た目でフレームの損傷がわからない場合も、車を走らせたときに、車が左右どちらかに曲がってしまう場合はフレームに異常があると考えられるため、修理が必要です。 また、側溝へ脱輪したときに車の下から液体が漏れている場合は、車を走行させてはいけません。レッカーサービスを要請し、修理工場に運んで修理してもらいましょう。 縁石への衝突 車が縁石へ衝突した場合も車のフレームの修理が必要な場合があります。見た目には損傷がないように見えても、フレームが損傷している可能性があります。 縁石へ衝突した後に、運転していてハンドルのアライメントがズレているなど、走行中に違和感を覚えたら修理が必要です。 また、縁石に衝突した場合は、物損事故として扱われるため、警察に報告しましょう。警察に報告しなければ、交通事故証明書を発行してもらえません。交通事故証明書がないと、損害賠償や修理費用が発生した場合、自費で支払うことになってしまいます。必ず警察に報告しましょう。 車同士の衝突 車同士が衝突した場合もフレームが歪む可能性があります。他のケースと同様に、見た目で損傷がわからない場合も、走行したときに左右どちらかに曲がるといった異常があれば、修理業者に見てもらいましょう。 車のフレームがダメージを受けたときのサイン 見た目ではフレームの損傷がわからない場合でも、先に述べたように車を走行しているときに真っすぐ走らないといった異常が発生します。 真っすぐ走らない以外の車のフレームがダメージを受けたときのサインは以下のとおりです。 ・凹凸の激しい路面を走るときに普段よりも安定して走れない ・タイヤのすり減り方が均等でない ・思うようにハンドル操作できない フレームが損傷し車体のバランスが崩れると車体が傾くため正常に走りづらくなります。これらの異常があるときは、修理業者に点検を依頼しましょう。 車のフレームを修理すると修復歴がつく  車のフレームを修理すると修復歴がつきます。中古車として売却する際に、一般的な相場に比べて売却額が安くなる可能性があります。 しかし、修復歴をつけたくないからといってフレームの損傷を放置すると、大きな事故に発展する可能性があるため、必ず修理業者に点検を依頼しましょう。  車のフレームは修理工場に依頼することが一般的 車のフレーム修理は、板金加工ができる修理工場へ依頼することが一般的です。修理工場以外にも、ガソリンスタンド、カー用品店へ依頼できます。普段からお世話になっているディーラーがいれば、そちらに依頼するのもよいでしょう。 ただし、ディーラーやガソリンスタンド・カー用品店に依頼する場合、板金加工が必要な修理は下請けの専門業者へ依頼するため、中間マージンがかかってしまい、修理費用が高額になります。 また、軽い歪みならDIYで直せると考える人もいると思いますが、フレームの修理には車の専門的な知識と板金加工の技術がないとできません。専用の機械を使って繊細な作業を行うため、プロであっても熟練の技術がなければ失敗する可能性があります。車の整備や修理の経験がない人は、DIY修理はやめておきましょう。 車のフレームの修理費用 フレームは他の部品よりも修理に手間がかかるため、小さな損傷でも10万円以上かかることが多いです。損傷がひどい場合や、モノコックフレームのように使われている部品が少ないモデルだと100万円前後かかる場合もあります。 修理費用次第では、買い替えも視野に入れたほうがよいでしょう。もし同じ車に乗り続けたい場合は、高額になることを理解したうえで、事前に見積もりをしてから修理を依頼しましょう。  車のフレームの修理期間 車のフレームの修理は即日では完了しません。最短でも数日程度はかかります。また、損傷具合がひどい場合は作業工程が増えるため、数週間から1ヶ月程度かかることもあるでしょう。 日頃の移動手段が車しかない場合や、仕事の都合で車移動しなければならない場合は、修理期間中の代車の手配も検討しましょう。  まとめ  車のフレームは車の土台・骨組みの部分です。そのため、車のフレームが損傷すると安全に車を走行できません。見た目でわからなくても、歪んでいる可能性はあるため、車を側溝に脱輪させたり、物や車に衝突させてしまったりしたときは、修理業者に点検に出しましょう。 フレームの修理は手間がかかるため、費用が高額になることがあります。フレームの損傷がひどい場合は、買い替えを検討したほうがよい場合もあるでしょう。また、修理には最短でも数日、損傷具合がひどい場合は数週間から1ヶ月程度かかることがありますので、車がないと生活に支障が出る人は代車の手配を検討しましょう。     

ブラックアイスバーンとは?事故を起こさないための対策方法も紹介
旧車の再生と維持 2023.10.27

ブラックアイスバーンとは?事故を起こさないための対策方法も紹介

路面が凍結しているアイスバーンにはいくつか種類があり、発生する場所や滑りやすさがそれぞれ異なります。なかでも「ブラックアイスバーン」はとても滑りやすく、見落としてしまう可能性が高いため、特に注意が必要です。この記事では、ブラックアイスバーンについて解説するとともに、事故を起こさないための対策方法を紹介します。 ブラックアイスバーンとは ブラックアイスバーンとは、寒冷地域や寒冷時期に路面が凍結する現象のことです。外気温の低さにより路面の水が薄い氷の膜となってしまい、スリップを起こしやすく、事故につながる恐れがあります。道路上の雪が溶けたときや、寒冷時季の雨が降った後の夜間から明け方にかけては、特に発生しやすいため注意して運転しましょう。 特徴 ブラックアイスバーンは雪が降り積もった道路に比べて滑りやすく、スタッドレスタイヤでもスリップするケースもあるため大変危険です。 また、路面が濡れているだけのように見えるものの、実は凍結しているためアイスバーンよりも見落としやすい傾向があります。道路や歩道上の氷は、基本的に白いため路面が凍結していることを把握できるでしょう。 一方、ブラックアイスバーンは透明であるため、アスファルトが濡れているだけと誤認識してしまう恐れがあります。特に夜間は視界が悪く、見落とす確率が高まるため、日中よりも注意して運転しましょう。 なお、アイスバーンには「圧雪アイスバーン」や「ミラーバーン」もあります。圧雪アイスバーンとは、行き交う車のタイヤで雪が踏み固められ、硬く圧縮された状態のことです。アイスバーンの種類のなかで最も滑りにくいものの、雨が降ったり表面の雪が溶けてしまうとスリップしやすくなるため注意しましょう。 ミラーバーンとは、行き交う車のタイヤで雪が磨かれ、鏡のように路面が凍結している状態のことです。ヘッドライトや太陽光に反射しやすいため、ブラックアイスバーンより認識しやすい特徴があります。 発生しやすい場所 ブラックアイスバーンが発生しやすい場所は、以下のとおりです。 ・日陰・トンネルの出入り口・橋の上 日陰は太陽光が当たりにくいため、ブラックアイスバーンが発生しやすい場所です。たとえば、建物の陰になるエリアや森林内などに発生しやすく、1日中晴れていても氷が溶けないケースもあります。冷え込んだ天気のよい朝や気温が低い日は、なるべく日陰を避けて運転しましょう。 また、トンネルの出入り口は日陰になっている時間が長く、冷たい風が強く吹くためブラックアイスバーンが発生しやすい場所です。橋の上も冷たい風が吹くほか、地熱が橋上まで届かないため、ブラックアイスバーンが発生しやすい傾向にあります。周辺の道路は凍結していなくても、橋の上だけに発生しているケースもあるため、十分に速度を落として走行しましょう。 なお、圧雪アイスバーンやミラーバーンは、行き交う車のタイヤが路面を圧雪したり磨いたりする交差点付近に発生する傾向があります。スリップすると交差点を飛び出す危険性があるため、十分に減速しましょう。 ブラックアイスバーンでの制動距離 ブラックアイスバーンの制動距離は、ウェット路面よりも長いため、注意して運転する必要があります。JAF(日本自動車連盟)で実施された測定テストでは、以下の制動距離が立証されています。 ・ウエット路面 11m・圧雪アイスバーン 20.2m・ブラックアイスバーン 69.5m・アイスバーン 84.1m ※スタッドレスタイヤを装着して40km/hでABSが作動するほどの急ブレーキをかけた場合 参考:JAF公式サイト『路面は黒いけど止まれない「ブラックアイスバーン」とは・・・?』 制動距離とは、ブレーキをかけてから実際に車が停止するまでの距離です。ブラックアイスバーンは通常のアイスバーンより短いものの、ウェット路面より6倍以上の制動距離がかかります。ただのウェット路面だと誤認識し、11m手前でブレーキをかけると、事故を起こす可能性が高いため注意が必要です。 また、実際にブレーキが効き始めるまでの「空走距離」も考慮したうえで、早めに減速しましょう。 ブラックアイスバーンの対策 ブラックアイスバーンを走行する際は、スピードを落としたりポンピングブレーキしたりしてスリップ事故を防ぎましょう。続いて、ブラックアイスバーンの対策を紹介します。 スピードを落とす ブラックアイスバーンでは、走行速度が速いとさらに制動距離が伸びるため、スピードを落として走行しましょう。普段より早めにブレーキを踏んで減速することを意識してみてください。 また、前方車や後方車と十分な車間距離を保つことも重要です。仮に前方車がスリップした場合でも、十分な車間距離が保たれていれば事故を防げる可能性があります。誰がスリップしても、事故を最小限に抑えられるよう十分な車間距離を確保して運転しましょう。 ポンピングブレーキする ブラックアイスバーンで通常どおりのブレーキをかけると、急な制動力が加わることにより車がスリップする可能性があるため、ポンピングブレーキを活用しましょう。ポンピングブレーキとは、停止したい地点よりも前に、何回かに分けて浅めのブレーキを踏むことです。 特に、タイヤのロックや制御不能を防止する「ABS」が搭載されていない車は、スリップする可能性が高いため、急ブレーキをかけないよう注意してください。また、ポンピングブレーキは余裕を持って減速できるほか、後方車にブレーキを促すメリットもあります。 ブレーキを踏む&ハンドルは動かさない ブレーキを踏む際には、ハンドルの動作にも気をつけましょう。車がスリップする原因のほとんどは、ハンドルを動かしてしまうことです。ハンドルを動かすほど車体が不安定になるため、なるべく余計な操作は行わず、真っ直ぐ走行できるよう心がけてください。なお、ハンドルを動かさなければならない状況では、緩やかなハンドル操作を意識して運転しましょう。 まとめ ブラックアイスバーンとは、寒冷地域や寒冷時期に路面が凍結する現象です。雪が積もった路面より滑りやすい特徴があり、ブラックアイスバーンで急ブレーキをかけると、スリップしてしまうため大変危険です。色が透明で路面が濡れているだけのように見えるため、ブラックアイスバーンだと気づかずに走行してしまう危険性もあります。 また、ブラックアイスバーンはウェット路面よりも6倍以上の制動距離がかかるため、注意して運転しましょう。万が一ブラックバーンを走行する場合は、スピードを落としたりポンピングブレーキを活用したりして、なるべくハンドルを動かさないように運転してみてください。

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?
旧車の再生と維持 2023.10.18

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車の下側を覆っているアンダーカバーは、部品の保護や空力に貢献している重要なパーツです。アンダーカバーが壊れてしまったら、早めに修理をしたほうがよいのでしょうか。今回は、車のアンダーカバーを修理するときの依頼先や費用の目安などについて紹介します。 車のアンダーカバーが壊れる原因 車の下側を覆っているアンダーカバーは単なるカバーではなく、車の部品を保護したり空力性能を向上させたりする重要なパーツです。段差を越えるときに擦ったり、路面の凹凸や落下物を左右のタイヤで跨ぐように通過したときに当たったりすることで、外れたり壊れたりします。 車のアンダーカバー修理の依頼先と特徴 アンダーカバーは、ディーラーや修理工場などで直すことができます。ただし、修理を依頼する場所によって直し方や修理費用が異なることがあるため、ディーラーと修理工場の両方に連絡し、見積もりを取ったうえで修理の依頼先を決めましょう。 ディーラーの特徴 ディーラーは信頼性が高く、安心して任せることができます。また、純正パーツを使用することがほとんどのため、パーツのズレやガタつきがないことも特徴です。 修理工場の特徴 修理工場の場合は依頼先を自分で探すところから始めなければなりません。整備や修理の質は依頼先によって異なります。部品は、新品の純正パーツだけでなく、中古品やリビルト品を選ぶこともできます。 車のアンダーカバーの修理にかかる期間 アンダーカバーの修理期間は、損傷の程度や部品の有無によって異なります。 カバーが外れただけであれば、クリップまたはビス止めをするだけで修理が完了するため、数時間で終わるでしょう。 しかし、アンダーカバーそのものを交換したり、部品在庫がなかったりする場合は時間がかかります。すぐに直せない場合は、取り寄せや部品交換にどのくらいの時間や期間がかかるかディーラーや修理工場に聞いてみましょう。 車のアンダーカバーの修理にかかる費用 アンダーカバーの修理にかかる費用は、カバーがどの程度損傷しているかによって異なります。 アンダーカバーの破損や変形などがなく、クリップやビスが外れただけであれば、数千円程度で直せることがほとんどです。しかし、アンダーカバーそのものを交換する場合は、アンダーカバー代やクリップ・ビス代、工賃などがかかるため、総額数万円になるでしょう。 車のアンダーカバーの修理費用を抑える方法 アンダーカバーの修理費用を抑えたい場合は、ディーラーと修理工場の両方から見積もりを取りましょう。相見積もりを取ることで、修理費用の相場がわかります。修理の質や対応の丁寧さなどを総合的に見て、依頼先を決めましょう。 車のアンダーカバーの応急処置 車のアンダーカバーが外れたときは放置せず、ガムテープで仮止めしましょう。 外れたカバーをそのままにしておくと、カバーが引きずられ、損傷の範囲を広げてしまったり、後続車に部品が飛散して事故を誘発したりする可能性があります。 まとめ 車のアンダーカバーは、車の部品を保護したり空力性能を向上させたりする役割がある重要なパーツです。アンダーカバーが損傷すると、思わぬトラブルや事故に発展することもあるため、カバーが壊れていることに気がついたら早めに修理をしましょう。 アンダーカバーは車の下側のパーツであるため、目に入りにくく、損傷していることに気づきにくいパーツです。運転前には、車の前後左右だけでなく、下部に障害物や損傷がないか確かめてから運転し始めることが大切です。

クルマのオイル漏れの修理方法とは?修理費用とオイル漏れの原因、対処法についても解説
旧車の再生と維持 2023.10.18

クルマのオイル漏れの修理方法とは?修理費用とオイル漏れの原因、対処法についても解説

クルマには、さまざまなオイルが使われています。これらのオイルが漏れてしまうと、気密性が失われ、走行に不具合が起きるなど、さまざまなトラブルが発生します。また、オイル漏れに気づかなかったり、オイル漏れを放置したりすると、クルマを動かせなくなることもあるため、日々のメンテナンスは欠かせません。 この記事では、オイル漏れの修理費用をさまざまな事例を挙げて解説しながら、オイル漏れの種類やオイル漏れが起きたときの対処法についても解説していきます。 クルマのオイル漏れの確認方法 オイル漏れは、レベルゲージのチェックや漏れ出している液体の色・臭い・粘度などで確認できます。 ここからは、オイル漏れの確認方法について紹介します。 オイルレベルゲージを確認する オイル漏れの可能性があるときは、エンジンが冷えているときにエンジンルーム内のオイルレベルゲージを抜き出してオイルの量を確認しましょう。最低量を下回るほどオイルが減っていたときはオイルが漏れている可能性が高いです。 オイルレベルゲージの場所はクルマによって異なるため、取扱説明書でオイルレベルゲージがどこにあるか確認しましょう。 漏れている液体を確認する クルマの下に漏れ出した液体の特徴からもオイル漏れを確認できます。 次のような特徴があるときは、オイル漏れの可能性が高いです。 ・色が茶色や黒・粘度がある・触るとベタッとしたりヌルヌルしたりする クルマのオイル漏れには「内部漏れ」と「外部漏れ」の2種類がある クルマのオイル漏れには、エンジンの内部でオイルが漏れ出す「内部漏れ」と、エンジンの外側にオイルが漏れ出す「外部漏れ」があります。 ここからは、それぞれのオイル漏れの特徴や原因について解説します。 内部漏れの原因 内部漏れとは、エンジンの燃焼室の内部にオイルが漏れ出している状態です。 エンジンの燃焼室は、バルブステムシールとピストンリングによって遮断されており、オイルが侵入しないようになっています。しかし、部品の経年劣化や摩耗が進むと、燃焼室にオイルが入り込んでしまいます。その結果、爆発時にオイルと混合気(空気とガソリンとが混ざり合ったもの)が一緒に燃え、マフラーから白煙が出ます。 また、内部漏れには2種類あり、それぞれの違いは以下のとおりです。・オイル上がり:ピストンリングの摩耗によって発生するオイル漏れ・オイル下がり:バルブステムシールの劣化で発生するオイル漏れ エンジンの内部のため、外から見分けることはできませんが、加速するときに白煙が出る場合はオイル上がりの可能性があります。一方で、減速時やエンジン始動時の白煙が出るのであればオイル下がりの可能性が高いです。 外部漏れの原因 外部漏れとは、オイルがエンジンやトランスミッションの外部に漏れ出している状態です。クルマを止めてあった場所にオイル染みが残るといった症状が現れます。 オイルの出入り口であるオイルエレメントやドレンボルトや、エンジンのヘッド部分を覆うタペットカバー、オイルを溜めておくオイルパンなど、オイル漏れが懸念される箇所には、簡単に漏れ出さないようにパッキンやガスケットなどが取り付けられています。しかし、これらのパーツは経年劣化や走行距離が原因で、密閉能力が低下し、オイルが外に漏れ出してしまうことがあります。 外部漏れは、エンジンの焼き付きや車輌火災などの重大なトラブルの原因にもなりかねないため、駐車場所の地面にオイル染みを見つけた場合には早急に対処しましょう。 クルマのオイル漏れの応急処置 クルマのオイル漏れは重大な事故や故障につながる可能性があり、発見したらなるべく早く対処する必要があります。まずは、自分でできる応急処置の方法を紹介します。 オイルの補充 オイル漏れによりオイルの量が減っているときは、オイルを補充しましょう。オイル量を少ないままにしておくと、エンジンがオーバーヒートする可能性があるだけでなく、最悪の場合はエンジンの焼き付きにつながります。 ただし、あくまでも応急処置に過ぎないため、オイル補充したらなるべく早めにディーラーや修理工場などに持ち込んで修理を依頼しましょう。 オイル漏れ止め剤の使用 オイル漏れ止め剤を使用することで一時的にオイル漏れを止めることができます。ただし、オイル漏れを止める成分が入っている添加剤でなければオイル漏れを止められないため、添加剤は慎重に選びましょう。 また、オイルの補充と同様に応急処置のため、添加剤を入れたら早めにディーラーや修理工場などにクルマを持ち込んで修理してください。 クルマのオイル漏れが起きたときの相談・依頼先 クルマのオイル漏れの応急処置を紹介しましたが、最終的には専門業者に修理を依頼する必要があります。ここでは、オイル漏れが発生した際にどこに相談したらよいのか、どこに修理を依頼したらよいのかについて解説します。 ロードサービスを利用する オイル漏れがひどく、一刻も早くディーラーや修理工場で修理をしなければならないときは、ロードサービスでクルマを移動してもらいましょう。 JAFのほか、自動車保険に付帯されているロードサービス、ディーラーの積載車による移動などを利用します。 ディラー、もしくは整備工場に入庫する オイル漏れが発生してしまった場合は、ディーラーや整備工場などに依頼し、原因の特定や部品の交換を行いましょう。 先述の通り、オイル補充やオイル漏れ止め剤などは、あくまでも応急処置です。これらは修理ではないため、オイル漏れに気がついたときやオイル漏れの疑いがあるときは、なるべくはやくプロに修理を依頼するようにしてください。 クルマのオイル漏れの修理費用の目安  オイル漏れの修理費用は、その原因や修理する箇所によって大きく異なります。 ここからは、「内部漏れ」と「外部漏れ」のそれぞれ修理費用を具体的な事例を挙げて解説します。 内部漏れの修理費用 内部漏れの修理費用は、オイル上がりなのかオイル下がりなのかによって異なります。 修理部品 費用 ピストンリング(オイル上がり) 20万〜100万円以上 バルブステアシール(オイル下がり) 10万〜20万円程度 オイル上がりはピストンリングの摩耗によって発生します。交換するにはオーバーホールに近い作業が必要で、安くても20万〜30万円程度の修理費用がかかります。さらにエンジンが高性能の場合は、100万円以上の修理費用がかかることも珍しくありません。 オイル下がりはバルブステアシールの劣化によって起こるため、対象の部品の交換が必要です。タペットカバー、カムシャフト、ロッカーアームなど複数の部品を外して交換する手間があるため、10万~20万円程度の修理費用がかかります。 外部漏れの修理費用 外部漏れの修理費用は、漏れている場所によって変わってきます。 修理部品 費用 ドレンボルトパッキン 5,000〜1万5,000円程度 オイルフィルター 5,000〜1万5,000円程度 タペットカバーパッキン 1万5,000〜2万円程度 オイルパン 4万〜5万円程度 シリンダーヘッドガスケット 10万〜20万円程度 ドレンボルトパッキン、もしくはオイルフィルターからのオイル漏れによる修理費用は、5,000〜1万5,000円程度です。部品自体は高くても3,000円程度ですが、交換の作業でオイルが抜けるため、部品代にオイル代が追加されます。 タペットカバーからのオイル漏れによる修理費用は、1万5,000〜2万円程度です。ただし、輸入車は部品代が高額なため、倍近い修理費用がかかる場合があります。 オイルパンの修理には、4万〜5万円ほどかかります。こちらもタペットカバーと同様に輸入車のほうが費用が高く、10万円を優に超えるケースも珍しくありません。オイルパンは経年劣化のほかに縁石への乗り上げで損傷することもあるため、普段の取扱いに注意すると修理費用を抑えられるでしょう。 外部漏れの修理の中で最も修理費用がかかるのは、シリンダーヘッドガスケットの交換です。シリンダーヘッドガスケットは、シリンダーの内圧を外に逃がさないための部品です。さらに、シリンダー内のオイルと冷却水を分離する役割もあるため、エンジンに用いられるガスケットの中で最も高い強度が求められます。修理費用は、軽自動車で10万円程度、V型エンジン搭載車は手間も部品代も倍になるため、20万円程度を見込んでおく必要があります。 クルマのオイル漏れを防ぐ方法 オイル漏れは、部品の経年劣化や部品に衝撃・負荷がかかることで発生します。そのため、オイル漏れを完全に防ぐことはできません。 しかし、オイル交換を適切なタイミングで行うことで、オイル漏れを予防したり、遅らせたりすることができます。オイルは、走行の有無に関わらず、空気に触れると少しずつ酸化します。そして、その酸化したオイルはバルブステムシールやタペットカバーパッキンといったゴムの部品を傷め、オイル漏れにつながってしまうのです。 オイル漏れを早期発見するためにも、定期点検を欠かさずに実施し、違和感や異常を少しでも感じたときは、すぐに点検してもらうようにしましょう。 まとめ ここまで、オイル漏れの種類や対処法、さらには修理費用やオイル漏れを防ぐ方法などについて紹介してきました。 エンジン警告灯やオイルの警告灯などが点灯したときは、クルマの内部で異常が起こっているサインです。警告灯が点灯したら安全な場所にクルマを止め、その警告灯の意味やその後の対処法を確認してください。急を要する場合は、JAFやレッカーを呼んでクルマを移動させましょう。 駐車していた場所にシミができた場合は、クルマから何かが漏れている証拠です。エアコンの水や排出ガスに含まれる水分であれば問題ありませんが、シミになっている場合は、水以外の液体が漏れている可能性があります。この場合は、ディーラーや修理工場などに連絡して早めに点検してもらいましょう。 先述の通り、オイル漏れの箇所や修理費用はさまざまですが、共通していえることは早めに気づいて対処することです。また、オイル交換とオイル漏れは密接に関係しているため、日頃からこまめにメンテナンスを行いましょう。

コンパウンドを正しく使用してキズを手入れしよう
旧車の再生と維持 2023.10.17

コンパウンドを正しく使用してキズを手入れしよう

草むらを走行しただけで車に擦り傷がついてしまったり、洗車をしただけなのに車の表面がギラギラと乱反射してしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。このような経験談からもわかるように、車の塗装は意外にも弱く、大切に扱っていてもいつの間にか小さな傷がついていることがあります。 大切な車であれば、いつまでも綺麗な状態で長く乗り続けたいものです。万が一傷ついてしまった場合には、コンパウンドで手入れをしてみてはいかがでしょうか。 この記事ではコンパウンドで傷が消える理由やその使い方を解説します。自分で車の小さな傷の手入れをしたい方は参考にしてみてください。 コンパウンドを使うと傷が消えるのはなぜ? コンパウンドとは、車の傷を目立ちにくくするために使われる液体やペースト状の研磨剤です。車の塗装は、下地、ボディカラー、クリアといくつもの層になっています。コンパウンドを使うと、研磨粒子が塗装の表面であるクリア面を転がって研磨されます。この研磨によって、塗装表面の段差が滑らかになり、傷が見えにくくなるのです。 コンパウンド消える傷と消えない傷 コンパウンドは、塗装のクリア面についた浅い傷は消せますが、深い傷は消せません。ここからは、コンパウンドで消せる傷と消せない傷について解説します。 浅い傷は消える コンパウンドで消せるのは、塗装の1番表面のクリア塗装についた傷です。消せるかどうか不安な場合は、傷を指で触って凹凸があるかどうか確認するとよいでしょう。凹凸を感じない程度であれば、コンパウンドで消すことが可能です。 たとえば、車のドアを開けるときに爪や鍵が当たってしまったときや、洗車で拭き上げたときの傷であれば、コンパウンドで対処できます。 また、クリア塗装の奥にあるカラー層に若干の傷がついてしまった場合も、目立ちにくくすることができます。クリア塗装に留まっている傷と比べると仕上がりが劣るかもしれませんが、カラー層のわずかな傷であれば、コンパウンドの効果を得られるでしょう。 傷が深い場合は消せない クリア層とボディカラー層のどちらも剥がれてしまって下地塗装が見えている状態だと、コンパウンドでは消せません。 下地塗装は白やグレーが多く、深く傷ついた車はボディカラーと異なる色の傷が露出します。このように下地が見えている箇所にコンパウンドを使うと、塗装がさらに剥がれてしまい傷がより目立ってしまう可能性があるため、コンパウンドの使用は控えたほうがよいでしょう。 また、電柱やガードレールなどへの衝突による傷や、他の車の塗装が塗装の深くまで入り込んでいる傷も、コンパウンドでは消せません。ダメージが大きい場合は板金塗装などの業者に依頼しましょう。 コンパウンドの使い方 ここからは、コンパウンドの使い方について解説します。 まず作業を始める前に、磨き用のスポンジや布、拭き取り用のクロスなどの用意をしてください。手荒れが心配な方は、ゴム手袋を用意しておくとよいでしょう。 さらに、コンパウンドに含まれる薬剤により強い臭いが発生することもあるため、マスクも準備しておくと安心です。 また、ボディが熱を帯びた状態でコンパウンドをかけると、必要以上に塗装を落としてしまう可能性があるため、真夏や直射日光が当たる環境を避け、日陰で行いましょう。 これらの準備ができたら実際に研磨する作業に入ります。 コンパウンドで磨く コンパウンドを使って磨き始める前に、洗車をしてボディについたホコリや砂を落とします。ホコリや砂がついたまま磨くと、さらに傷が増えてしまうこともあるため注意してください。 ボディの汚れを落としたら、他のパーツや研磨する部位以外を傷つけないようにするため、マスキングテープを使ってコンパウンドで磨く部分の周辺をマスキングします。 また、コンパウンドは塗装部分には効果がありますが、タイヤやライトなどのパーツには悪影響を及ぼします。コンパウンドで塗装面以外を磨いてしまうとパーツが傷ついてしまうことがあるため、研磨する部分と塗装面以外のパーツが近いときは、広めにマスキングしておくとよいでしょう。 さらに、ドアやエンジンルーム付近など場所によっては、研磨剤や粉塵が車内に入らないようビニールで養生したほうがよい場合もあります。 コンパウンドで研磨するときは、布やスポンジに研磨剤をつけ、傷周辺に均等に塗布します。研磨する部分や傷の周辺に布やスポンジを数回押し当ててから磨き始め、縦・横と一方向に直線的に磨きましょう。円をかくように磨くと傷や色むらができてしまうことがあるため注意してください。 洗車 コンパウンドで磨くときは、最初に目が粗いコンパウンドを使い、順に目を細かくしていきます。 コンパウンドの目を変えるときは、一度洗車をして研磨剤を洗い流してから次のコンパウンドを使いましょう。洗い流さずに目を細かくしていくと、粗い目の研磨剤が残ったままとなり、傷が大きくなってしまう可能性があります。 また、洗車をするときに力強く擦ってしまうと、深い傷がつく可能性があるため、水で流す程度にしましょう。 クロスでコンパウンドを落とす 順に細かいコンパウンドへ変えていき、傷が目立ちにくくなったら、余分なコンパウンドを綺麗なクロスで拭き取ります。ボディにコンパウンドが付着したままにしておくと研磨剤がボディに残るだけでなく、塗装面が露出している状態となってしまい、塗装面の劣化が早まってしまいます。 また、余ったコンパウンドを拭き取る際も縦・横と一方向に直線的に動かして拭き取りましょう。拭き取ったときに、傷が目立ったり、研磨しきれていなかった傷が残っていたりするときは、再びコンパウンドをつけて磨きます。 鏡面仕上げのコンパウンドで磨く クロスでコンパウンドを落としたら、仕上げに非常に目が細かい鏡面仕上げのコンパウンドで磨きます。最も細かい粒子のコンパウンドで磨くことで、最初に磨いたものによる小さな擦り傷がより目立ちにくくなります。 また、目の細かいコンパウンドで磨いた際にも最後は綺麗なクロスで拭き取ることを忘れないようにしてください。 ボディの表面を保護する 仕上げを拭き取った後は、マスキングテープやビニールを剥がし、ワックスやコーティング剤などを使って最終的な仕上げを行います。 最後にワックスやコーティングをするとボディに艶がでて、傷がさらに目立ちにくくなるだけでなく、塗装を保護してくれる効果もあります。 車の塗装は、紫外線、ホコリ、排気ガス、酸性雨などによって劣化が進むため、仕上げのワックスやコーティングは塗装面を長持ちさせるうえで重要です。 コンパウンドを使っていいのかわからないときは業者に相談する コンパウンドは初心者でも傷を修復できる便利なものですが、間違った使い方をすると傷が余計に目立ってしまうことがあります。 そのため、コンパウンドを使うべきかわからない場合は、業者に依頼して傷を修理してもらうとよいでしょう。業者に依頼すると費用がかかってしまうものの、専用の機械や研磨剤などを使用し、技術があるスタッフが作業するため綺麗に仕上がります。 また、自分で磨きをする際、どの商品を選べばいいかわからない場合は、カー用品店のスタッフに相談しましょう。 コンパウンドの種類は多種多様で、液体のものもあればペースト状のものもあります。さらに、粒子の大きさも異なることから、車の傷に見合った商品を見つけるためにもプロの意見を聞いてからコンパウンドを購入するとよいでしょう。

旧車にガラスコーティングしても問題ないのか?メリット・デメリットを解説
旧車の再生と維持 2023.10.17

旧車にガラスコーティングしても問題ないのか?メリット・デメリットを解説

買った当初はピカピカで綺麗だった車も、年月が経つと色褪せたり、輝きを失ったり、塗装が剥げて、古く見えてしまいます。年月が経過した車を再び綺麗な状態に戻すためには「コーティング」が効果的です。しかしコーティングといってもさまざまな種類があり、どれを選べばいいのか迷う方もいるでしょう。 ボディの保護という面でも、見た目の美しさという面でも、特におすすめしたいのはガラスコーティングです。 そこで今回は、旧車にガラスコーティングをしても問題ないのかという点について詳しく解説します。あわせて、ガラスコーティングのメリットとデメリット、市販のコーティング剤の効果と注意点について紹介します。 車にガラスコーティングをしても問題ないのか? 一般的に、旧車にガラスコーティングをしても問題はありません。見た目を美しくしたり、傷や汚れなどから車本体を保護する目的で、ガラスコーティングはおすすめです。 実際に使用する前に、まずはガラスコーティングのメリットとデメリットについて詳しく確認しておきましょう。 ガラスコーティングのメリット ガラスコーティングをするメリットとしては、次の点が挙げられます。 ・傷や汚れから車体を保護できる・汚れがついても落としやすくなる・色あせや傷みを防げる・見た目が美しくなる・他のコーティングよりも効果が長く続く 車体にガラスコーティングをすると、見た目がピカピカになって美しくなるだけでなく、ホコリや小石、紫外線などから車体や塗装面を守り、長期間にわたって綺麗な状態を保てます。また、汚れがつきにくくなるため洗車時間も短縮できるでしょう。 車のコーティングには、ガラス系の他に、油脂や樹脂などを用いたものもありますが、ガラスコーティングが最も耐久期間が長いといわれています。ガラスコーティングの持続期間は、およそ3~5年程度です。ただし、車の保管場所の環境や使用状況によって、コーティングの持続期間は変わるため、おおよその目安として考えておくとよいでしょう。 ガラスコーティングのデメリット ガラスコーティングは自分で施工するのが難しいタイプもあり、専門店に持ち込んで施工を依頼しなければならない場合があります。そのため、一時的に車が使えない期間が発生したり、費用が高いことがデメリットです。専門店などに依頼した時の相場は、業者やガラスコーティングの種類によって異なりますが、およそ5~8万円程度が目安といわれています。 また、ガラスコーティングは比較的効果が長続きしますが、定期的なメンテナンスが必要です。コーティングのメンテナンスにも費用がかかることも合わせて覚えておきましょう。 施工費用を抑えたいなら市販のコーティング剤も検討しよう 専門店やネット通販などでは、自分で施工できるガラスコーティング剤が販売されています。コーティング剤の価格は、数千円程度であるため、専門店に依頼するより費用を抑えられるでしょう。また、スプレータイプのものなら、吹き付けて専用クロスで拭くだけなため、自分で簡単に施工できます。 自分でコーティングを施工する場合は、コーティング剤を吹き付ける前にボディの汚れをしっかり落としておく必要があります。ボディに汚れが残っていると、コーティングの効果が長続きせず、見た目も美しくありません。 市販のコーティング剤の耐久期間は、専門店で施工してもらうコーティングに比べて短めです。コーティングの持続期間は、コーティングの種類や車の保管環境などによって異なりますが、およそ数ヶ月~1年ほどといわれています。 コーティングの費用を抑えたい方は、市販のコーティング剤も検討してみるとよいでしょう。

ネジ山が破損していてお手上げ!そんなときはネジ山の再生に挑もう
旧車の再生と維持 2023.10.16

ネジ山が破損していてお手上げ!そんなときはネジ山の再生に挑もう

前回は固着したネジの緩め方について書きましたが、今回はやむを得ずネジ山を破損してしまった場合の「ネジ山再生方法に」ついてご紹介いたします。 旧車がメインのWebメディアとしては随分地味な内容が多い筆者ですが、全国のさまざまなイベントで雄姿を見ることのできるクラシックカーには、こうした地道な作業を伴うオーナーの努力の上に成り立っているということも、ぜひ頭の片隅に入れて置いていただけると幸いです。 *記事の内容は個人の見解でもあるので、作業は自己責任でお願いいたします。 ■修正タップをたてる 完全にネジ山が潰れてしまったわけでもなく、一部残っている。あるいは、カジリやネジ山が変形したボルトを抜いたことで一部変形してしまったときは、同じサイズのタップを経てることで修正することができます。 もしナット側のネジ山が変形して、同じサイズのボルトが回らないくらいきつくなったときは、無理に締め込もうとしないで一度修正タップをたててみましょう。 ネジ穴に固着したボルトが折れて残ってしまい、ドリルで「もいでいく」際は、ドリル径を少しずつ大きくしていきます。 ネジ径の8割くらいのドリルまで使ったら、あとは元のネジ穴と同サイズのタップを立てれば再生できます。 ネジを切るための正確な「下穴径」は、「ネジ 下穴」で検索すると一覧表が出ますが、概ねネジ径×0.8前後と覚えておくと便利です。 長年使っていなくてサビや埃でネジ山が埋まってしまったり、再塗装や再メッキで嵌めあいがきつくなってしまった場合にも修正タップは有効です。 自動車用のネジの場合、嵌めあいの精度は、手でボルト・ナットが抵抗なく回せるくらいが目安だそうです。 修正タップは市販のタップセットを揃えるのが簡単ですが、よく使うサイズは奮発してスパイラルタップを用意しておくといいかもしれません。 タップハンドルもセットに入ってるタップハンドルの他に、チャック式の小型のハンドルも用意しておくと便利です。  ■ナッターを使う  クルマに限らずDIYで何かを作ったり、リノベーションを楽しんでいる人なら持っておいて損はないツールに「リベッター・ナッター」があります。 本来「リベット」や「カシメ」で薄板同士を固定する役割なのですが、ナッターとして使えば、板の外側から反対側にナットをカシメて固定することができるという優れモノです。 裏側に手が入らないところにパーツや板材をネジ止めするときに重宝します。 本来はM4のナベネジで車体側の外接ナットで固定できるはずのスバル 360のテールランプ。 しかし、筆者が入手した時点では下側のネジ山が潰れていて、長年上側のネジだけで固定している状態でした。 この際、ナッターでネジの再生をすべく、まずは6mmの下穴を開けます。 「ブラインドナット」と呼ばれるカシメ型のナットを、「マンドレル」と呼ばれるネジを切ったシャフトに取り付けます。 下穴にマンドレルに取り付けたブラインドナットを、差し込み穴に対してマンドレルが垂直を保っている状態でグリップをしっかり握ります。 ブラインドナットをカシメてからマンドレル後ろのツマミを左に回して、ナットからシャフトを抜けば完成です。 これで、外接ナットが復活。 普通にM4サイズのビスで固定できるようになりました。  ブラインドナットを「カシメる」際は、グリップの手ごたえが変わったところで、少し力を入れて動かなくなったあたりで止めるという微妙な力加減が必要です。 引きが足らなければナットの固定ができず、引きすぎたらシャフトが抜けてネジ山を潰してしまいます。 最初は適当な薄板で練習して慣れる必要があるかもしれません。 ■ある程度自分で機関部のDIYメカをしたい、クラシックカーのレストアをしたいという人はリコイルヘリサートを 「リコイルヘリサート」は、エンジンブロックやバンパーステーの雌ネジ部分が潰れてしまった際にネジ山を復活させる道具です。 最近は、アマゾンやアリエクスプレスなどでM5、M6、M8、M10、M12の補修キットが買えます。 アメリカ車、英国車のオーナーは、更に奮発してユニファイネジ対応のリコイルヘリサートキットを買っておけばもう万全でしょう。 かいつまんで説明すると、潰れた雌ネジを一旦ドリルでもみ切り、特殊なサイズのタップで一回り大き目のネジ山を切り、内側がネジ山と同じサイズ・形状・ピッチになっているコイルを挿入し、雌ネジを再生する工具です。 ▲写真はM6サイズ用コイルの下穴 まずは、ネジ山を再生するコイルインサートを入れるために、潰れたネジ穴に付属のドリルで指定のサイズの下穴を開けます。 次に、付属の指定のタップでコイルインサート(M6)を入れるためのネジ山を切ります。 中央の引きばねのようなコイルですが、内側はM6サイズのナットのネジ山と同じ形状になっています。 数字の7のような形をしたハンドルの先に切り欠きがあり、コイルの中のまっすぐな部分をひっかけます。 先ほどタップを切ったネジ穴に、ハンドルに取り付けたコイルを入れ右方向(時計回り)にハンドルを回し、コイルを挿入します。 反対側からコイルの先が出ないところで止めます。 コイルを挿入したらハンドルを抜き、コイルを入れた方向から、今度は付属の丸棒を勢いよく差し込み、コイルの余分な部分を折ります。 この際、反対側からコイルが飛び出した状態で折ろうとするとコイルが伸びて変形し、ボルトが入りにくくなってしまいます。 こうなったときは、コイルの伸びた方をラジオペンチか先の細いプライヤーでつまんでコイルを引き抜き、もう一度新しいコイルを挿入してください。 表側は多少飛び出していても、ボルトを締めこめば飛び出している部分も中に入っていきます。 ■工具と技術は必要ではあるものの、潰れたネジ山を再生する方法はある 腕のいいメカニックなら「そもそもネジを壊さず外す」なんていいますが、古いクルマをいじっているとなかなかそうはいかないものです。 普通はネジを破損してしまったとなれば途方に暮れるかもしれません。 しかし、少々高いスキルを要し危険も伴う作業もありますが、ネジを再生することは可能です。 DIYメカニックでワンステップ高いところ目指してみるなら、ネジの修正方法を覚えておくのも悪くないかと思います。 ただし、作業には危険が伴います。 指定の手順で、ときには工具店のスタッフ等詳しい人の指示のもと、くれぐれも無理はしないでくださいね。 技量に自信がなければ最初からプロにお願いするなど、安全には配慮をお願いします。 [ライター・画像 / 鈴木 修一郎]

インプレッサ WRX STIは維持できないスポーツカーなのか?維持費とメンテナンスの負担を解説
旧車の再生と維持 2023.10.11

インプレッサ WRX STIは維持できないスポーツカーなのか?維持費とメンテナンスの負担を解説

インプレッサ WRX STIといえば、WRCでも数々の好成績をおさめたスバルが世界に誇るハイパフォーマンスカーです。なかでも3代目のGRB型は先代のセダンから5ドアハッチバックに進化したことで話題を集めました。現在も人気は継続しており、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。 しかし、ハイパフォーマンスカーだからこそ気になるのは維持費です。この記事ではWRX STI GRB型にかかる維持費の内訳とメンテナンスについて詳しく解説します。 インプレッサ WRX STIの維持費の内訳 インプレッサ WRX STIの年間維持費について、燃料代、自動車税(種別割)、任意保険料、車検代、メンテナンス費用の5項目にわけて解説します。 今回は、3代目のGRB型を例にあげてシミュレーションします。 燃料代 まずは燃料にかかる費用から解説します。今回は以下の条件で算出しました。 ・カタログ燃費 10モード/10・15モード 10.4km/L・使用燃料 ハイオク・燃料単価 190円・走行距離 500km/月 1ヶ月で約48Lの燃料を使用するため、燃料代は9,120円ほどかかります。1年間に換算すると、10万9,440円です。 自動車税(種別割) 続いて、自動車税(種別割)について解説します。 自動車税(種別割)は排気量の数値によって税額が異なります。インプレッサ WRX STI GRB型の排気量は1,994ccのため、該当する区分は1,500cc〜2,000ccです。自動車税(種別割)の税額は3万9,500円/年ですが、インプレッサ WRX STI GRB型は2007年にデビューしており多くの個体で車齢が13年を超えるため、重課される可能性が高く、4万5,400円/年かかります。 任意保険 次に、任意保険料についてみていきましょう。今回は、大手ネット型保険にて以下の条件で保険料をシミュレーションしました。 <条件>年齢:25歳等級:6B使用目的:日常・レジャー年式:2007年運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):80万円免責金額(1回目-2回目以降):5-10万円 保険料は13万1,628円/年でした。車両保険に関しては80万円までカバーできます。 車検代 次に車検代について解説します。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:3万4,200円(24ヶ月)※車齢13年超で算出印紙代:1,800円車検基本料:7万円合計:12万3,650円※車検基本料は内容、整備工場などにより費用は増減します 自動車重量税は車輌重量によって税額が異なり、インプレッサ WRX STI GRB型は、1t~1.5t以下に区分されます。同区分の現行モデルの税額は2万4,600円(24ヶ月)ですが、初年度登録から13年以上経過した個体は重課されて3万4,200円(24ヶ月)かかります。 また、古いクルマは故障が起こりやすく交換部品や整備が必要なケースが多いため、車検代は高額になる可能性が高いです。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用をみていきましょう。基本的なメンテナンス項目に加え、インプレッサ WRX STI GRB型ならではの故障箇所についても解説します。 基本的なメンテナンス項目 車種にかかわらずメンテナンスが必要な箇所は以下のとおりです。 ・洗車・ワイパーゴム交換・ウォッシャー液補充・エアコンフィルター交換・エンジンオイル交換・オイルフィルター交換・エアクリーナー交換 ・バッテリー交換 など 高く見積もって5万円/年ほどを見込んでおけばよいでしょう。 インプレッサ WRX STI GRB型ならではの故障箇所 インプレッサ WRX STI GRB型で故障しやすい部品といわれているのが、2次エアーコンビバルブです。未燃焼ガスを再燃焼させて排気ポートに空気を送り込み、触媒の働きを活性化させ、排ガスを浄化させる役割があります。 錆で部品が固着してしまうトラブルが多く、走行に大きな影響はないものの、エンジンチェックランプが点灯するため、そのままにしておくと車検に通りません。交換費用は左右あわせて5万円程度です。 7万km~10万kmで固着するケースが散見されており、長距離移動が多い方は2~3年に1回の交換を覚悟したほうがよいでしょう。  インプレッサ WRX STIの年間維持費は約45万円 インプレッサ WRX STI GRB型の維持費の内訳を解説してきました。年間での合計額は以下のとおりです。 <WRX STI GRB型の年間維持費>燃料代:10万9,440円自動車税(種別割):4万5,400円任意保険:13万1,628円車検:6万1,825円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:10万円合計:44万8,293円 月額では3万7,000円ほどかかります。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生し、月極駐車場を契約する場合は別途駐車場代が毎月かかります。 インプレッサ WRX STIを維持するには年収いくら必要? インプレッサ WRX STIの維持費を算出しましたが、所有するのにどのくらいの収入があればよいのか気になる方は多いでしょう。クルマの維持費は年収の10〜15%が望ましいといわれているため、450万円以上の年収であれば維持できるはずです。 しかし、ここで見積もったのは最低限の費用です。前述のとおり、ローンの返済や駐車場の賃料が加わるとさらに維持費がかかる可能性があるため、あくまでも最低ラインが450万円と認識するとよいでしょう。 インプレッサ WRX STIの維持費を抑える方法 インプレッサ WRX STIを維持するには最低でも年収450万円必要なことがわかりました。しかし、収入が足らなくてもどうしても所有したいという方も多いでしょう。そこで、ここではインプレッサ WRX STI の維持費を節約する方法を3つ紹介します 任意保険を見直す 維持費を抑えたい場合には、任意保険の契約先を見直すとよいでしょう。 車種や条件が同じでも、保険会社によって金額が異なることがあります。任意保険を契約する際には、複数社から見積もりを取り寄せて保険料を比較してみましょう。なお、国内損保よりもネット型保険のほうが安い傾向にあります。 車検の依頼先を見直す 車検の依頼先の見直しも維持費を抑えるのに有効です。 車検基本料は依頼先によって異なります。ディーラー車検よりも民間車検のほうが安い傾向にあり、民間の工場でもそれぞれ金額に差があります。車検の際には、事前に複数の工場から見積りを取り寄せて、車検基本料を比較するとよいでしょう。 DIYでメンテナンスする 一部のメンテナンスを自分で行えば、その分外注費用を減らせます。比較的対応が簡単で、DIYが可能なメンテナンス項目は以下のとおりです。 ・洗車・エンジンオイル交換・ワイパーゴム交換・バッテリー交換 など ただし、初めてDIYする箇所については必ず正しい手順を確かめたうえでメンテナンスしましょう。誤った方法で対応すると、故障やトラブルにつながりかねません。 インプレッサ WRX STIを買って乗りこなせる? インプレッサ WRX STIを所有するにあたり、維持費以外で気になるのは自分に乗りこなせるのかどうかという点でしょう。これまでの運転経験によってポイントが異なります。 一般的なAT車しか運転したことがない場合、まずはMT車の扱いを習得しなければなりません。そもそもAT限定の免許証なのであれば限定解除の講習を受ける必要があります。インプレッサ WRX STIは基本的にMTであるためです。 クラッチワーク、シフトチェンジの操作に慣れ、ターボ車特有のターボラグをコントロールできるようになりましょう。 また、ハイパワーに対応できる運転スキルを身につける必要があります。300ps以上のパワーは一般的な車の2倍以上です。アクセルワークの繊細な操作が求められるほか、雨天時などには路面状況に応じて慎重に運転しなければなりません。 AT車しか運転した経験がないのであれば、まずは普通のMT車で基本操作を習得し、その後に200psクラスの車両に慣れてから最終的にインプレッサ WRX STIへステップアップするという段階を踏むのが現実的でしょう。 MT車の運転経験がある方であれば、基本的な操作には慣れているため、ハイパワー特性への慣れに数ヶ月程度集中すれば乗りこなせるはずです。 まとめ インプレッサ WRX STIを維持するには、年間約45万円ほどかかるため、450万円以上の年収があれば所有できるでしょう。また、上手く乗りこなすためには、自身の運転経験に応じた練習が必要です。費用、メンテナンス、運転スキルの3つの観点から考慮して、購入するかどうか決めることをおすすめします。

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